「原作と比べて」教皇選挙 島田庵さんの映画レビュー(感想・評価)
原作と比べて
ロバート・ハリスによるConclaveを読んだ結果、映画は、
主人公の名前・出身地とベニテスの出身地を除けば、かなり原作に忠実だと分かった。
(原作では、主人公はイタリア人、ベニテスはフィリピン人。役者にあわせて設定を変更したと思われるーーストーリーに影響はない)
もちろん、時間短縮のため削ってるところはある。
でも、本筋にほとんど影響なく、台詞もほぼそのまんま。
削られてる主な点は、
過去、5回目の投票までには決まっていたけど、今回は無理――結局8回かかった――
というのが、映画では、強調されてなかった、ってか、何回目だっけ、5回目か6回目で決まってた気がする。
あと、
マスコミが注目してるとか、
広場に25万人集まってるとか
という情報も、映画にはなかったよね、たぶん。
逆に、
原作に亀は出てこない。
それから重要なフリとして、原作では前半で、
教皇として決断すべき「女性の問題」が出てくる。
中でも物議を醸す大問題は、
男女平等とか堕胎とかいう話よりむしろ、
「女性が聖職につく(つまり司祭になる)」ということ。
カトリックでは禁忌。
で、これがラストにつながってくる。
この辺、映画では分かりにくい気がする。
あと、
最後に、両性具有あるいはインターセックスが判明したとき、
「匿名だったから、このことを知るのは3人だけ」
という台詞が原作にはあって、
ああそれなら、映画のローレンス(原作のロメリ)が納得するか、
といったんは思ったけど、
その情報源の人物もまた知ってるんじゃないか?
だったらいつかはバレるんじゃないか?
とも思い、
でもまあ、それでもいいやと、腹をくくったのかな。
* * *
ちなみに映画にだけ登場する亀は、
卵でいるあいだは性別がないらしい。
雌になるか雄になるかは、
温度やらなんやら、いろんな要素で後から決まるらしい。
亀が暗示しているのは、
そういうことだと思われるのであります。
いずれにせよ、結論は、
面白かった♪
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