密輸 1970のレビュー・感想・評価
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アバズレ
まるで昭和の東映作品を観ているような感覚で…「肉体の門」とかと似たようなテイストを感じるものの、お話としては面白かった。
が…あの韓国的懐メロをどう処理するべきか。
唐突に、大音量で挿入される。
その後に流れるBGMと同じなのだけど、いちいち興が削がれたりもする。
BGM全般が俺には合わなかった。
もっとハードな話かと思ってたのだけど…いや、ちゃんとハードではあったのだけど、どうにも噛み合わせが悪いというか、没入感が薄い。
安っぽいというか俗っぽいというか…アレも韓国の一面ではあるのだろうけど、華がねぇなぁって。
話しは嫌いじゃないんだ、ホントに。
虐げられた人々が「密輸」って犯罪に手を染める。そもそもが汚染物質を垂れ流す化学工場のせいなのだ。
それまで海の幸が豊富だった海で漁ができなくなる。
それ故だった。
劇中で「貧乏は罪だ」なんて台詞があった。貧乏だから犯罪に手を染める。極端だとは思うが言い得て妙だとも思う。
3年前に摘発された密輸事件で拗れた女達の友情が復活していく様とかも好きだし、大悪が税関の係長ってのも頷けたりする。
だが、どれもこれも昭和テイストで…なんの焼き直しなんだろうとまで思う。
監督があの時代ではなくて、あの時代の作品を復刻したいってんなら成功だとは思うけど…台詞も仕掛けも編集さえも、昭和の東映作品の匂いがプンプンしてる。
女性の自立ってよりは、男性社会への反抗とか脱獄とかがテーマだったと思う。
日本の女性蔑視も酷かったけど、韓国の女性蔑視も相当酷い…てか輪をかけて酷いなぁと思われる。
海女たちの背景は語られないのだけれど、あんな稼ぎもない港町で独身ならば、出てきゃいいのにと思うのだけど、それが出来ない事情でもあったんだろうか?
色々とツッコミどころはあるのだけれど、まぁ、夏だし、鮫はやっぱり怖いなぁなんて事を思い…特に目新しい事もなかったのだけど、物語はちゃんとしてたように思う。
海女さんが女性しか居ないのは、男性は漁に出るからなのかしら?それとも女性には海女に特出する性能でも備わってるのかしら。韓国の海女さんの風体も日本の海女さんと変わらずで、それはちょいと驚いたかなぁ。
ベトナム帰りと歌謡曲
密輸業者と税関と海女が密輸品を巡って争奪戦を繰り広げるクライムサスペンス。韓国映画らしい設定。でも、個人的にはかなりの大好物な部類。
どんな話なのかある程度イメージしていたし、そこから大きくズレることもなかった。でもそれでいい。嬉しいサプライズは、ベトナム帰りの軍曹たち。彼ら2人の格闘シーンはこんな映画(言い方は失礼だが)ではもったいないくらいにレベルが高かった。
お互いに騙しあい、裏をかこうとする。コンゲームのようでいて、でも熱い友情の話だった。やっぱり好きなタイプの映画じゃないか。舞台が70年代ということもあって、登場する人たちの言動に時代というか泥臭さを感じる。いや、韓国南部の港町だからなのかもしれないけど。
この70年代の舞台を彩るのが当時の韓国歌謡(と思われる楽曲)の数々。70年代の日本の歌謡曲もその傾向があるが、やたらとソウルフルだったりする。うまいと言うよりも染みるボーカル、シンプルなのに印象に残るメロディ。つらさや悲しみがにじみ出るあの曲たちがとても優しかった。
サメや船の航行のCGがちょっとしょぼいのも許せるくらいに面白かった。韓国映画で、この手のクライムサスペンスを作らせると普通にこのレベルになるってことがすごい。
騙し騙され
途中から面白くなるので我慢だ
とぼけたツラして容赦ナシ、そこにこそ”悪の魅力”が光る
生活苦から密輸品回収に手を染めたクンチョンの海女一同、しかし税関の摘発から逃れようとした際の事故で海女のリーダーにして船主の娘ジンスクは父と兄を喪い己も投獄される。
2年後、唯一摘発を逃れたかつての親友チュンジャが引き込んださらなる密輸ビジネス。ベトナム帰りの密輸王、クンチャンに幅を利かせるチンピラ、そして税関が各々の都合をぶつけ合う中、ジンスクは何を信じるのか、そして”ふてぇ女”チュンジャの真意はいかに。
暴力と悪意の緊迫に満ちたクライム作品はそれゆえにいかに展開に緩めを利かせるかが魅力のカギを握ることが多いが、本作はそれをよく理解しているといえる。
既に他レビューにあるようにハッキリ言ってあぶく銭で70'sトレンドに耽溺するクンチャン住民の姿は我々の視点からは垢抜けないところがあるが、そうしたとぼけた絵作りは明らかに恣意的なものであり、騙しの連鎖と「お前がラスボスなのかよ!?」な展開を絶妙に下支えする世界観を築くことに成功している。
