憐れみの3章のレビュー・感想・評価
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面白くなくはないけど、面白くもない
ランティモス作品なので予想はしてましたが、予想通りの作品で観たという爪痕は残るけど、よかった!とは思わない作品でした。これでこの作風もちょっと飽きてきたようにも感じました。
発想はいいと思うんだけど、露悪的でランティモスの意見がよくわからないというか、A24的な感じで。ちょっとメジャーになりすぎたのかな。
依存って言ってもあまりに突飛すぎてしばらく、設定を把握できませんでした。いろいろ後でここはどうだったとか話したりできるのは良いと思いました。
歪んだ愛情
3章ともに共通するのは、歪んだ愛情ですよね。カリスマに、前の奥さんに、教祖にと、相手は違うけど全員が何かに取り憑かれてますね。主要メンバーや背景やトーンはなので、混乱するかと思ったけど、大丈夫でした。逆に受け取りやすかったかも。
本作品につき解釈してみました
本作はヨルゴス・ランティモス監督作品なので、半ば映画ファンの義務として観てきました(苦笑)。見た直後は良くわかりませんでしたが、整理するとこんな所かと思います。
本作では、「人の運命は神の計画で決められている」という、キリスト教の考え方をベースに、各人の生死及び死に方等が全て予定されている前提で話が進んでいます。(因みに各章の表題、R.M.F.氏が「死ぬ」「飛ぶ」「サンドウィッチを食べる」も計画に書かれた「運命」の様です。)
これに対して、度々現実が運命からズレる事故が起こるため、登場人物たちはそのズレを必死になって本来の計画に戻していきますが、彼らは自分達が何をやっているのか分からないため、何かちぐはぐで観客にはブラックコメディーに見えます。
具体的には各章の初期の段階で、以下の運命が計画通りに進んでいません。第1章では①RMFが車に轢かれて死ぬことが、第2章では②リズが体の一部を欠損して死ぬことが、第3章では、③双子の1人が水の張っていないプールに飛び込み死ぬことが、計画で決められていたのだと思います。さらに、第3章の最後で④R.M.F. は生きていることが決められています。
上記本来の運命を達成するために、第1章では①預言者的な権力者の指示でレイモンドやリタが猛スピードでRMFの車に突っ込んだり、ベッドからRMFを引きずり出して車で轢く、第2章では、②夫ダニエルが理由の分からない違和感(死んでいるはずの妻が生きて帰ってきたことを犬のような嗅覚で)から、妻に猟奇的な自傷行為を強要し死に至らしめる。第3章では、双子の1人の教祖への就任という伏線と関係し、③死んでいなければならない双子の片割れは本来の死に方で自殺する。④R.M.F.は蘇生能力の試験の過程で息を吹き返す。等々、当時用人物たちの狂乱の暴走により、運命の歪みが無理矢理修正されて行きます(因みに、蘇生能力を持った双子の1人も、そっくり双子の事前の死(の預言?)に従い、教団関係者の思惑とは関係なく死んでいきます)。
登場人物の中では、ウィレム・デフォーが神の言葉をヒトに伝えこの世を動かす預言者のような役割を第1章、第3章で担いますが、彼も全体が見えているわけではなく、莫大な金と権力とを動かしながら、最終的に起こした事件はケチャップ事件?
仏教徒としては(?)腹落ちしない所も多い本作でしたが、ヨルゴス・ランティモス監督との異文化コミュニケーションだと思えば、貴重な体験だったと思います。
3つのお話とそれぞれのキャスティング
冒頭からノリノリの懐かしの曲!いいですね〜♬
と、思いきや、なんだか怪しい雰囲気を醸し出すピアノ音と男性合唱、、、ズルズルと引き込まれてゆく
第一章のRMFさん、事故で殺されかけのオトリを承諾(死んでもいいって事?)
サテンのショートガウンからの美脚、素晴らしい〜🦵🦵
2章では、エマストーンを助けた捜査員
(ヘリコプターで発見したから飛んでたの?)
3章は、ラストシーンでハンバーガーを食べてた(サンドイッチじゃないよね?)
