「多様性を受け入れるべきという強いメッセージを感じる映画」教皇選挙 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)
多様性を受け入れるべきという強いメッセージを感じる映画
教皇選挙の裏側がこんなに揉めるとは思わなかった。陰謀、権力欲の発露、多様性の否定。人々を救済するはず存在である聖なる宗教のトップのあり方は、救済からは程遠い汚さだ。同時に、綺麗事だけでは済まないリアルな人間の世界が、この汚さに表現されている。
終盤では、自身も複雑な秘密を抱える枢機卿が持論を語る。世の中敵も味方も無い。戦うべき敵は自分の心にあると。そんな彼が教皇に選出されたことが、世の中の問題を受け止めた上で、それでも宗教は忍耐強く多様な人々を受け入れるべきという、強いメッセージを感じる映画だった。それはドロドロとした教皇選挙を浄化するようなメッセージだった。
舞台が教皇選挙だから絵面は地味なのに、どの世界でも変わらない人間の良い面悪い面をリアリティ高く描いていたり、枢機卿同士の駆け引きなどもあって面白い映画だった。
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