「古いものを経由して新しい物語が」モンキーマン Pocarisさんの映画レビュー(感想・評価)
古いものを経由して新しい物語が
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前半のエクストリームな展開のあと、この物語が目指すものが見えてくるにつれてめちゃくちゃアガりました。
デヴ・パデルがこんな先端的な物語を構想できる人だったとは。
基本は復讐の物語。
暴力とアクション。
これ自体は古くからある映画の枠組み。
インドの信仰。
これも古くから存在するもの。
しかしその両者が融合すると、古臭い男性性の発露だったはずの暴力の意味が変わる。
両性具有のシヴァ神の存在のように別次元の何者かとなった主人公は「自分が誰か」という問いにおそらくその行動で答えている。
それが猿の神、モンキーマンなのだろうと思われる。
男性原理の象徴である警察署長を殺したあと、彼らを信仰の名で操る聖者を殺すのはいわは男性原理の神を殺すということなのたが、しかし、それも本当の神そのものではない。
弱者を排除し、女性に暴行して殺す男性原理はインドからも世界からも死んでなくなることはない。
この物語には先がある。
そういう意味で、全くもって現代的な新たな物語を目指している。
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