劇場公開日 2024年7月12日

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「ちょっと変わった韓国映画だがおすすめ。」密輸 1970 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0ちょっと変わった韓国映画だがおすすめ。

2024年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

今年250本目(合計1,342本目/今月(2024年7月度)13本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。

(前の作品 「メイ・ディセンバー ゆれる真実」→この作品「密輸 1970」→次の作品「
キングダム 大将軍の帰還」)

 今でこそ、この映画のクンチョンは首都ソウルにも含まれ鉄道(東京・大阪でいう地下鉄に近い)からもアクセス可能な工業を主体とするエリアですが、映画の1970年代はそういったものがなく、ちょっと遠いだけでも「田舎」でした。

 韓国映画といえばアクションものもりもりだったり、そうでなければノンフィクションもの(ドキュメンタリーもの)で濃厚な展開ですが、こちらは実際の事件をテーマに作られているという折衷的な選択肢になっています。

 途中で日本や日本のお菓子、文化等が出るのは、この当時(1970年)はまだ韓国は日本の文化の「輸入」制限をかけており、民間でこっそり「輸入」して広めていったものが映っているものです(民主化した1990年以降でも、映画館に対しては「数割は韓国映画を放送しなさい」といった制限はかかっていたし、日本に限らず他文化流入で国の文化が押されるのを恐れていた)。このため、映画内でやや「偽物かなぁ」というようなものが出るのはそういった事情です(当時はインターネット等ないので、偽物かどうかなど確かめるしかないし、一方で、日本では新しい人権として知られる「知る権利」(情報にアクセスする権利)自体の考え方は韓国においても妥当するので、他文化を吸収することそれ自体は責められるものではない)。

 海女さんやその密輸を取りしまる税関、またその裏にある裏組織…とめが離せない展開です。登場人物こそ多いですが「勢力自体」は3~4勢力での争いと少なく展開が読みやすいので韓国映画が初めてという方もおすすめです。

 採点に関しては特に気になる点がないのでフルスコアにしています。

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 (減点なし/参考/税関の取締り・逮捕で「万歳をしろ」の部分)

 日本でも映画としてなら西部劇映画などどで「手をあげろ」などというようなシーンがでますが、結局「何も持っていないことを証明しろ」という意味では同じなので韓国映画では時々出てきます。

 「マンセー(しろ)」という語自体は「北の国」との関係でやや揶揄的な表現で使われることもありますが(むしろそちらで知っている方が多いかも)、韓国国歌にも登場する語でもありますし、頻度は少ないものの韓国映画では時々出ますね。
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yukispica