教皇選挙のレビュー・感想・評価
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トランプの当選を阻止せよ(せめて映画の中だけでも)
映画を観ていてずっと思ったことは、「枢機卿って何?」。
そう思ったのは自分だけ?
後で調べたら、公式サイトに書いてあった。
「枢機卿(すうききょう)」=「ローマ教皇に次ぐ高位聖職者」とのこと。
日本にもいるらしい。
次のローマ教皇を選ぶ選挙(コンクラーベ)を実施するため、世界各地から100人以上の枢機卿が集合。
「国連みたい」と思った。
序盤は「コンクラーベのルール説明」「カトリック教会の現状」「有力候補者の紹介」に時間が費やされるため、やや退屈に感じた。
「コンクラーベ」という言葉はニュースで耳にしたことはあったが、実際にどうやるかは今回初めて知った。
「100人以上の投票のうち、2/3以上の得票を得る人が出るまで何度もやり直し」と聞いて、「なんて非効率なんだろう」と思った。
映画だと、投票のたびに新事実が発覚して戦局が目まぐるしく変化していったが、現実はたぶんそんなことは起きないと思うので、途中で「早くおうちに帰りたいからもうこいつでいーや」みたいな人が出てきそう。
コンクラーベ開会宣言みたいな場面で、レイフ・ファインズ演じるローレンス枢機卿が演説。
その内容が素晴らしく、この場面から映画に引き込まれた。
アメリカ大統領選や東京都知事選、兵庫県知事選で、SNSの情報のみを「確信」し、「疑念」を持たず動いてしまった人たちに向けた説教に感じた。
有力候補者は主に4人。
「トランプ」VS「黒人の人気者」VS「教会の重鎮」VS「人望の無いリベラル」。
「トランプ」の当選を阻止すべくローレンス枢機卿たちが暗躍、ところが他の有力候補者たちに次々と問題が発覚して失墜、このままじゃ「トランプ」が当選してしまうけどどうしよう…というのが話の中心。
最初に脱落していく人の場面を観ていて、今年のアカデミー主演女優賞での賞レースを思い出した。
ストーリー自体は逆転に次ぐ逆転。
逆転劇として、かなり面白かった。
そういう話が好きな人だったら「カトリック?なにそれ?おいしいの?」状態でも楽しめると思う。
ラスト。
「えっ」と声を漏らす人が出るくらい、劇場中が衝撃に包まれていて、異様な空気が漂っていたように感じた。
映画を観終わった後、「聖職者だけに」という駄洒落が思いついた。
「コンクラーベは根比ーべ」と言う人よりはマシだと思う。
とどめを刺された気分
病み上がりで本調子ではなかったものの、やはり観ないわけにはいかない本作。飛び石連休に挟まれた平日の今日、TOHOシネマズシャンテ9時20分からの回は案の定結構な客入りです。ただ、上映中のスマホや私語、離席も多かったりとやや集中力の欠いた状況もチラホラ。。気を取られないよう、必死にストーリー展開を追いかけます。何と言っても本作は第97回アカデミー賞において「脚色賞受賞」の本格ミステリ映画。物語の前半ではあれやこれやと放り込まれるエピソードに「これは伏線だな」と気づくものの、中盤以降の回収の凄まじさで劇中の教皇選挙もどんどんと混乱をきたしていきます。或いは、その登場から謎めいていて意味深な存在のキャラクターに「これはひょっとしたら?」なんて思わなくもないのですが、そこはやはり脚色賞受賞だけあって「巧い」と思わせる「これでもか」な展開。解ったようなつもりの自分の浅はかさに「参りました」と言わざるを得ません。そして更に、最後に明かされる本作最大のサプライズは唖然の一言。正にとどめを刺された気分です。
信頼のおける名優揃いでドラマとしての見応えは勿論のこと、衣装デザイン賞、美術賞ノミネートも納得なルックは本格的で、いつしかフィクションであることを忘れかけてバチカンのことが心配になりますが、言い方を変えればそれだけこの世界観に入り込んで夢中になります。最近のニュースで「本物」の教皇フランシスコの病状が報じられ、「コンクラーヴェの執行も遠くないのか?」と不埒なことが頭をよぎりましたが、最新のニュースでは快方に向かっているとのこと。と、こんな蛇足はジョン・リスゴーにがっかりされ兼ねませんのでこの辺で。
小難しそうと思って敬遠される方もいそうな題材ですが、ストーリーはミステリとして明解に面白い作品に仕上がっています。堅い一本です。
見る人を選ぶ作品ですね。まさに「根競べ」
期待を裏切りません
