「タイトルなし(ネタバレ)」ドマーニ! 愛のことづて りゃんひささんの映画レビュー(感想・評価)
タイトルなし(ネタバレ)
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第二次大戦後のイタリア・ローマ。
主婦のデリア(パオラ・コルテッレージ)は、傘の修理、カバンなどの繕い物、洗濯女などと複数の仕事を掛け持ちして家計を支えている。
が、男尊女卑の世の中。
夫イヴァーノ(ヴァレリア・マスタアンドレア)は、何か気に食わないことがあるとデリアを殴って気を紛らわせている。
そんな様子を常日ごろから見ている長女マルチェッラ(ロマーナ・マジョーラ・ヴェルガーノ)は母のようにはなりたくないと思っている。
そんなある日、デリアは幼馴染の自動車修理工から駆け落ちしないかと誘われ、マルチェッラは交際している成金息子からプロポーズを受ける・・・
という物語を、モノクロで描いています。
とにかく男尊女卑が凄まじい世の中で、まともに撮ると気が滅入りそうになる内容。
なので、息抜き的ユーモアを交えてみせる。
特に、夫の暴力シーンはミュージカル仕立て。
まぁ、ユーモラスといえばユーモラスだが、やりすぎと言えなくもない。
半ば過ぎにデリアのもとに届く「謎めいた封書」がミソだが、「愛のことづて」かというと、そうでないあたりが興味深い。
ということで、副題「愛のことづて」はちょっとミスリード的。
ただし、映画もちょっとミスリード的なストーリーテリング、演出なんだけれど。
なお、モノクロ映像で戦後の雰囲気を醸し出そうとしているが、室内描写はまだしも、屋外描写が戦後にみえず現代的なのは、少々マイナス。
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