劇場公開日 2024年8月9日

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「夜明けの「青」の渋谷」ブルーピリオド アベちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5夜明けの「青」の渋谷

2025年2月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

YOASOBIの「群青」はこの「ブルーピリオド」にインスパイアされ作られたとのこと。近年のあらゆる音楽の中でも一番好きな楽曲である。原作漫画は未読であるが、その世界観に触れたくて映画館に足を運んだ。
「ちょっと高いところからバランスをとって過ごしていた」だけの八虎は、目標もなく生きてる実感が持てなかったが、森先輩の「緑」の天使の絵に触発され夜明けの「青」の渋谷を描いたことで「好きなこと」を見つけることができる。
そして映画は「好きなこと」にひたすら没頭していく八虎の姿を中心に描く。そして無謀にも最難関の東京芸大に挑むなか「自分は天才になれない、だったら天才と見分けつかなくなるまでやる」と努力を積み重ねる。青春につきものの恋愛はほぼなし(これがむしろ良い)。絵を描くこともスポーツなのだと思えるほどの熱血ドラマである。だから途轍もなく「爽やか」だ。
眞栄田郷敦は半年間本格的に絵を学び、髙橋文哉は減量と脱毛でユカになりきった。脇を固める江口のりこ、薬師丸ひろ子、石田ひかりもいい味を出している。萩原監督のもといいチームが作れたんだと思います。若い人はもちろん、老若男女全ての今を生きる人に観てもらいたい映画です。

アベちゃん