騙しの口八丁で盤面を左右すれどもいざ暴力を剝き出しにされると抗うすべのない女たち……それが海面の下では流麗に命をもぎ取る襲撃者に化ける。そのギャップに痺れる頃には既に本作の虜であろう。
中々の快作である。
最初から最後までずっと楽しい、爽快な映画
エンタメのお手本のような映画。お話のテンポがいい、音楽もノリノリ、クセが強い登場人物たち、犯罪と裏切り、コンゲーム、最後に爆発するアクション、爽快なシスターフッド。どこを切っても良質の海洋クライムアクション。
とにかく俳優たちが素晴らしく魅力的。特にキム・ヘスは、やることすべてキマっていて眼が奪われっぱなし。チョ・インソンとの絡みの距離感の表現が凄い。
めちゃくちゃカワイイのにめちゃくちゃ面白いという得意技をガンガン見せつけてくれるコ・ミンシも素晴らしい。得意な役柄とはいえ難しい役のはずだが、めちゃ細かい芝居の積み上げで面白くもリアリティーのある人物を作り上げている。
音楽も最高。当時の曲を上手く生かすような劇伴の作り方になっており、韓国の音楽に詳しくなくても登場人物たちの感情を補間してくれる。
出し惜しみなしの水中撮影も素晴らしかった。冒頭とラスト近くで繰り返される連携が熱い。
アクションが凄いのは言わずもがな。地上でも水中でも。
とにかく年間何本も出ない良質のエンタメ作品なんで、迷うことなくすぐに観るべき。
海女最強説
よくまとまった娯楽作
久しぶりの韓国映画の鑑賞でした。
観る前はよくあるクライムサスペンスかな、と思っていましたがこれがよくまとまっている。地方の漁村を舞台に、人間の欲望と二人の女性の友情が交錯する。
閉塞的な田舎の雰囲気や「騙そうとする」「騙される」「騙されて疑う」といった感情の動きが常に動いていて、観ていてダレる感じがない。ストーリーを大雑把に言ってしまえば勧善懲悪ですが、主人公たちも純粋に善人ではないのが良かった。
後半になるとアクション映画っぽくなり、元軍人VSヤクザはスピーディでCG映画にはないアクションのキレが良かった。そして、海女さんVSヤクザの水中戦という観た事のない映像が展開されてそれが良かった。これはほかの映画にはない。そしてサメという超暴力がいい味を出しています。
総じて、暴力流血描写は多いのは人の好みは分かれますが、人間模様の移り変わりとキレのアクション映画が良くまとまった娯楽作となってます。
オップン、最高!
序盤は謎のカラオケ映像っぽい
日活?東映?クォンズ・エンジェル!?
1970年代制作映画のリバイバルかと思うくらい1970年代
そのころの日活とか東映とかのアクション映画のテイスト、なおかつ
チュンジャのウィッグ、ヘアスタイルがダサいファラ・フォーセット・メジャーズ。
チャーリーズ・エンジェルを意識しました感出してるけど、わざとですよね。
ジンスク、チュンジャ、オップンの3人、チャーリーのよりもダサくて悪くて生活感に塗れたエンジェルたちですが、かっこよさは同等か、それよりも上。
化学工場の廃液で漁ができなくなった海女たちが、生活のために密輸に手を貸すのだが、全く罪悪感がない。躊躇するのは捕まることを恐れるからだけ。脱税の一味に違いないが、国は工場廃液に対して何もしてくれないし、税関職員汚職し放題、だから庶民もしたたかに自分を優先するのは当たり前。この辺りは韓国らしいかも。
前半ジンスクたちのやられ放題でぐっと怨念を溜め込んで、後半で回収のカタルシス
チュンジャが強かで嫌な奴で、到底ジンスクたちでは歯が立たないと思いきや、実は誤解で、情に厚い力強い味方だったことで俄然イケイケムードになる。
地元のチンピラ集団に密輸王、税関職員とサメまで絡むバトルロワイヤル、固い友情と頭脳と度胸で、彼女たちを利用し陥れた奴らが報復されていくのが痛快。オンナを舐めてはいけません。
クオンが殴り込みされて、敵味方入り乱れて血がドボドボの修羅場がやたら長くてしつこい。痛そうで目と耳を塞いで見てました。
海女たちが宝石をゲットしたものの、換金するのは厄介だろうと思っていたら、彼、実は生きててよかった。海苔の上のきらめく宝石はなによりの朝食ですね。
この一件で海女たちはクオンのお覚えもめでたく、太いビジネスが継続できることでしょう。
めでたし、めでたし
密輸品の中に今は亡きSANYO電化製品が山積み、感慨深いものがありました。
SANYO製品はそこそこリーゾナブルでしかも日本製、密輸品としても人気あったんでしょうね、今はパナソニックに吸収され、海外ではハイアールになっちゃってるんでしたっけ? 知らんけど。
痛快でした!
やっくん
韓国の昭和演出
なんともまあ、にぎやかなことよ
昭和歌謡みたいなノリ
小悪党と悪党と大悪党が殺し合うよ(どうでもいいよ)
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