「ミステリーなど比じゃない衝撃」教皇選挙 TRINITYさんの映画レビュー(感想・評価)
ミステリーなど比じゃない衝撃
基本予備知識なしで映画を観るので衝撃的な結末に顎が外れそうだった
下手なミステリーよりも驚かされたね
男女平等を叫ぶ時代を越えて、多様性が叫ばれる時代になっても女性の枢機卿など夢のまた夢だろう伝統を重んじる教会で密かに誕生していたトランスジェンダー枢機卿
そして彼(彼女)がまさかの教皇になるとは
女性の枢機卿など100%ないと言う思い込みが余計に衝撃を大きくした
こんな映画が生まれる時代がやってきたのか
抗う伝統を牛歩のごとくゆっくりと覆しながら少しずつ時代は進んでゆく
きっと「アノーラ」と「教皇選挙」はアカデミー賞の水面下で一騎打ちだった事だろう
テロに襲われる街で行われるコンクラーベはまさに世界の縮図
世界のそこかしこで、この映画と同じ戦いが繰り広げられている
世界にもっとたくさんのベニテス枢機卿のような思考をもつ人間が産まれなければ世界滅びの道へ進むだろう
平和ボケした社会からはきっと産まれにくい思考をもった人材をいかに産み出すのか
社会の重要な課題にすべきだ
最後の投票の場面
テロによって穴のあいた天井から風が吹き込む
閉ざされた部屋で枢機卿と言う権力者だけの密室で行われていたコンクラーベに外部からの新しい風
世界に必要ものは何なのか
あの場面が素晴らしいクライマックス
と、思いきやその後に明かされる衝撃の秘密
伝統をぶち壊す衝撃の事実の大きさに戸惑う彼の目が見るのは開いた窓の先を楽しそうに歩く若いシスター達
これから目の前にある大きな壁がぶち壊される衝撃的な時間がやってくる
多様性において、もっとも旧弊と思われるバチカンが、結果的にですが最先端の進化を示してしまった、というオチが皮肉で痛快でもありました。関係者はさぞやあたふたしたことでしょう。
コンクラーベ済んでわらわら礼拝堂を出てきたシスターたち、彼女たちの未来も開けてきそうですね
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