ブルーピリオドのレビュー・感想・評価
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「描きたい」の思い
【ブルーピリオド】
空虚な高校生活の中で絵を描く喜びに偶然出会い、東京芸大を突如目指し始める青年のお話です。
「絵が描きたい」「上手くなりたい」という彼の思いは熱くヒリヒリ伝わります。努力は才能を超えられるのかの迷いも心に迫ります。しかし、それが「東京芸大を目指す」に直結する事にどうしても違和感が拭えませんでした。つまり、芸大に合格できる絵が「よい絵」なのでしょうか? 少なくとも必要条件ではあるのでしょうか?
いや、そんな事は無い筈です。僕たちが観たいのは、『ルックバック』の京本の様に、たとえ引き籠りでも人の心を捉えられる絵を描く人が苦闘する物語です。『Blue Giant』の大の様に、たとえ音楽学校などに通わずともステージで藻掻きながら才能を研ぎ澄ませていくアーチストのお話です。
これが、「東大一直線」の様に、「とにかく東京芸大に受かりたい」を真ん中に据えた作品ならばもっとスッキリしていたでしょう。でも、「芸大の試験があの様に進められるのか」が分かったのは収穫でした。
最高の青春映画。キャストも美男美女
原作は知っていたものの、あえて実写版から鑑賞。
結論から言うと、王道かつ、見やすい構成でとても良かった。
芸術×高校生というテーマでの映画作品ではとてもバランスのとれた作品だと思う。
東京藝大という最難関の受験であるため、容赦なく同胞が落脱していく。
高校生特有のモラトリアムも表現されており、自由への要望と将来への不安、親や仲間との関係も感情移入できる場面が多かった。
性自認や美術(男女の裸シーンあり)といった場面も、2時間の上映時間のためか、だいぶスマートに描かれていた。
主人公、ライバルの高橋役の俳優、りゅうじ役の俳優が息を飲むほどの美青年。
薬師丸ひろ子の演技力の高さにも驚く。
円盤になったら買います。
期待以上に面白い。
シナリオが残念
漫画原作のシナリオが難しいのは分かる。
2時間で何をテーマにし、何を引き算するか。
引き算から生まれるメリハリと心に刺さるテーマ。
漫画原作の映画ではこの計算がとてつもなく難しい。今回も期待して失望。
最後まで観ると八虎の「高校生としての進路に向かい合う成長」にしか見えなかった。
藝大受験を扱うなら「若き凡人が天才と対峙する」くらいの風呂敷を広げて欲しかった。
藝大入学の後の苦悩に続けて欲しかった。
続きが作れないのは理解しているけど、漫画を読んだことのない人に感動させれるシナリオでも演出でもないのだから。
せめて漫画を読んでる人に納得のいく内容であってほしい。
しかし、他によくありがちな。
原作のエピソードに振り回されてテーマが何かも分からないシナリオよりは全然良い。
そうなるしかなかった青年の物語
予告を観た時はキャラクターのコスプレっぽさに、観る気が起こらなかった。
けど、評判を耳にして観てみた。
ゾクゾクした。何度も。
この主人公は自分の事を天才ではないと言う。しかし、やはり天才だと思う。
才能があり、努力を努力と思わない人。その事で頭がいっぱいの人。その為の追及心や行動力が人並み外れている人。そんな人が天才だと思う。
自分もそうなりたいと思っていた。けど、「なりたい」と思ってる時点でそうはなれないんだろう。
これは、そうなるしかなかった青年の青春映画だった。
良い映画だ。
現在大ヒットしているアニメ映画「ルックバック」と併せて観たい。
そちらは「才能はあるけれど何がが足りない、天才ではない少女二人の物語」だった。
#ブルーピリオド
とても面白かった
クリエイティブさんは直面する。
「好きなことをする努力家は、“最強”」
美術館とかで絵を見る時、この絵にはこういう意味が込められてるのかなとか、描いてる人はこういう事考えながら描いてるのかなとか、解釈って見る人それぞれにあると思ってて。
“世の中の色々”も本質はそうだよなって改めてこの映画観て思ったなー。
多くの人がこう思ってるからこうとか、マジョリティ側の意見や考えがパワー持っちゃう事が多いけど、
「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎの体も青くていいんだよ」
