「観客に伝えたいメッセージって何だろう」またヴィンセントは襲われる 椿六十郎さんの映画レビュー(感想・評価)
観客に伝えたいメッセージって何だろう
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ある日突然、目が合うだけで不条理な怒りと暴力を向けられるようになる主人公
襲われる原因や理由などないのに、目が合うだけで命を落としかねないほどの暴力を受ける
主人公は世界中にあふれる「不条理な暴力」のニュース映像やyoutubeを眺めている
確かに、世の中はまさに目が合っただけで絡まれ殴られ、または自分の意図していない
解釈で恨みや憎しみ、嫌がらせを受けかねない空気がそこにある
監督は、この世の中の、理由の無い暴力、または本当に些細な出来事でお互いを
傷つけあう世界をまさに「目が合うだけで襲われる」設定の中で
警鐘を鳴らしたいと思ったのだろうか
視線が合わないようにサングラスで防衛すればいいとも思うが、その小道具を使うと
物語が間延びするからか、一切使われない だから視線が合う恐怖は見ている観客にも
しっかり伝わる
(日常生活の中で、ふと他人と目が合う時、やっぱり気まずかったり、ある種の不安感を感じるそれに似ている ただ、視線があっても襲われない描写もあり、やや混乱する)
この物語をどう着地させるのかと思っていたのだか、途中からいわゆる「ゾンビ映画」テイストになってしまい残念だった
ラストシーンもまさにそんな映画の終わり方でもったいないなぁと感じてしまった
もう少し、いい映画になるような、いい設定だったのに
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