「思いがけない良作。恋愛映画における一変調子を打ち消す。」恋を知らない僕たちは あおねるさんの映画レビュー(感想・評価)
思いがけない良作。恋愛映画における一変調子を打ち消す。
最初この作品の公開発表があった時、また若々しいキャストで固められた流れが一変調子な恋愛映画か、と思っていました。
しかしそう思っていた自分に対して猛省。
なかなかに考えさせられる作品でした。
青春って、恋愛って、思っていたよりずっと青くて痛いんだなって。
自分が抱いた感情が「恋」なのかそうでないのかって、現実にも悩む人はたくさんいますよね。
意外と「憧れ」や「尊敬」だったりもしますし、境界線は非常に曖昧だと思います。
だから最初に好きになった人がいて、いつの間にか違う人を好きになっていた、なんていうことは少なくないのかもしれません。
その人を意識するきっかけがあるかないかですよね。
叶う恋もあれば叶わない恋もある。でもそれは決して不幸ではなく、自分が知らないだけでまた別な幸せが待っている。
恋模様の描き方がリアルでいいなと感じました。
実を言うとほとんどの演者さんが分からず、分からないのに決めつけていたことも猛省。
存じ上げていたのが大西流星さんと、猪狩蒼弥さん。お二人は以前レビューした「あの子は邪悪」という作品と「先生の白い嘘」という作品で初めてお芝居を拝見しました。
大西さんはバラエティで拝見することが多く、個人的に声がかなり特徴的なイメージがあり、そちらに気持ちがいってしまうため、お芝居は向いていない方なのでは…と。
「あの子は邪悪」の際はそこまでセリフ量が多いわけではなかったので気にならなかったのですが、今回主演作ということで懸念していました。
ここでめちゃめちゃ土下座です。
むしろこの役が凄くハマり役で、お芝居お上手でした。
ファンの皆さんすみません。大西さんお芝居素敵な方です。
感情が昂りカッとなる様子。自分に素直になれなかったり、どうすればいいか分からず放心状態になる様子。
後は思いが通じあった海岸でのシーン。自然なお芝居に惹き付けられました。
後は、志田彩良さん。この方のお芝居がとても好きになりました。嫌味がなく表情も良い。そして繊細で真っ直ぐで素敵でした。
また違う作品でも拝見したいです。
P.S 大西流星さんと齊藤なぎささんのお二人。目がキラキラしてお人形さんみたいなビジュアル同士がくっつく破壊力凄いなって思いました。笑そ