「13世紀から続く世界で一番スリリングな選挙」教皇選挙 イザベルさんの映画レビュー(感想・評価)
13世紀から続く世界で一番スリリングな選挙
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原題はCONCLAVE(枢機卿たちの互選による教皇選挙会議)。
ストーリー自体はフィクションだが、その昔、世界史の語呂合わせで覚えた「コンクラーヴェ(=根比べ)」が現代も伝統に則って行われているのがまず凄く、あまり知られていない選挙の手順、様子をつぶさに見られる構成になっている。
教皇が急逝し、次の教皇を決めるために世界中から集まった100名を超す枢機卿たちが、バチカンのシスティナ礼拝堂を閉鎖し、その中で全体の票の2/3を占める候補者が出てくるまで選挙を繰り返す。
神に仕える者たちの話とはいえ、選挙なので派閥ができたり、票の買収があったり、スキャンダルで自滅する者がいたり、守旧派と改革派が対立したり、と生臭い事件が次々に起き……最後にあっと驚く大どんでん返しもあり、映画館内にどよめきが起こった。
ネタバレするわけにはいかないが、スリルありサスペンスありミステリーあり。閉鎖的空間でいい歳をしたじいさんたちが繰り広げるドラマとは思えないほどワクワクしながら120分の上映時間が過ぎていった。
また、シスター役でじいさんたちに厳しめの言葉を投げかけるイザベラ・ロッセリーニも年齢を重ねていて(実年齢72歳)、山椒のように小粒でもピリリと辛い役回り。デヴィッド・リンチ監督『ブルーベルベット(原題 Blue Velvet)』(1986)の頃とは別人のような名脇役になっていて、わずかな出演シーンなのに強烈な印象を残してアカデミー助演女優賞にノミネートされたのもうなずける。
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