ヨルゴス監督は「女王陛下のお気に入り」とは全く違うテイストだったので、この映画を観た後、家に帰ってアマプラで「聖なる鹿殺し」を観ました
聖なるーのラストシーンも「ケチャップ」でした。笑
後味が悪いようなクセになるような、、、
でも三部作のそれぞれの俳優さん達が、全く違った人に見えて楽しめました◎
何度もみたい!
予習なし初見では意味わからず2回観ました。
カインド•オブ•カインドネス
=親切の種類(邦題 憐れみの3章)
なるほど、支配者、被支配者、傍観者それぞれの優しさの種類のビュッフェ。優しいとは何??って問いかけられているように思えた。
1章と2章&3章は毛色が若干違うように思えた。(見方によっては1章3章が対ともみれるけど、私は2章、3章のための1章の方の感覚が強かったです)
1章については憐れみ、優しさを与えるのは支配者であり、被支配者脳になってしまった人間はそこから抜け出すのがどれだけ難しい事かと言う事を強調しているように思えた。
支配者レイモンドの『ついにこの日が来たか』というセリフから独立してほしいという優しさも感じられた。そして全てにおいてとても優しい。
世界は実はレイモンドのような支配者にコントロールしているのかな。
バーでロバートが飲み物を注文した時に『やけに早いな』と言うシーンがあるがバーテンさんまでもがレイモンドの被支配者で注文されるものがすでにわかっていたということになる。レイモンドが被支配者を抜けようとしているパートではバーで『何を飲んだらいいか?』の質問に対して明らかに食い気味で『ワイン』と返答するシーンもあった。
1章は考える事を辞めて被支配者脳に一旦なってしまうとそれは抜け出す事はかなりの困難である。と言いたいのかなと。
全ての章に通じている事は、憐れみと優しさはセットだよね。ということ。
そして、2章、3章では優しさを与えた登場人物は死んでいく。
極端だけど、愛おしさ強いが故に狂ってしまった人に対して、のめりこんで優しさを無償で捧げるのは自爆の可能性もある事を、死という映像(ストーリー)で表現している。
それは正しい姿なのか、、、しかし、それは世の中にあるごく当たり前の事であると。
与えるだけでなく、自分が自分で無くなる前に何かすべきことがあるのではないか?
、、、みたいな?
昨日今日2回みたけど、まだまだ色々感じられそうな作品ですね。何度も観て感じられる作品だと思いますよ。すごいです。
また3章それぞれで被支配者、支配者、傍観者の異なる役を同じ俳優が担当しているから、1人の俳優にクローズアップして観ると感じ方も変わってくるのかな。因果応報的な見方もできるのかなと。
まだまだ回数重ねてみたいなぁ。
で、、
R •M• Fって結局なんなんだ(笑)
サンドイッチはランティモス監督のギリシャのソウルフードらしい。R •M• Fが握りつぶしたケチャップの筒から飛び散る真っ赤なケチャップ。ボクは血に見えました。
監督の遊び心らしいけど、、、うーむ。
R.M.F.
演じるキャストは同じだけれど、作品間のストーリーや登場人物に繋がりのない全3話の不条理ホラーオムニバス。
何が本当か何が嘘かわからない様な常識と思想とが入り混じった世界で行われる、操ったり操られたり、支配したり服従したり、洗脳したり洗脳されたり。
実はシュールなブラックコメディですかね!?
そして唯一同じ役名で登場するチョイ役の存在に意味を見出そうとする観客も弄ばれるってところですかね…。
一つ一つの話しは、所謂世にも奇妙な的ストーリーで、良くわからない部分が多いけれど、まあそれなりには面白かったかな。
なんだろうと
139本目。
上映時間長いけど、構成のお陰か、そんなに気にならない。
3作品共に、それぞれの色はあるし、どう言うこっちゃと考えながら観てるけど、まあ当たってはないだろう。
けど、そんな事もどうでもいっかと思うくらい、なんか面白い。
でも邦題タイトルと、実際のタイトルで考えて観るのでは、違ったイメージを持ってしまいそう。
マッケンローが折ったラケット
いやーこれは…どう、なんと言えばよいのやら…
監督の変態性は充分出ているのだが、前二作に比べるとそれが作品を昇華していないように感じる。その分独自の世界観が確立してないので、ただ不快なものを観せられているように感じたのだろう。とはいえやはり私ごときの理解の範疇に収まるようなものではありませんね(^^;;
工夫
支配と抑圧をめぐる三題噺。
同じ役者でまったく関係ない話をやるあたりなんとなく演劇的な気がするけど、コメディなのでどっちかというとコントみたいな印象。
役者はみな素晴らしい。
ジェシー・プレモンスの振り幅もウィレム・デフォーの色気も。ホン・チャウもマーガレット・クアリーもエマ・ストーンもめっちゃ善き…
ただ、これで3時間?というのはあるよね。三題噺をやるにしてももうちょっとなにか工夫があってのことではないかとは思った…
鹿殺しとかのほうがまだ良かったかなあ。特異な才能は認めるけど、映画...
