劇場公開日 2025年3月20日

「神学的ビジョンは希薄」教皇選挙 tomさんの映画レビュー(感想・評価)

神学的ビジョンは希薄

2025年5月9日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

単純

知的

難しい

『教皇選挙』は美しい映像と緻密な演出によってバチカンの荘厳な雰囲気を描いていますが、神学的なビジョンはあまり描かれていないと感じました。

本来、教皇選挙は祈りと聖霊の導きによって行われる、極めて神聖なプロセスです。しかしこの作品中では、それを単なる政治的権力闘争として描かれているところが目立ちます。

ドキュメンタリー的に雰囲気の再現、現実のコンクラーベの緊張感と儀礼の形式を感じさせるものでしょう。また視覚的には魅力的で、ドラマとしては見応えがあるかもしれませんし、現代社会における教会の課題や内部対立を描こうとした試みは理解できます。しかし、そこに信仰の光や神学的深みがあまり見えなければ、「教皇選挙」という舞台を選んだ意味は希薄で、ただの政治ドラマの舞台にすらすぎないように見えてしまいます。

tom
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