「地元ロケ地への期待と『加藤剛・男の童うた』のような思春期の共感」恋を知らない僕たちは てつさんの映画レビュー(感想・評価)
地元ロケ地への期待と『加藤剛・男の童うた』のような思春期の共感
クリックして本文を読む
本作は、福岡フィルムコミッション支援作品で、地元がロケ地になっているという情報を得たことだけが鑑賞動機であった。序盤の棚田や砂浜、高校は、あまり確証がなかったけれども、神社や観覧車、特徴のある橋、大濠公園は目星がつき、エンディングクレジットで照合できたものもあれば、できずに地図やネットで調べてわかったものもあった。
内容にはあまり期待していなかったが、友情と恋愛感情との板挟みや片想いでの悩みという、誰しも思春期で共感できるような問題に、誠実に向き合って丁寧に解決していく登場人物たちを描いたもので、良かった。原作がそのような内容なのだろう。直彦と太一が、当初気弱そうだったのが、頭突きをして親友に怒りをぶつけたり、意思をはっきりと言えるようになっていくところに成長の跡がみられた。加藤剛氏が主演した大河ドラマの主題歌を吹き込んだレコードの B 面に『加藤剛・男の童うた』という歌があり、2番の歌詞で、♪笛のきこえる祭りの夜/おれとおまえが忍び足/赤い駒下駄紺絣/あの子はおまえに惚れたのさ/胸の痛みはその記憶-となっていて、まさにぴったりくる場面があり、英二の恋は無理に成就できなくても良かった気がした。
コメントする