鹿殺しとかのほうがまだ良かったかなあ。特異な才能は認めるけど、映画として見てて楽しくない。エマはとても良かった。いろいろ考えて解読もありなんだろうけど、大してする気にもなれない。宗教だというところが嫌。
めちゃ金のかかったアイロニカルコメディ
だと思って観るとめちゃくちゃ楽しく見れます!
作品の意味とか内容を追おうとするのではなく、ただただ映像と演技の暴力に身を委ねて楽しむことがヨルゴス・ランティモス監督作品の楽しみ方なんだなって。めちゃくちゃ良くできた世にも奇妙な物語2024年秋編って感じですかね?
とにかくドぎつめのエログロがスーパースターの抑揚効かせた演技で上質な笑いに変わっていく(ホンマか?)のを目の当たりにして驚くやら感心するやら大爆笑するやらで終始ご機嫌に楽しめました。欲を言うなら各話40分でまとめてもらえると総尺120分で収まるので2回目観にいくハードルが下がるかなー?とか。
配給する側も「哀れみ」と「憐れみ」を使い分けたりするからこの人達のセンスと監督の意図を余すことなく届けたい気持ちも侮れないです…あと何気にこれって実は3話とも人生の選択の話ってのもKINDS of KINDNESSですわ。初っ端にかかるユーリーズミックスのスイートドリームズも勢いだけじゃなく歌詞もわりと内容とシンクロしてるかもしれないよ?調べてみてね!
あとエンドロール前に席を立たず、R.M.F(Real Mother Fucker マジでクソ野郎)の物語もちゃんと見届けてあげてください!
そうそう気になったのが劇伴が人の声とピアノの短音連打でこれってA24作品だっけ?って思ってしまうほど聴き慣れてる感じがありましたね。やっぱオーケストレーションだとハリウッドの大作っぽくなってしまうので、そうじゃなく魅せたい監督勢の中でこの感じはトレンドなんですかね?そうなると80年代のヒット曲を爆音で使うのもそうかな?
最近のトレンドと言えば俳優さんを真顔でガンガンに踊らすの演出も大好物!本当に大好き!これも最近ならWednesday役のジェナ・オルテガが世界中でバズらせた最高峰のダンスを見せてるので未見の方は是非。
あ!ビートルジュースビートルジュース観に行かないと!
それでは!ハバナイスムービー🎞️
スマホゲームしながら見るやつ
俗に言う起承転結の転結しかないタイプのイケてる感ある映画。起承は観る側に任せることで勝手な重厚感を出してもらうやつ。出ないけど。
時計仕掛けのオレンジの様なこの作品好きって言えばなんかイケてる感出るやつ。あそこまで振り切っても無いけど。
各俳優陣の能力の高さは見物ではあるが、全く無名の監督と俳優陣でこの作品をヒットまでもっていけたかは疑問である。ミニシアター系作品。
転結しかないので1話目はかなり置いていかれる。なにしてるか解らないままモヤモヤと話は進んでいき結局わかりやすく閉まる。まあそうなるか。
2話目はつながりを一瞬意識してしまうけど、結局独立した話なので意識し過ぎるとアレレとなります。なんか悪者がいない胸糞なのでリアリティが無くて。グロもなんかしょーもない。あ、あれがオシャレなグロなんやろか?わからんなあ。
3話目、唯一解りやすいカルト宗教の人達の話。まあ解りやすいだけで設定はコントです。大俳優陣で送るカルト宗教コント。ただし起承が無いので途中差し込まれる追加エピソードがモヤる。
テーマ感のある各ストーリーではあるが、なんつーか。起承のフリもないまま転結するからストーリーに重厚感がでないので。。
つまんない。
ぶっ飛び感も胸糞感もエログロも全て中途半端なのになぜかストーリーも中途半端。
中途半端っすよね?あれ?やっぱこの映画ええやんって言わないとセンス無いと思われるやつすか?
