「いろいろな意味で現代的なストーリーに、一流の脚本」教皇選挙 das Stoutさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろな意味で現代的なストーリーに、一流の脚本
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たいへんミーハーな動機で視聴。
権謀渦巻く難解な物語を想像していたが、存外わかりやすく、西洋史や宗教の知識に欠ける私でも素直に楽しめる、エンタメとして優れた作品だと感じた。
ストーリーは表題の通り。ローレンスが冒頭の説教で述べた、確信を恐れる、疑念を抱く法皇を求めているという言葉には少なからず感銘を覚えたものの、それが最終的に、ある意味で輪郭がとてもはっきりしたエンディング収束したところは、私の思う限り実に欧米的で現代的だと感じた。カトリックの事情には明るくないのであの結末の善悪を議論する気はないが、個人的には、故法皇を慕い、迷い惑いながら「良い」結末を求めようと奔走するローレンスが、渋い顔で法皇になるところが見たかった感もある。
この作品の一番優れた点は、脚本だと思う。
権威を極めた(という表現が正しいかはわからないが)枢機卿たちが、ときに綺麗事を言いながら、ときに野心を覗かせながら、思惑通りにいかないと情けなく狼狽するさまは、コメディのような面白さを提供してくれる。場面転換のテンポも非常に良く、最後までは退屈せずに楽しむことができた。
現実のコンクラーベがどうかは知らないが、時間を作って見に来たかいのある作品だった。
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