「受験のヒリヒリ感と芸術の魅力が楽しめる傑作!」ブルーピリオド 三輪さんの映画レビュー(感想・評価)
受験のヒリヒリ感と芸術の魅力が楽しめる傑作!
東京芸術大学に合格するまでの苦闘と(本人は苦闘とは思っていない)、人間的成長、努力と天才とは、そして芸術とは一体何なのか、という大きなテーマのストーリーは、ずしりと観るものに感動を与えてくれました。そして、言霊が凄いです。『絵は言葉ではない言語』(絵は表現方法の1つ?)。『好きなことをする努力家は最強なんです』(かつての偉人たちは皆さんそうかもしれません?)この二つの言霊は、高校の美術教師の薬師丸ひろ子が呟きますが、心にグサリと刺さりました。そしてもう一つ。『絵を描くことは人の幸せを祈ることである』という先輩女子の言霊。なんて素敵なのでしょう!これが最強の芸術家の魂なのかもしれません。私見ですが(信じなくても良いです)、人間一人一人には必ず守護するものがついています。そして何か仕事を成し遂げる人には、その人を最高のレベルに持っていくために、やはり高度な守護するものがついていると考えます。その守護するもののレベルが高いときには、その人のなす仕事は天才的に見えるのでしょう。どんなに努力を重ねてもなかなか伸びないのは、守護するもののレベルが弱いのかもしれません。ですので、天才か努力家の差異は、ひとえにその守護する力のレベルの差としか思えません。そして、今世で努力家の域を出なかったものは、来世に生まれ変わって天才に近づくのでしょうか。
追記 めちゃくちゃ泣いたのは、母が息子が好きなことをやろうとすることを許すシーン。これが本当の親子の愛なのだと気付かされました。好きなこと、楽しいことを選ぶことを許す時代に突入しているのでしょう。