この先輩のセリフが、この思考が、賢くはないけど、でも本質的で大事だなって考えさせられた🤔🌟
映画自体は、なんか映画っぽくなかった。
オシャレなCMっぽかった印象←
あと出てくるキャラクターがみんないい人。
でもみーんな、どこか薄っぺらい。
高校の先生も、塾の先生も、同級生もみんな、薄っぺらい良い奴。
なんか人間味ない奴らばっかの印象だった。
それが、映画の尺で、このストーリーで、色んなキャラクターをフィーチャーする余裕時と間が無かったのか、原作がそうなのかは分からんが💦
予告に騙されたかな
俺の絵でみんなぶっ殺す…というセリフに見合うだけの熱量も努力も感じられなかった。
八虎は絵を描くまでは、他人の顔色を見て…という設定だけど、いやいや高校生が堂々とサッカーパブの様なところに出入りしていいの?(その割につるんでる仲間、外見普通なんだよな)
そして、その生活を充分に堪能してるように見えて、透明な自分と感じてる様子が読み取れなかった。
国公立しか行けないって言ってる割に遊び歩いてるし、絵の予備校に行ってるし…そのお金どこから出てるんだ?とか、いろいろ余計なことが気になってしまった感じ。
絵を描いてる時に火花が散るのも要らない!演技で見せてほしい。
でも
タルトのシーン
母親をスケッチしたシーン
海からの旅館で裸を描くシーン
とても好きです。
だから、余計に残念さを感じたかな。
途中中だるみはしたけど面白かった。
藝術大学に現役で受かるとは夢がありますね!しかも2年間で…絵の才能は無かったかもしれないけど、努力の才能と、自分の感性を絵に落とし込むのがすごくうまいと思った。
渋谷の朝の絵、これはこれでいいけれどまさか藝術大学行くなんてだれが予想したでしょう。
美術の予備校も最初はたくさんいた受講生が最後すごく少なくなって…
受かったのは2人だけなんてね…
二時試験はヌードデッサンでしたが、エンドロールに出てきた名前をググったらプロの舞踏家の方でした…
ヌードデッサンのモデルって大変だから並大抵の人じゃ務まらないって事なんだよね。
本番の試験もそうなのかな?
とても綺麗な身体でした。
内容とは関係ないんですが、イオンシネマって最近は終わりかけの作品グランシアターで放映するのかこの映画見るのに2500円もかかりました…
グランシアターは全部で20席くらいしか無いのです。
面白かったから良かったけどしんちゃんの恐竜映画だったら泣くぞ!
選択肢が欲しいです…世知辛い世の中です。
かんはれ
実写で大成功!配役完璧!主演の子の声の良さ!名作!
絵を描く作品が氾濫してましたが
この作品は頭一つ抜けてた。やはり実写は良い。
作品はおそらく美大生とかが描いてると思うんだけど
それらが説得力があり、思いがけず良い体験ができた。
なにより主演の男性の声がめちゃくちゃに良い。
名前や肩書は今頭に無いけど彼はすごくいい役者になると思う。
年を重ねてさらにその声に重みが出てくるんじゃないかな。
先輩役の女性はちょっとしか出てこないけど
かなりの存在感。透明感があるけど役柄同様芯を感じる。
後輩にしっかり憧れを感じさせるだけのものがあった。納得。
短い時間だけど、可能な限り濃密な受験を描いていたと思う。
その間の友人との関係性の変化も面白かった。
たくさんの個性を詰め込んだと思うけど、わかりにくさもなく爽快感さえあった。
作中でのそれぞれの成長がうれしいと感じた。
お父さんも苦労しただろうに、笑顔で家を支え、
お母さんの絵を描くシーンは泣いてしまった。
この作品も役者さんたちも大好きになって気持ちよく家路に着いた。
よい休日になった。
ハマった配役と豪華にそろった新鋭俳優陣(少しネタバレ)
「ブルーピリオド」購読者です。実写に期待していなかった部分もありますが、観終えた感想は「大変すばらしかった」です。様々要素がありますが、漫画読者としてまず配役の俳優陣が見事にイメージとマッチしていました!もちろん主演陣もそうですが、脇を固めた美術先生役、美術予備校講師等(観てない人はこうご期待)。また高橋君、見事に表現されていました。今TVで拝見する感じと異なるのは、たぶん撮影時痩せましたよね??裸のシーンは、リアルに女性の裸体でした!!!
