「ライフ・イズ・ビューティフルの国からのナイスストーリー!」ドマーニ! 愛のことづて ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
ライフ・イズ・ビューティフルの国からのナイスストーリー!
クリックして本文を読む
パオラ・コルテッレージという主演女優の監督作品。どことなくロベルト・ベニーニの『ライフ・イズ・ビューティフル』を思い出しながら観ていた。イタリア、白黒、戦後の話と主演&監督ということで。
不意に観たくなったのは日本ではそんなに入っていないけど中国で大ヒットしてると聞いて。
で、まったく中身を知らずに愛のことづては何のことかと思ったらそれか!という感動のオチ。そしてドマーニとは「明日」のことなのね。それを知ると企画とエンディングの鮮やかさが際立つな。
冒頭から妻を引っ叩く旧時代(日本でも同じ昭和のそれ)の悪しき風習のオンパレードででそれをコミカルに処理しながら、新世代に生きるべき娘の結婚、娘のために、という思いと娘からお母さん、このままでいいの!というつけあげをくらいながら、その世代の間に生きる「お母さん」の元に届く謎の手紙。途中までただのメロドラマへという風にもみえるところ、最後に落ち合う船着場にでも着いたかと思ったらまさかの初の婦人参政権の選挙に向かうお母さんだった。教育もまともに受けてこなかったお母さんのへそくりの行方とこの投票に集まるイタリア女性たちの描写。そして落としてしまった謎の手紙をみて「あのアマ!」と追いかける夫と、それを持って追いかける娘。娘とのカットバックが素晴らしい。とてもいい映画だった。
途中義理の父の死におけるギャグ&サスペンスが面白かった。特に意味もなく入ってくる近所の婆さんとか。
コメントする