「アメーリア役の女優の演技はよかったが、映画としては退屈」美しい夏 イバラニカさんの映画レビュー(感想・評価)
アメーリア役の女優の演技はよかったが、映画としては退屈
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戦争を数年後に控えるイタリアで、田舎からでてきて兄とともに生活するしっかりものの妹、ジーニアは、都会的で美しく大人の画家たちと渡り合うヌードモデルのアメーリアにあこがれるうちに、すべてを不意にしてしまうという話。
しかしこのジーニアの行動がどうもチグハグというか分裂病としか思えない動きでまったく感情移入できない…。原作小説は未読ですが、映画comの書評を読み限りでは映画と原作はだいぶ違うようですね。
原作ではジーニアと男性画家との恋愛が軸だそうですが、映画ではアメーリアの生き方にあこがれるあまり好きでもない男性画家に体まで差し出してしまう…というような描写ですし、この男性画家との濡れ場がムダに長い。そのぶんこの画家が滑稽に見えはするのですが、それ以上にジーニアの選択が若い少女によくある審美眼の失敗、過ちとして処理されるのはどうにも面白くない。
アメーリアへの思いは恋愛感情と都会で自由奔放に過ごす生活への憧れがないまぜになっているのでしょうが、そのせいでどっちつかずのままメリハリや起伏に欠けた中盤となっていてこれもいまいち。
終盤のアメーリアが抱える秘密の吐露とその演技のシーン、これは素晴らしかったです。しかしジーニアがすべてを失うその過程があまりにお粗末すぎてつらすぎますね
女性同士の連帯、ジーニアとアメーリアの疑似恋愛をメインにするのであれば、もっとスッキリとした話にしてほしかったなあ…終盤、ジーニアの兄が語るセリフがあまりに観客のツッコミにシンクロしすぎて「ほんとそれな」と納得してしまいました
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