「情熱というものに圧巻」ブルーピリオド たさんの映画レビュー(感想・評価)
情熱というものに圧巻
僕は絵を描いてる身で、学生でもあり原作ファンでもあります。
だからこそ共感の部分もあったし、所々カットされている原作シーンも補足はできました。
でも登場人物(世田介・橋田・桑名)の背景があまり感じられなかったり、美術部入部の瞬間や予備校生との関わりが欲しかったところです、、
どちらかと言うと原作読書へのプレゼントと感じられました、、
ここは仕方ない箇所かもしれませんが、
ブルーピリオド特有の話の中に美術の知識を蓄えてくれる場面はほぼなかった感じで、たまにある笑えるシーンも少なかった印象です。
でもそれがまた物語に集中させてくれる1つの良さだとも思えました。
でも!絵を描く場面では迫力が感じられ、原作の中で登場絵がそのまま現実に現れたのはもちろん、原作とはまた違うような絵も登場。
冒頭の部分で音楽からの導入、絵を描く場面と音楽の交差性が映画館の音響でかなり引き立っていたと思います。
そして何より驚いたシーンは自分も好きな「縁=溶鉱炉」のアイデアを思いつくシーン、
VFXの力で生み出された八虎が鉄の塊となっていく場面でも映画館の音響でしか味わえない
高揚感にそそられました!
構成としては所々カットしているのはもちろんですが、それを上手いこと話に織り交ぜていること、原作では既に世田介くんが予備校からいなくなっている頃に溶鉱炉の絵がでてきます。映画では世田介がまだ予備校にいる頃に溶鉱炉の絵がでてくることになっていたり、八虎が八虎ママに東京藝術大学を受験すると決心し対話するタイミングが原作と比べ遅かった気がします。そういう改変点があっても話として違和感は感じられなくて、見事に織り交ぜることができていて満足度も高いです!
映画の話の山場(個人的)な場面「早朝の渋谷」「海」「割れた鏡」「ヌードデッサン」
「合格発表」
では文句なし!の出来でした。
そして、登場人物の見た目も原作そのままで驚きました。自分の好きなキャラクターが橋田のせいもあるのか橋田だけずば抜けて見てしまいました、橋田役の「秋谷 郁甫」さんの作る表情がまさに橋田でおさげも完璧すぎて、、🤦♂️
この実写版ブルーピリオドに触れるまでは
「眞栄田郷敦さん」「秋谷郁甫さん」
「中島セナさん」の事はあまり知らなくてこの機会にとても注目、好きになった役者さんにもなりました!
ただ!もう一度言いますが橋田、桑名さん、世田介くん達の背景描写が欲しかったです!
終わり方としてはちょうど良かった場であったので続編の可能性は今のとこまだ感じられませんが、続編がやるとなったら必ず観に行くしかない!と思っています!