劇場公開日 2024年8月3日

「一番面白い観察対象はやはり人間」うんこと死体の復権 La Stradaさんの映画レビュー(感想・評価)

一番面白い観察対象はやはり人間

2024年9月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 今やトレンドワードにもなっている持続可能性社会とはつまり循環型社会の事であり、その為には自分がひり出したウンコも忌み嫌われる死体も生活の場で土に返すべきと考え、自分の野糞や野生動物の死体、それに集まる昆虫などを子細に調べて記録し続ける3人の人々を記録したドキュメンタリーです。

 いやぁ、これは強烈でした。まず、堂々と野糞をする様子が撮られます。賛同者の女性の野糞シーンまであるのです。そして、ホカホカのウンコ、数日経ったウンコ、1カ月経ったウンコが何度も何度もスクリーン一杯に映し出され、それに集まる虫・蛆も大写しです。そして、それを包丁で切って内部を検分する様子まで撮られます。或いは、時間を経た野糞場の土を食べてみるなんて場面も。

 或る菌類の研究者の方は、その野糞場で非常に珍しい菌類(カビ)を見つけて大声を上げて欣喜雀躍しています。そこは僕の想像も及ばぬ世界です。生命の繋がりとか、生態サイクルなどという高尚な理念より、本作に映し出される人々の生態が無茶苦茶面白く、

 「やはり、一番面白いのは人間だなぁ」

と改めて思い知らされたのでした。他人のウンコを大写しで観る覚悟のある方は是非一度ご覧下さい。

La Strada