「アメリカ人ってやっぱり宇宙人ネタが好きなのね」フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
アメリカ人ってやっぱり宇宙人ネタが好きなのね
やっぱり、キューブリックの名前が出てきました。
そもそもアポロの月面着陸ウソ説を唱える人の根拠のひとつが、『2001年宇宙の旅』の撮影直後、或いは同時に裏でキューブリックに月面着陸のシーンを撮るよう極秘依頼があった、というのがあります。
それだけ、『2001年』が凄い作品であるということですが、もしかしたらキューブリックの熱烈な支持者が伝説を作るために、この噂を流したのかも知れませんね😄
どこかで読んだ記憶があるのですが、アポロ11号当時のコンピュータの演算能力は任天堂の初代ファミコンより劣るとか劣らないとか。これが本当かどうかは別にしても、確かにコンピュータもカメラの解像度も桁違いに進化した今の水準からみると、よくもまああの時代に!と驚嘆するしかありません。
もし、あなたが現代の宇宙飛行士だとしたら
もし、タイムマシンであの時代に行けたとしたら
人類初の月面の足跡をあなたが残せるのですよ、と言われても今の宇宙関連機器に慣れた身で、あのアポロ宇宙船に乗る勇気はありますか?
無理〜と逃げ出す人のほうが普通だと思います。
宗教と科学のシンクロを絡めた説得により、アポロ計画への支持を表明した大物議員がいましたが、このくだりは困った時以外、神を意識することのない多くの日本人にはピンとこないところです。
立花隆さんの名著『宇宙からの帰還』では、多くの宇宙飛行士へのインタビューを通して、宇宙に出ることでより神の存在を身近に感じることになるアメリカ人が実に多いことが分かります。
たぶんこのあたりの事情、つまりアメリカの政治家にとっては、信仰への向き合い方も支持者との関係でとても大きな意味を持つ、ということが窺えます。
そんなこんなも含めて(当時のガソリンがぶ飲みのアメ車だって好きな人にとってはたまらない!)、リアルでシュールで真面目に可笑しくて、ちょいとホロっと泣けて、最後は優しく笑える。
アクション無しのスカーレット・ヨハンソンがとっても素敵!そのうえ、テイタムもハレルソンもこれ以上ないほどピッタリと役柄にハマっていて超納得。
なんてことなさそうなのにかなりイケてる映画です。
共産主義国にとって宗教は阿片だからかなー。マルクス&エンゲルスがどういうコンテクストでそのようなことを言っているのか深く考えないと、と思います。あと線引き難しいけれど、宗教とカルトをきちっと分けないと日本(もアメリカ)もマズいと思います。日本でかなり歴史ある大きな新興「宗教」はフランスでは完全カルト扱いですよね
レビュー、すごく面白いです。キューブリックの件は全く知りませんでした。信仰不快感おおもの議員を二人で訪ねた時(ディナーに招待された)のダイニング・ルームの雰囲気と議員との会話、とても印象的でした。
まず食事場面が「最後の晩餐」みたいな雰囲気で照明でした。後にはイエスの絵が飾ってある。プロテスタントだと思うけれど、今、キリスト教信者であることを述べ、それゆえという議員っているのかなあと思いました。居て欲しい訳ではないのですが、議員一人一人が自分の顔と名前を出して、所属政党の方針と関係なく、自分の意見を言えるのはいいなと思いました。って私の考え、ずれてるかな