謎に包まれたコンクラーベの内情を覗き見できると、公開前からかなり楽しみにしていました。
システィナ礼拝堂に集う、真紅の法衣をまとった枢機卿たちを俯瞰で捉えたショットがゾクゾクするほど美しく、それだけで観てよかったと思えました。
(礼拝堂は本物ではなくセットですが)
同じローマ・カソリック教会に仕える枢機卿たちとはいえ、それぞれ言語や人種、さらに信条(保守か改革か)も異なる。
そこには選挙選さながらの騙し合いや陰謀策謀がうごめく、というストーリーはフィクションとはいえ真実味がありました。
最後の最後まで先の読めない展開はミステリとして十分楽しめましたが、イスラム教との対立問題や多様性にどう向き合うか、など同時代性への目配りも欠かさない脚本にうなりました。
ベテラン俳優陣たちの静かで熱い演技合戦もすばらしく、自身の信仰とコンクラーベの政治的側面の衝突に苦悩する枢機卿を演じたレイフ・ファインズにはオスカーをあげたかったです。
観る上での注意点。
それほど難しい映画ではありませんが、登場人物の顔と名前が一致していないと中盤からややこんがらがるので、序盤から気を抜かずに見てください。
あと、多言語が飛び交うので、それぞれの人物の主言語がわかれば、背景をもっと楽しめそうです。
私は英語とイタリア語しか判別できず。
ちなみに、英語ではコンクラーベ、じゃなくて、コンクレーヴ、と発音するのですね。
重厚な人間ドラマ、ミステリーとしでも楽しめた
アンマッチの美しさ
面白かった。「コンクラーベ」のことをリアルではじめて知った時、日本語の「根くらべ」に似てるし、やってることも根くらべっぽいな~、おもしろ! って思ったので、その詳細がわかるというのにテンションあがった。
ストーリーも面白いのだが、映像が本当に美麗で、すべてのシーンが、まるでセンスの良い絵ハガキを見てるようだった。整理されてシンプルな赤、白、緑、黄色のコントラスト、幾何学的な構図、静謐な空気感…。良かった! 大きな画面で鑑賞するのが良いと思う。
聖域におけるドロドロした権力闘争なんだけど、聖職者どうしの権力闘争というところで、彼らが人間的な悩みや信仰心に悩んでいるところが面白い。醜さと神聖さのアンマッチ具合が、バチカンの古めかしい儀式や建物の中に、スマホやパソコンや焼却用の機械パネルみたいなものがあるアンマッチと重なってみえる。
また、「伝統・保守・男尊女卑・排他性」VS「革新・自由・多様性・寛容」の対立でストーリーが進行することからも、あらゆるところにアンマッチが顔を出す。
最後は意外な結末になり、驚いた。
個人の勝手な解釈かもしれないがローレンスとベニテスの関係に対して、洗礼者ヨハネとイエスキリストの関係を連想した。
洗礼者ヨハネは、新約聖書においてイエス・キリストの到来を予言し、彼に道を譲る存在として描かれる。ローレンスは、コンクラーベを取り仕切る立場でありながら、最終的に彼のために道を開く役割を果たす。ローレンス自身が「ヨハネ」という教皇名を選ぼうとしていたことは、この解釈を裏付ける。
イエスは、ユダヤ教の伝統的な価値観を超え、罪人や社会の周縁にいる人々を受け入れる新しい宗教的ビジョンを提示した。ベニテスは インターセックスというアイデンティティを持ちながらも、教皇という伝統的な地位に就くことで、カトリック教会の未来に新たな可能性をもたらした。彼の存在自体が、従来の教会の枠組みを超えた革新を象徴している。
また、イエスが「神の子」でありながらも人間としての苦しみを経験したように、ベニテスも自身の性自認に関する苦悩を抱えながら、それを乗り越えて選ばれる存在となっている。
新約聖書では、洗礼者ヨハネがイエスに洗礼を授ける場面があり、それがイエスの公的な使命の始まりを象徴する。映画では、ローレンスがベニテスを最終的に受け入れ、彼が教皇になることを承認する場面がある。このとき、旧教皇がベニテスのインターセックスのことを知ったうえで枢機卿に任命していることをローレンスは確認している。この構図は、ヨハネがイエスを認め、「彼こそが選ばれた者である」と宣言する流れと似ている。ローレンスー洗礼者ヨハネ、ベニテスーイエス、旧教皇ー父なる神、という構図になっているように見える。
この映画は観る者によっていろいろな感じ方を許容する。そこが面白い。
よかった
枢機卿の息づかいを感じる。そして、最後に知る本当の真実。
雰囲気、静けさや空気感を非常に大事にした演出でした。
