「刺さる言葉、名言集、人生のバイブル」ブルーピリオド 10Kasさんの映画レビュー(感想・評価)
刺さる言葉、名言集、人生のバイブル
映画を見るまでは若干不安な点がありました。
それは、原作コミックやアニメだと感情移入した読者が絵の部分は補完するが、実写化だと油画がそのまま油画として出てくるので、そこで冷めてしまうのではないか?と。
そんな不安も軽く払拭するほど、よい映画でした。
きっかけから受験まで、家族や友人、美大を目指す仲間との出会いや数々のエピソードを、上手に取捨選択し一本の映画に綺麗におさめた脚本や映像もさることながら
演技がとにかく素晴らしかった。
正直、眞栄田郷敦を舐めてました、すみません。
セリフが少ないだけに、余計に表情や息遣い、間をつくる演技が重要になるわけですが、
目線、息遣い、間・・どれも凄すぎて、八虎の心情がすごく伝わるし
魅入ってしまう。
コミックやアニメよりも場の空気感・・熱量を感じました。
そして、ブルーピリオドといえば数々の名言
何かに打ち込む側、導く側、見守る側すべての方に留めておいてほしい名言の数々・・・
「好きなことをする努力家はね 最強なんですよ!」
「あなたが青く見えるならりんごもうさぎの体も青くていいんだよ」
「悔しいと思えるなら まだ戦えるね」
「この数ヶ月 君たちは自分の弱さと強さに向き合った そして描き続けた それは結果ではなく必ず君たちの財産になるわ」
などなど、映画に登場する名言はほんの一部だけど
感情、熱意が乗っかって、ほんと言霊の力を感じます。
そりゃ確かにね、八虎だって色々器用にこなすタイプだったから元々の才能があったんでしょ・・な見方もあるでしょうよ。
でも、好きなことがあるということは強いし、努力し貫くことはもっと強い
努力の部分を見ずに「才能」で一括りにするのは違うし、教える側は特に努力の部分を見てあげなければならない。
何かをやり始めるのに早いも遅いもない
いくつになっても、何かに打ち込んでいる時は
青春です。
あとやっぱり、ブルーピリオドは教職につく方や親御さんたちにこそ観て欲しいし
佐伯先生や大葉先生みたいな先生がもっと増えるといいな、と思います。
満点じゃないのは、名言をもっともっと聞きたかったし、ユカちゃんのエピソードとかいっぱいあるから。
こんにちは!コメントありがとうございます。20代のこどもを持つ親としては、名言とされるセリフがなんだかとても痛ましく感じられてしまうのです。
好きかどうかに関わらず、また自分のためだろうが誰かのためであろうが、何かに打ち込む努力家は最高に素敵だと思うし、受験という通過点の儀式に向かう一時期の努力に焦点を当て過ぎたがために、長い人生における視座を欠いたまま諦めや挫折感だけを受け取ってしまう若者がいやしないか。杞憂であればいいのですが…