劇場公開日 2024年8月9日

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「絵を描くことは楽しい、そして苦しい。だからやはり楽しい。」ブルーピリオド mayuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0絵を描くことは楽しい、そして苦しい。だからやはり楽しい。

2024年9月5日
iPhoneアプリから投稿

どこまで描けば完成なのか、何が正解なのかずっと考えながら、そしてその答えが分からないまま私は美大を目指していました。
私も高校2年の後半から美大を目指し、予備校に通ったので残り1年はとにかく絵を描きまくりました。
夏休みは予備校の梯子をし、朝から晩まで油絵とデッサンをひたすら描いていた。スタートダッシュが遅かったからそれでも足りない。
なので八虎の油絵を描き始めていた頃の楽しさもわかるし、予備校で周りの人達の上手さに驚き自分の絵のレベルの違いにショックと絶望を感じたのも共感できる。
見覚えのあるアトリエが映ったり、裸婦を何人もの人達が囲み、無言でひたすら描くあの異様な光景など懐かしさと苦しさに胸がギュッとなった。
それだけでも私にとっては観る価値のある映画でした。
眞栄田郷敦、高橋文哉この2人の演技がとにかく良かった。眞栄田さんは最初あまり演技が上手と思わなかったけど、沢山の作品に出てどんどん上手くなっていく。高橋さんの演技も特に上手と思ったことはなかったけど、今回の映画で考えを改めました。

でも映画という限りある時間の中で八虎が絵を描くことに目覚め、美大の中でも特別枠の芸大に受かるまでをえがくのは少し物足りない気がしたので星はマイナス1。

懐かしさと、苦しさと、でもなにより一生懸命だったあの頃を思い出させてくれました。有難うございます。

mayu