「青春キラキラムービーだけど、3人とも彼女にしたら大変な相手だと思った」恋を知らない僕たちは Dr.Hawkさんの映画レビュー(感想・評価)
青春キラキラムービーだけど、3人とも彼女にしたら大変な相手だと思った
2024.8.23 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(111分、G)
原作は水野美波の同名漫画(集英社)
四角関係+@を描く青春ラブコメ映画
監督は酒井麻衣
脚本は大北はるか
物語の舞台は、日本のどこかの海沿いの街(ロケ地は福岡県福岡市)
中学生の英二(大西流星)は幼馴染の泉(莉子)に恋心を抱いていたが、親友の直彦(窪塚愛流)に先を越されてしまっていた
泉は転勤族で、中学卒業を前にして、どこかに転校してしまう
それから2年後、高校に進学した英二と直彦は、変わらぬ日常を過ごしていたが、ある日、同級生の小春(齊藤なぎさ)が先輩のタカヒロ(小宮璃央)にフラれてしまう現場を目撃してしまう
直彦は彼女に優しさを投げかけ、それが小春のハートを射抜いてしまう
また、そこに泉が転校してきて、事態はさらにややこしくなってしまう
小春は泉がいるのにも関わらずアプローチをし始め、英二はそれを阻止するために、小春に付き合おうと言い出し始める
小春はその状況をも利用して直彦にアプローチを続けてしまい、さらにややこしい日常が続くことになってしまった
英二は図書委員だったがサボりがちで、同じ委員の瑞穂(志田彩良)から小言を言われてしまう
ある日、本の整理をしていた瑞穂が脚立から落ちそうになり、それを英二が助けたことによって、瑞穂の中で何かが始まってしまう
だが、英二の親友・太一(猪狩蒼弥)は瑞穂のことが大好きで、さらに関係はややこしくなってしまうのである
映画は、少女漫画原作で、六角関係のような複雑な恋模様が描かれていく
かなりキラキラ青春ムービーに寄せているので、中年目線だと眩しくて辛い
基本的にキャストのファンの若い女の子向けの映画なのだが、女優陣もみんな可愛いので男性客を惹きつける要素はあると思う
エンディングは主演のグループの楽曲だが、劇中歌の方が印象が強く、こちらの作詞は監督自身が行なっているのは驚きだった
区切りをつけることの難しさがあるのだが、劇中のキャラは恋愛依存症の如く、一つの恋愛が終わると、次の瞬間には次の恋愛が始まっていく
このあたりの節操のなさはアレだが、現代的な若者の恋愛事情なのか、願望込みなのかはわからない
ここまで身近すぎる中で恋模様が展開すると、現実だと大変だと思うものの、どのキャラも良い人なので関係性が崩れることはない
最もキラキラしているのは英二が木っ端微塵に泉にフラれるシーンなのだが、友情が先に芽生えてしまった者の末路のように思えた
翻訳するとかなりきつい内容になっているので、泉は見かけによらず残酷な女子だと思う
あざとさと天然の境目にいる存在だったが、彼女にしたら後々大変なのは、3人とも変わらないのかな、と感じた
いずれにせよ、若い人たちがキャッキャしているのを眺める映画なので、かなり居心地の悪い映画だった
初日でもあったので、周りはキャストのファンで埋め尽くされ、今時なギャルたちもたくさんいた
学園映画のセオリー通りにイベントで距離が縮まり、無きものが得ると言うわかりやすい内容になっていた
太一の想いが通じたのかはわからないが、瑞穂の満更でもない感じの顔を見れば可能性はゼロではないのかもしれない
特別扱いされることに慣れていない女子がどんな反応になるのかは未知数だが、英二に告ると言う段階でフラれることを許容しているので、太一に向き合うために区切りをつけたのかな、と感じた