何も未来が見えていない学生に特に観てもらいたい!情熱、好きは最強!
自分も夢中になれるものをまた見つけたくなる作品!
八虎くんの眼
八虎くんの眼にとても惹かれました。制作中は、手元はあまりとらず、彼の懸命な表情と眼がうつされていました。あ…描きたいものが見つかったんだ…と伝わってきました。
原作は読んでいません。絵に出会う前の八虎くんは、生きている手応えがなく… この頃のふらふらっと生きている感じがあらわれてました。この主人公は、何か心がごちゃごちゃしていて、理由もわからず、母親に当たり散らすタイプではないようでしたね。素直で。頭がいいからか、夢中になるものを見つけると、周りに言われたりすることも、気にならないのだなと思いました。そんな友達もいなかったかな。
お話はとても澄み渡っていて、キラキラしていました。
一番印象に残ったのは、郷敦くんの魅力ですね。眼の中に熱がありました。暴れてくれそうな。ゴールデンカムイの尾形もよかったです。このお話は、ひたむきな素直な青年であったのですが、次は、自分を見失いかけた、周りの眼を気にしすぎて、自分自身が嫌いになるような、魂が深い沼底に沈んでいるような、そんな役を見てみたいです。
言葉がとても染みる映画です。
「あなたが青く見えるなら、りんごもうさぎも青くていいんだよ…。」 普段規則まみれの社会人の私には、森まるちゃんの言葉にポロッときました。
「俺はやっぱりただの人だ、天才にはなれない。やった分しか上手くならない、だったら天才と見分けがつかなくなるまでやるしかない…。」 自分自身を理解しながら、絵を描く事への八虎の覚悟を感じてグッときました。
八虎も天才の部類だと思いますけどね。
不良仲間と付き合いながらも学校の成績も良い、卒のない生き方をしている高校2年生の八虎。周りに合わせた生き方ですが、自分自身が無い八虎が絵画に目覚めて自分自身を見いだし東京藝大合格を目指すストーリーです。
家庭の事情から国立の東京藝大一択しかなく、浪人もできないであろう八虎が絵画にのめり込み大学を目指す過程が痛々しいです。絵画なんて答えの無い感性の世界ですからね…。
私は趣味で写真をしていますが、写真も感性が必要です。八虎の場合は趣味レベルではなく、短期間で技術と感性を磨いて、最難関大学に合格しなければならないのです。自分が描いている絵を中途で破いてしまう、上手く描けずキャンバスを倒してしまう、壮絶ですよね。
そして現れるライバルの絵の天才達……。八虎の不安は募るばかりです。
徐々にですが、技術と感性が磨かれて描く事を楽しめるようになった八虎。その時初めて大学合格レベルに達したのでしょう。受験のシーンでは出題される絵の課題に対して、八虎が本来持っている卒のなさ、戦略性が発揮されます。受験会場での磨かれた八虎独特の感性を発揮するシーンにもうなりました(割れた鏡のシーンとかね)。
果たして八虎は藝大に合格するのか……。
「好きな事に人生の一番大きなウエイトを置く、これって普通の事ではないでしょうか…。好きな事をする努力家は最強なんです。」
佐伯先生に背中を押されているようです。
私も会社を辞めて写真家を目指そうかな、なんて少しでもそんな気持ちにさせる熱い映画です。
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