「どこまでもひたむきな主人公の姿」ブルーピリオド 野々ノノノさんの映画レビュー(感想・評価)
どこまでもひたむきな主人公の姿
クリックして本文を読む
どこまでもひたむきに努力を積み重ね、どんな状況でも描き続ける姿に憧憬。不良という側面をもちながら内面の虚無感、家族の背景、彼の持つ感性や並々ならぬ情熱を描くことで主人公が安易にラベリングされるようなキャラクターではないことが伝わってくる。こんなリア充絶対共感できないだろうなと思っていたけど、創作に懸ける気持ちに共鳴じみたものを感じたし、逆にこういうやつには絶対叶いっこないんだなと諦念の気持ちも食らわされた。それ故に、「何でも持ってるやつがこっち側に来るなよ、美術じゃなくてもいいんだろ」と言った気持ちも痛いほどわかった。彼が受かってくれていてよかった……。
きっと色々カットされてるんだろう。誰かも書いていたけど、実写映画は原作のダイジェストになる運命なので、正直あまり期待していなかった。新規が置いてけぼりになるんじゃないかと。
でもそんなことはなくて、純粋に楽しめた。面白かったし、感動もした。人間関係も複雑にし過ぎず、主人公の一人称視点に絞っているからわかりやすい。彼が枚数を描いて描きまくるうちに彼の上達も目に見え、あらゆる技法が1つの絵を完成させていく過程は印象的だった。マンガも読んでみたい。
コメントする