「『私たちは目に見えない存在ですが、』」教皇選挙 はろさんの映画レビュー(感想・評価)
『私たちは目に見えない存在ですが、』
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どこまで現実に即しているのかはわかりませんが、正直ローマ教皇庁内やコンクラーベの仕組みについて詳細に描写されているのを見ているだけでも面白い。けれどアカデミー脚本賞を受賞しただけあって、ストーリーもすごく面白かったです。
個人的な話になるのですが、私はかつてミッション系の女子校に通っており、ミッション系女子校というものは基本的にシスターたちが主導権を持ち、彼女たちによって運営されるものでした。
なのにあの宗教の総本山ではシスターはメイド程度の扱いでしかなく、何の決定権も持たないんだということにちょっとショックを受けながら見ていたんですが、そこにあのオチが来たので、あえてそういう描き方にしていたんだなと。
昨今の世界情勢的に、教会内でリベラル派と位置付けられる人たちがもがきながらも必死に理想を貫こうとする姿には心動かされました。
キリスト教福音派と呼ばれる勢力が米国政治をポピュリズムに導き、世界中が排外主義に動いている時代に、カトリックの総本山まで寛容さを失ったらまさに地獄がやってくるでしょうし。
世界が最後の一線を踏みとどまるためには、『確信』を持たないがための不安定さや不安の中を生きることを受け入れる勇気が必要なのかもしれないと感じました。
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