役者の息づかいをフルに使って、感情表現をするのは、なかなか珍しい気がします。
最初、途中、最後の息づかいの違いとか、本当によく作ってます。
そして脚本。
色々なところに、伏線がありましたが、これは、予想できなかった・・・。
途中のアクシデントと同様、斜め45度の高いところから突然、ふってくるような感覚。
この脚本が賞賛される理由も、昨今の事情から、なんとなく分かる気がします。
後から、思い返すと、
前の方が運ばれるシーンが長かった。
途中、眼をひらいた幻影が一瞬出たり、我々に存在を意識させていた。
なぜ、彼は辞めることを許されず、残されたのか、
なぜ、彼はローマに呼び出す相談をされたのか、
なぜ、あの方は、ずっと秘密裏にされたのか、
こんなところを考えると、語られずとも、事実が見えてくる気がします。
私がコンクラーベに参加したら、きっと、同じように票を入れます。
これが、計算されたチェス盤の上だと、気がついてもね。
全てはポープの掌の上
見事なまでに渋いキャストしか出てこないのに
セットと衣装と小道具の豪華さに加えて
色彩設計と構図が美し過ぎてため息しか出ない。
オレって枯れ専だっけ?って思うくらい出てくるジジイが全部オシャレでカッコ良くて釘付けだし、単調になりがちな室内劇のストーリーもBGMやイベントで飽きさせないような工夫はされているんだけど…寝ちゃう人は寝ちゃうかも。でも寝息かと思ったら劇中の息遣いだったりするし。
トランプ大統領のポリコレ全廃宣言前の映画界の政治的文化的トレンドをこれでもかってくらい詰め込んであるストーリーは、この地位まで上り詰める聖職者が清廉潔白であるわけがないという観客の期待通り、有力候補が失脚していく様子をイヒヒと楽しむ映画なのかと思ったり。
ストーリーを回していくローレンス枢機卿は「教皇は私にこの選挙を仕切らせたかった」と薄々気づいてはいたけど、このコンクラーベを陰で操っていたのは間違いなく亡くなったローマ教皇。全ての伏線を貼り巡らせて、じゃあローレンス頼んだよって。お前のことだ、規則を破って寝室だって漁るだろ?あとお前は教皇になろうなんて野心は無いだろ?ってポープの千里眼が過ぎるけど、一瞬ジョン(まあイギリス人だしね)って教皇名考えてたりして危ういバランスは最後まで続くわね。
................こっからネタバレ?.................
教皇名といえばイノケンティウスだけど11世以外はそこらの王様より権力持ってて好戦的でゴミみたいな教皇が多いもんなあ。なんでこの名前を選んだか?まあ調べてみてよ面白いから。
あとやっぱ神様はいるんだよ的な描写は、唯一神よりも明らかに自然神っぽかったわね。
それではハバナイスムービー!
知らない世界を垣間見る
枢機卿も人間だった。
教皇の秘蔵っ子
脚本賞受賞がなるほどと頷ける、近年の大収穫。日本的な例えなら魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿。陰謀渦まく密室劇。居並ぶレッドハット(枢機卿)の佇まいは圧巻で絵面は良いものの、実際はムッとする加齢臭が充満した空間である。
物語は、当初から、選挙人リストには無く、最後に滑り込んで来たベニテスを逆転候補だと匂わせる。そして、次々と馬脚を露わし脱落してゆく候補者達を見せながら主題を語らせる。
我々は“理想”に仕える人間であって、”理想”そのものではない。
ある意味、開き直りに聞こえる言葉だが、亡くなった教皇は、そこに至る過程まで、全てを読んでいた。生前、誰のことも信用せず、密かに枢機卿全員の身上調査を行い、コンクラーベのシナリオを作っていたのだ。
辞任の申し出をしてきたローレンスは信用に足るとして、辞任は却下で、これを仕切り役に抜擢し、要所要所でシスターアグネスを補佐役に廻しながら、ベニテスの名言シーンへ誘導してゆくというものだ。
教皇は”彼“ベニテスの素性を知ったうえで選挙に送りこんだ、言わば、秘蔵っ子である。
ラスト、ベニテスの告白は二段落ちで、ヤラレタ感が強い。池から這い出てきた亀も教皇のお気に入りだったと得心するローレンスの表情は、久し振りに野外の風にあたった窓辺で、心無しかほのぼのとして見えた。
ちょい眠い
ネタバレはないと思うけど
考え方次第。
システィーナ礼拝堂は
好みではないけど
壁画の青を間近に見れてよかった
特に追い払われもしなかったところも、
ありがたかったな。
ラピスラズリの絵の具で書かれたとか?
