「ファーストカットからラストカットまで目が離せない。」教皇選挙 mac-inさんの映画レビュー(感想・評価)
ファーストカットからラストカットまで目が離せない。
クリックして本文を読む
見事な映画でした。
計算された映像、脚本。ファーストカットからラストカットまで目が離せない。
(ファーストカットとラストカットが素晴らしい。)
レイフ・ファインズが神がかった演技する。それにイザベラ・ロッセリーニの存在。なんとも美しく年を重ねて、この映画の良心のような役割。凛としている。
スタンリー・トゥッチも高貴な俗物を楽しそうに演じている。性格俳優(?)ジョン・リスゴーがなかなかの風格で楽しい(どこか嘘くさくて)。
それにカルロス・ディエス(この映画のヘソ)、セルジオ・カステリット、ルシアン・ムサマティ、の演技合戦も楽しい。
映像は青みを帯びた映像で、色調は赤と黒と白で統一されている。無駄のないカットと構図。それらの美しい映像を見ているだけで楽しい。
それに音が、かなり意図的に強調されていて映像効果を上げる。
フェリーニ、ヴィスコンティが撮影したあのチネチッタスタジオ(!)で撮影をしている。そのセットの素晴らしさ。美術の勝利でもあると思う。
話はコンクラーベ。本当に投票のみの話。外にほとんど出ない。それなのに奥行きと広がりのある映画になった。素晴らしい脚本(アカデミー脚色賞)。
映像、役者、演出と音、音楽が渾然一体となってラストへひた走る。
で、ラストカットで、ようやく息が抜ける。
実に面白い。
アカデミー作品賞を取ってもおかしくない作品だけど、取れなかったのもうなずける。
それは見てのお楽しみ…。
監督のエドワード・ベルガー、覚えておこう。
コメントする
映画チケットがいつでも1,500円!
詳細は遷移先をご確認ください。