「疑念とともに生きる」教皇選挙 クックーさんの映画レビュー(感想・評価)
疑念とともに生きる
とてつもなく荘厳で面白かった。
人に勧めたくなるので文句なく星5です。
日本人から見るととかく海外の大雑把な部分を目にすることが多いけど、
やっぱり長い歴史を持つ宗教とそれにまつわる儀式に対しては、手抜きが無いし所作のひとつひとつに意味や美しさが込められていて見ていて気持ちが良い。
タバコの吸い殻ぽいぽいとかはちょっと時代的にどうなのって感じだけど、
それもまたリアリティラインの一部として、らしさがあって良い(笑)
ストーリーとしてはよくある選挙レース劇。
本命や対抗、大穴がいてそれぞれの思惑とスキャンダルが錯綜しながら進んでいく。
正直、別に教会でなくても話が成り立つ程度に俗っぽい説得や野心や賄賂が飛び交っているので、高尚さや荘厳さに尻込みせず単純な政治劇として楽しめる。
ビジネス系のドラマとかが好きな人は大抵すんなり飲み込めると思うので見てもらいたい。
しかし最後のどんでん返しは驚いた。
さすがに時代に迎合しすぎでは…?そもそも本当に教会の制度として問題ないのか…?
とエンディング中にぐるぐる考えていてはっと気付いた。
そう、気付けば自分は「疑念」を抱いていた。
これで教会は安泰だという「確信」を持てない結末だった。
最後に俗世を見下ろす主人公ローレンスとまったく同じ心境のまま幕が閉じていた。
こんな見事な伏線回収があるのか。すごいギミックだとひたすら感心した。
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