「何と闘うのか」教皇選挙 やっぴょんさんの映画レビュー(感想・評価)
何と闘うのか
観終わった後にしびれる感覚をくれるのが、私はいい映画だと思っている。
そんなしびれをこの映画も提供してくれた。
そもそも教皇がどのような役割を持っているのか、恥ずかしいほどに知識がないのだけれど、その座を求めて動く人がいるということはそれだけの影響力があるということなんでしょう。
神に仕える聖職者のトップを決めるのは人である、ということに、考えると変だな、面白いな、と思ってしまう。神からお告げを受けたものがなるものではないのか。ただ、トップがいることで秩序が産まれるのが社会でもあるので、コンクラーブそのものが極めて人間的な行動なのかもしれない。
コンクラーブを正しく行うというローレンスの想いが、途中からどこに向かうのかわからなくなってきたのが面白かった。人々を守るため?教会を正しく続けるため?真実を明かすため?そんな中、ベニテス枢機卿の言葉がとても印象的だった。
余談だが、全ての言葉がとても洗練されていて、こういう言葉を発せられるようになりたいと思った。
最後の投票で枢機卿たちが考えあぐねていたシーンがあったでしょう。あの時に全ての人のところに微かな風が吹いてくる。みんなが上を見上げて、その後突然候補者を書き始めましたよね。
あれはキリスト教的に大きな意味があり(私は信徒です)、聖霊は「神の息吹」と称されるのです。最後の投票の場に聖霊が臨んだということ、つまり最後の選択は人の思惑ではなく神の導きによったということを表しているのです。
すべては亡き教皇のシナリオ通り、ヨーロッパ勢を排除、お気に入りはベニテスと亀。亀は孵化環境でオス・メスが変わってしまう生き物。そこに導くためにローレンスの苦労がありました。
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