「面白い!そして意外と大袈裟でもない模様」教皇選挙 alvoさんの映画レビュー(感想・評価)
面白い!そして意外と大袈裟でもない模様
面白かった!始まってすぐから不穏な雰囲気でドキドキが止まらず、最後まで飽きることなかった。
実際のコンクラーベは2013年が最後らしい、その時ニュースで見た程度の知識しかなかったけど、教皇の死から始まり指輪の破棄とか部屋の封鎖とかこんな細かい手順が決まってるんだ!とその謎の全容を垣間見れて、鍵のかかったシスティーナ礼拝堂の中を想像できただけでも興奮する。
アカデミー作品賞、少なくともアノーラよりはこっちでしょうとは思うものの、多くの反発をくらいそうな宗教批判とも取れる内容が選ばれるわけないか。。
ちなみに今の現実のフランシスコ教皇は初の米大陸出身でアルゼンチン発、質素で貧民寄り。その前もドイツ、ポーランドと三代続いてイタリア人がいないとのことで、映画のテデスコの純血保守派な発言やそれの反対姿勢で同性愛や中絶や女性登用といったカトリックでのタブー?の容認コメントを出そうとする革新派なベリーニ、アフリカ出身者などで競い合うのは意外と実情に近い派閥設定なんだなと思った。そういえば2019年あたりから法王とは言わなくなったらしい。知らなかった。
104人?の枢機卿が各国から集まり、隔離が始まる直前に怪しい情報や謎の候補者が届く、その後色々な候補者の秘密がでてきて、dean進行役?のローレンスが一人ずつ悪事を暴いて排除していく。
一応聖職者のトップであり、筆頭候補になりそうな人がそんな揃って致命傷抱えてるのはご都合主義かなとは思うものの、神に仕え強い信仰を持とうとも誰も完璧ではない、「私たちは理想を追うものであって理想ではない」「確信を持ってしまうことこそ罪。常に疑うことが必要」、そんな言葉を交えながら、不完全な人間をわかりやすく体現してくれる人たちとなる。
カトリックの人たちには到底受け入れられないのかもしれないが割とリアルな姿に見えた。最後まで面白かった!
*追記
そしてまさかの上映期間中のフランシスコ教皇の訃報。。
順番逆だったらちゃんと上映できたのだろうか。。。
ご冥福を祈ります。
----以下覚書----
枢機卿 Cardinal
大司教 Archbishop 司教 Bishop
Bellini アメリカ人、権力に興味はないと言うが、自分を売り込むなら自分はなんでも認める、同性愛も女性の起用も他の宗教もというリベラル派。日和見で権力に負ける。
Tedesco 来ないことを望まれていた過激保守派、イタリア人以外が教皇をやるなんて考えられない、ラテン語に戻すべき、攻撃してくるやつとは戦争だ!派。暴言で負ける
Adeyemi ナイジェリア人、多様性の象徴?昔の女性関係の罪を暴かれて負ける。トレンブレのせいだが前教皇の策略か?
Tremblay カナダ人だったらしい、無難な候補に思えるが収賄などで事前に解任されてたらしいという噂、教皇が手を回して落ちるように仕組んだのか?
ベニテス アフガニスタン人、国はイスラム教がメインのため正体を隠しており、誰も知らない枢機卿だった。貧困層に寄り添い平和を求める。しかし彼にもタブーがある。実在のフランシスコ教皇に一番近い貧民に寄り添う設定。
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