「あなたが青く見えたなら」ブルーピリオド momoさんの映画レビュー(感想・評価)
あなたが青く見えたなら
あなたが青く見えたなら、りんごもうさぎも青くていいんだよ。
こんなことを優しい声で言われたら射抜かれちゃうよね。
桜田ひよりの醸し出す雰囲気が良かった。
眞栄田郷敦の抑え目な演技も素晴らしく惹き付けられた。
高橋文哉はこんな役もできるのか!同時にドラマで伝説の頭翔を観ているので、可愛い学ランスカートミックス制服に目を奪われる。
カメレオン俳優だ。素晴らしい!海のシーン、裸を描くシーンがこの映画のいちばんのキモでインパクト大。
板垣李光人の好敵手を出すことで、天才型と努力型を対比するのも見やすく面白かった。
両親のバランスは石田ひかりが強すぎておかしいけど、まあ、ほのぼのした両親ですぐ慣れた。
学校の先生、薬師丸ひろ子の進路の考え方優しいひとつの選択肢としての導き方、美術館予備校の先生、江口のりこの具体的な熱血指導、どちらも若者に取って大切な大人のアドバイスだ。
子どもが好きなこと、時間を忘れて打ち込めることを見つけたら、それが例え職業にならなくても食べていけない世界でも、やがて応援したくなるのが親心。現実の世界では応援して貰えないことも多いけれど応援した方が伸びるのは間違いない。
親目線で観たり、若き日の受験や舞台演劇に一生懸命だった自分や美大や芸大に通っていた友達を振り返って思い出して観たりしていた。
周りに合わせて、周りの期待に応えて生きていく人生より、自由に好きなことを伸ばして生きる人生の方が悔いがない。
ブルーピリオドは、今、好きなことを仕事にして、好きと食べていくの狭間で、本当に好きなことをやれているのか、心の原点を思い出させてくれるような映画だった。
原作未読だが、この映画の話の続きが気になる...