劇場公開日 2025年3月20日

「8手先を読む教皇〜多様性の時代の宗教」教皇選挙 Haihaiさんの映画レビュー(感想・評価)

3.58手先を読む教皇〜多様性の時代の宗教

2025年5月6日
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鑑賞方法:映画館

知的

驚く

斬新

2024(日本は2025)年公開、アメリカ・イギリス映画。

【監督】:エドワード・ベルガー
【脚本】:ピーター・ストローハン
【原作】:ロバート・ハリス〜『教皇選挙』

主な配役

【ローレンス枢機卿】:レイフ・ファインズ
【ベリーニ枢機卿】:スタンリー・トゥッチ
【トランブレ枢機卿】:ジョン・リスゴー
【ベニテス枢機卿】:カルロス・ディエス
【アデイエミ枢機卿】:ルシアン・ムサマティ

アカデミー賞8部門にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

1.聖職者も人

コンクラーベのために世界各地から枢機卿がバチカンに集う。
喫煙者も多く、吸い殻が地面に放置されている。
ピンク色(だったと思う)の派手なケースに入れたスマホをいじる枢機卿もいる。
世俗にどっぷり染まった聖職者を表現している。

立原正秋の小説に出てきそうな連中だ。

教皇になるための多数派工作も、実に生々しい。

2.多様性とカソリック

同性愛、中絶などに厳しい姿勢なのがカソリックであり、保守ど真ん中のイメージを持っていたが、
近年は変化しているようだ。
この映画を観て学んだ。

3.8手先を読む前教皇

チェスを趣味としていたらしい前教皇。
先を読んだ仕掛けを多数残していた。

4.キャスティングとストーリー

権謀術数うずまくコンクラーベ。
シスターアグネス含め、主要な枢機卿たちのキャスティングが素晴らしい。

本作がどれほど原作に忠実かは分からないが、
◆教皇候補者の足の引っ張り合い
◆異教徒のテロ
◆多様性への対応
◆栄達欲
をうまく散りばめ130分に納めた。

教皇になったら「ヨハネ」を名乗る、と宣言したシーンは人間そのものだった。
素晴らしいワンシーン。

5.まとめ

よく出来た映画。
だが、見終えた後、スッキリしたり、
元気になったりすることはない。
☆3.5

Haihai
ゆり。さんのコメント
2025年5月7日

そうなんですよね。ローレンスに投票した一方で、自分の名前もしっかり考えてたのか、即答してましたね(笑)

ゆり。
ゆり。さんのコメント
2025年5月6日

共感ありがとうございました。前教皇の思惑通り、結局ローレンスは選ばれませんでしたが、私はローレンスがなることに何の問題が?と思いました。

ゆり。
トミーさんのコメント
2025年5月6日

共感ありがとうございます。
ベニテスは前教皇の思惑を超えて来たんだと思いました。ジェンダーで肯定的な感想が多い様ですが、自分は女帝同様、女性の権力志向が露わになった印象でした。

トミー
ノーキッキングさんのコメント
2025年5月6日

政教一致のバチカンの教皇は同時に為政者でもあり、世俗と没交渉ではなく独自の調査機関を有し、枢機卿全員の身上調査も可能でした。ベニテスの象徴である亀は、孵化環境でオス・メスが変わってしまう生き物。共に教皇のお気に入りでしたね。

ノーキッキング
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