「わかりやすいといえば、わかりやすいトランプ」アプレンティス ドナルド・トランプの創り方 himabu117さんの映画レビュー(感想・評価)
わかりやすいといえば、わかりやすいトランプ
人には、持って生まれた性分というものがある、それが、その後どう変化してゆくのか、そのきっかけとは。トランプは、不動産屋の小倅に生まれた、アメリカ経済の復興とともに彼は、のし上がった。誰と出会い、なにをなしてアメリカ大統領まで上り詰めたのか。
インテリなんだけど、そう見せないトランプ
ペンシルベニア大卒業ですよね。
世界ランク13位の大学。
東京大学が23位だから、そのオツムは、推して知るべし。
実像とか銘打ったけど、映画が真実とも限らないし。
ただ、実像に近いんだろうな思わせてしまうところが、この映画のすごい所。
映画は、不動産王となる所で、終わっている。
だから、彼が、大統領になるためにどんな手を使ったかは、わからない。
ただ、映画から想像できるのは、綺麗、汚いあらゆる手を使っただろうなと。
それは、今回の再選も含めて。
しかし、御年75歳である。
普通ならとおに引退、隠居生活。
だけど、アメリカ大統領に。
たぶん、戦ってないと寝首を搔かれる恐怖からぬけだせないんだろうな。
映画を見てると、ふとそう感じる。
ブルーカラーを演じるトランプ
けっして、小難しいことは言わない。
わかりやすい短いワードとちょっと過激な表現。
そう、かれは共和党支持者向けの言葉に徹する。
それも、ブルーカラーあるいはプアホワイトが聞くと喜ぶセリフを必ず。
そのほうが、支持者受けするから。
共和党の岩盤支持者を離さないため。
頭の出来から言ったら、東部エスタブリッシュメントと遜色ないのに。
でも、それを好むのは、民主党支持者。
彼は、民主党のエリートほどの家柄でもない。
ただの不動産屋の倅。
自分をわきまえてるだけだ。
アメリカが、自由平等だなんて考えないほうがいい。
ただ、アメリカンドリームとも言うチャンスはあるけど。
格差が、視覚的にわかる社会。
道路一本隔てれば、貧困層の住む地域。
どこ出身かで、その人の烙印も決まってしまう。
男らしさが美徳のアメリカ
まさに、この言葉にうってつけなトランプ。
とにかく、攻撃、攻撃で弱みをみせない。
好調なアメリカ経済を背に、まさにイケイケなんだろうな。
共和党をささえる保守層。
彼らには、あまり弱者やLGBTにやさしくない。
聖書根本主義を基盤とする、この層の典型的な考え方。
とにかく、強くあり、強く見せること。
ようは、そんなに深く物事考えるよりとにかく攻める。
ブルーカラーに受ける所以である。
アメリカのゆくえ
人となりは、とりあえず映画を見てくださいとなります。
それでいて、今後のアメリカがどうなるのか。
守勢に回ったときのトランプは、どんな面を見せるのか。
選挙でみせたように、嘘も百回唱えれば真実が如き。
XやSNSを駆使して、舵取りをするのだろか。
まあ、映画をみていると、善悪の判断で動く人ではないな。
そんなこと言っていいたら、蹴落とされるのだろう。
なんか、そんな熾烈な上層部の社会も悲しいなと。
でも、一度その土俵に上がってしまった人たちは、そこで戦うしかないのだろな。
土俵から滑り落ちて、すべてをなくさないために。
そう考えると、トランプという生き方も理解できる。
もちろん、私なんぞには、お呼びのかからない世界の話である。