劇場公開日 2024年11月15日

「悪魔との取引」対外秘 アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5悪魔との取引

2024年12月16日
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鑑賞方法:映画館

ユン大統領の非常戒厳の発令は僅か6時間で終わったが、国民の怒りは収まらず2回目の弾劾決議が通り、現在は大統領の職務は停止中だ。この先どうなるかはわからないが、そもそもユン大統領を非常戒厳に駆り立てた理由は前回の総選挙の不正を明らかにしたかったとのことである。
映画は1992年の総選挙時の釜山でのフィクションであるが、あれ程に大胆で酷い選挙の改ざんを目の当たりにするとこのような腐敗まみれの韓国政治が仮に今も続いてるなら、今起きてることも、ユン大統領の妄想だと簡単に片付けてはいけないのかもしれない。
それにしても韓国ノワールあっぱれ!の大傑作であったと思います。
特にチュ・ジヌンとイ・ソンミは映画でも韓ドラでも主演も重要な助演もこなせ、善人でも悪人でもこなせる名優ですが、2人の対決はヒリヒリとした緊張に溢れこの映画に途轍もない重厚感を与えてくれました。又キム・ムヨルは2人より若手ですが役作りに一生懸命取り組んだろうと思わせる熱演で次は大作の主役も張れるのではと感じました。
「世の中は汚く、人生は悲しいものだ」とイ・ソンミは語っていたが、それでも韓国では偉くなることを目指し、政治家に行き着く、そして頂点は大統領。ほとんどの大統領が犯罪に手を染め訴追されてしまうのに、。悪魔との取引で得た「権力」とはそんなに凄いものなのか、。

アベちゃん