「天井の穴から風がそよぐ」教皇選挙 Kさんの映画レビュー(感想・評価)
天井の穴から風がそよぐ
多くの人がすでに書いているようにとても映画らしい波乱のドラマであり、よく練られた物語展開を楽しむことができる。ただそれだけでなく、押しつけがましくない程度に考える余地が残されているのが映画として上質だと思う。
教会には厳格な作法やルールがあり、違反があれば罰せられる横で、都合よく破られ変えられたりもする。荘厳に設えられた封印をパキッと割ってしまうシーンには可笑しみすら感じる。でも裏を返せばそれが赦されるならあれも赦されるだろうと希望的に思わせている。当初あれほど気を配っていた厳重な隔離であるのに、聖堂の天井にぽっかりと空いた穴になすすべなく、そこから風がそよぐのはとても象徴的で心に刻まれる。
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