「やっぱり韓国映画は面白い」対外秘 町谷東光さんの映画レビュー(感想・評価)
やっぱり韓国映画は面白い
先日、「破墓 パミョ」について「久々の韓国映画のはずれ」とレビューで書いた。
こちらの映画は、そこそこの当たりであった。面白かった。
今から30年前、1990年代の韓国第二の都市・釜山を舞台にした、政治家をめぐる
暗部を描いているのだが、悪辣な政治家、その周辺の人物をある種類型的、そして話の運び方もちょっとご都合主義的に感じないでもないが、全体にスリリングな政治サスペンスになっていて、最後まで飽きさせないのだ。
こんなに悪い政治家がいるのか―、昔の韓国ならいっぱいいたのか…などと思ってしまうけれど、政治家の本質なんて、古今東西「こんなもの」でしかないんじゃないか。
政治と政治家への期待や信頼を打ち砕くような実相を、世界の一等国になるまえの韓国の地方を舞台にして描いたのも、なかなかの野心作という気もする。
今の日本では、ちょっと作れない映画なんじゃないだろうか。
韓国映画を頻繁に上映する新宿シネマートで鑑賞。日曜の昼間、席数が50ちょっとだったがほぼ満席。年齢は比較的高かったが、日本ですっかり韓国映画が根付いていることを改めて感じられた。
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