劇場公開日 2024年8月9日

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「 原作をいつか読みたいと思いながら読めずで、映画になったので観に行...」ブルーピリオド hiroishiさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 原作をいつか読みたいと思いながら読めずで、映画になったので観に行...

2024年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

興奮

 原作をいつか読みたいと思いながら読めずで、映画になったので観に行きました。漫画の表紙(外見)からもっとツンケンした感じの主人公かと思っていたのですが、なかなかどうして熱くて、優しくて、感受性高い人柄に好感。作品も軽い感じかと思いきや結構重たいところはしっかり重たい。一方で原作では描かれていたであろう、夜間生の仲間たちそれぞれの葛藤にもっと尺が取れたなら、合格発表時の感情移入も増したのにとも思います。まあ、2時間枠では難しいですね。原作のポイントとなるエッセンスと最低限の人物表現、人間関係は満たしての作品になっているのではと思います。これ観て、やはり原作を読みたくなりました。
 作品内に出てくる道具やモチーフに向かう学生の目線の動き、筆使い、講評会風景に懐かしさを感じながらも驚くのは、昔も今も芸大・美大受験の勉強も試験もあまり変わっていないということ。つまりは劇中でも語られた「本質」の有無を見極める方法として、時代が変わろうと揺らぐことのない完成形ということなのでしょうか。そのような観点で、かつて受験経験のある方が見ればなおさら共感することも多いでしょうし、経験の無い方でも、東大と慶応&早稲田の差以上に私立美大と距離を置く(リスペクトする演出はありましたが)孤高性、二次試験からの天才同士の競い合い、運次第の受験課題、加えて親の不理解、多浪前提など、一般大学入試とは異なるこの世界を知って楽しめるのではと思います。

hiroishi