「人間の欲と良心を描いた作品」教皇選挙 ナイトさんの映画レビュー(感想・評価)
人間の欲と良心を描いた作品
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そもそも秘密に包まれたバチカンの世界。描写の細部がいちいち新鮮でした。
すごい古風な宮殿なのに最新のセキュリティーだったり、みんなスマホやタブレットは持ってたり。
冒頭の伝統的な死の儀式?から普通にカートに遺体を載せて拘束ベルトでガシガシに止めて運んだりして、「神の代理人」も容赦なく「死体」として扱われてるのが印象的でした。
そして何より、人間の欲望がじわじわあぶり出されていく感じがリアルに描かれてると思いました。
主役の枢機卿はおそらく能力も立場も教皇にふさわしい実力があるのに、最初は自分でなく仲間を一生懸命推します。そして邪魔になる候補者を使命感から次々排除することに成功。
そうしていくうちに、周りも自分もだんだん一番ふさわしいのは自分ではないか、、と野心が芽生えていくのです。その辺の描写がすごくリアルだなあと思いました。
けれどそんな彼が自分の虚栄心に負けたとき、天啓のようなテロ事件が起こります。
この事件をきっかけに、みんなもう一度心を改めてふさわしい人を選び出すのです。
(最初、枢機卿たちは黒い傘を持ってましたが、この事件のあと白い傘になりました。これは心がまっさらになった暗喩のような気がします。)
選ばれた教皇はこれまた意外な展開でしたが、その存在が奇跡的な人なので、私は納得しました。
人間だから、欲はある。でもそれを人間は克服できる。また、人智を越えた現象というのは、いつの時代でもあるのです。そこに神をみるかどうかなんでしょうね。面白かったです!
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