ゴツゴツしてるような青だったかな
とにかく青を見つめてると
昔の人の気持ちが、見えそうな気がした。
昔からの儀式を見れたし
人の営みなんだなと思う。
神なんてわからないけど
ナンパされたいと思ってたら
イタリアのぽっちゃりした
少年が、ベーネと言ってくれたから
ナンパしてくれるんだと思って
僕の勘違いだと思うけど
絆ができたんだと思う。
少年が大きくなって、良い人を結婚してくれたら良いな。
そんなんで良いなと思った。
彼との純粋な気持ちは、女性とは難しい
この気持ちを、簡単には共有できない。
君の笑顔は変わらないのに。
多分、僕が弱いからだと思う。
体を傷つけないところは共感できた。
僕も
おじちゃん、おばあちゃんから
もらった体をあたるなと言われて育ったから
仕事に支障がでた、多汗症も
手術は勧められても、拒否したし。
ただ、
中絶は女性に委ねてと、個人的には思ってる派
イタリアの装飾は
日本にない感性なので、毎回すごいなと思う。
そんな指輪あるんだとか。
見てて楽しい。
場外にすっ飛ばされた気分
信仰は生き物です
こないだ鑑賞してきました🎬
宗教色の強いストーリーですが、展開はよく練られており楽しめましたね🤔
ローレンス枢機卿を演じたレイフ・ファインズは終始眉間にしわを寄せた表情ですが演技の質は高く、アカデミー賞ノミネートも納得😀
シスター・アグネスを演じたイザベラ・ロッセリーニも、ある場面では抜群の存在感を発揮👍
雰囲気を引き締めてくれますね。
結末も意外ながら、一筋の光が見えるような幕引きです🙂
陰謀うずまく宗教ドラマのなかでも、傑作といえる1本でしょう🫡
穢れたバチカンを‼️❓無難に‼️❓処理した最低のアカデミー賞の脚本賞の記念碑‼️
あゝ、バチカンの秘部は、少年を性加害したことにあるのに、現実を避けて、こんな茶番劇、これがアカデミー賞の脚本なら蝕まれている、ウィンウィンなんでしょうねハリウッドらしい見届けましたよ、両生具有の教皇なんてなんの衝撃なんでしょう、最低の映画を観て、最高の評価をしました、たまたま地下鉄サリンの報道ビデオの再現を見て二千年くらいの宗教は危険である事くらい承知してますよ、ありがとうございます😊😭ー
現代に語りかけている作品
ドキッ!男だらけの根比べ大会
おじさん達がむさ苦しい閉鎖空間で根比べをする場所といえばサウナかシスティーナ礼拝堂と相場が決まっている。
本作では後者のほうが描かれた。
様々な思惑が飛び交い権謀術数が駆け巡る密室劇。
物語はおじさん同士の会話だけで9割がた進んでいくが、演出がとてもキレているので全く退屈しない。
ほどほどに謎解き的要素もあるのがアクセントになっている。
罪を悔いる者、罪を重ねる者、罪とは何かを問う者…権力を渇望する者、権力に失望した者…
おじさん達の群像劇として見てもとても楽しかった。
さて、物語の終盤、ある出来事によって、閉鎖されて空気が澱んでいたシスティーナ礼拝堂に外の空気が入ってくる。
そしてそこから物語は衝撃のラストへと猛烈に突き進んでいく。
おじさん達が辿り着いた答えはなんだったのか?ぜひその目で確かめてほしい。
聖職者とて抗えぬ"人"としての性
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