少々寝ても話はわかるタイプのオムニバス作品なのでスマホゲームしながら見るのにちょうどいいと思いました。
ストーリー自体はとにかくオシャレな映像
を意識した胸糞悪い系映画。
胸糞レベルは軽め、いや中途半端ですか。
期待してただけに残念。
というか予告映像とは乖離しすぎてる内容すぎん?笑
犬だよね。
三本立て映画を観た感じでお得感があるね。
もう、二本立てもなくなった。
1日に三本観ることもなくなった。
これ3章とも面白かった。
どれも短くはできるが長くはできない。
二章が犬らしくって良かったワン
(o^^o)
憐れみの3章
「女王陛下のお気に入り」「哀れなるものたち」に続いてヨルゴス・ランティモス監督とエマ・ストーンがタッグを組み、愛と支配をめぐる3つの物語で構成したアンソロジー。
選択肢を奪われながらも自分の人生を取り戻そうと奮闘する男、
海難事故から生還したものの別人のようになってしまった妻に恐怖心を抱く警察官、
卓越した教祖になることが定められた特別な人物を必死で探す女が繰り広げる
3つの奇想天外な物語を、不穏さを漂わせながらもユーモラスに描き出す。
「哀れなるものたち」にも出演したウィレム・デフォーやマーガレット・クアリーのほか、
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のジェシー・プレモンス、
「ザ・ホエール」のホン・チャウ、
「女王陛下のお気に入り」のジョー・アルウィンが共演。
3つの物語の中で同じキャストがそれぞれ異なる役柄を演じる。
「ロブスター」「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」でもランティモス監督と組んだエフティミス・フィリップが共同脚本を担当。
2024年・第77回カンヌ国際映画祭でプレモンスが男優賞を受賞した。
憐れみの3章
Kinds of Kindness
2024/アメリカ・イギリス合作
配給:ディズニー
本作のわけの解らなさは想定内 でも、予想を遥かに超えてきた、これは相当にヤバい
ヨルゴス・ランティモス監督作品 久々の現代劇でルック的にはとてもとっつき易く、楽しんで見始めましたが、途中から何を見せられているのか全く解らなくなり、完全においていかれました(前作『哀れなるものたち(2023)』に続きまたもや超敗北感・・・)
正直 普通じゃなさすぎて、ついには くだらないと感じるようになりました、たぶんヨルゴス監督作品が自分には合わないんだと思います
映画レビューサイト見ると監督の最高傑作など絶賛の声を多々見かけますので、素晴らしいのかもしれませんが、私には全く理解不能で受け取れず、まだまだ修行が足りない様です
シュールで‼️❓アバンギャルドな‼️❓からかい上手なブラツクコメディちゃん‼️❓
三話ともかなり使い古されたストーリーだ。
一話は狂う富豪と言いなりになる輩。
二話は精神異常の警察官。
三話は狂信者。
でも、無茶なことするな、犬を酷いことするし、酷過ぎる。
しかし、シナリオは凄い。
これから、何するんや、体調崩してたのが、回復したかと勘違いするレベル、わかるかな。
こちとら、サウナと焼肉が大好物だが、うーん🧐、少し自重してしまうかも。
一と三は冷静に観れたが二は衝撃に備えた、なんで肝臓なん、可愛そうやん、夫婦スワツプ久しぶり、なんかの風刺なん。
三話とも同じ人出てるの、みんなアメリカの普通の人です、そんなメタファーなのかな。
映像は、かなり衝撃でした、元気が湧くほどに。
コメディならこれくらいする日本が観たいかな。
刺激が欲しい人は、是非。
◇止まらない支配と服従
人間社会の中には、少なからず支配と服従の関係が存在します。支配服従関係を最も典型的に示しているのは、奴隷と奴隷主との関係。社会階級として固定された制度として存在してきました。
現在の民主主義国家において、社会制度としての奴隷制は無くなりましたが、人それぞれの深層心理の奥底には「支配したい欲求」も「服従しなければならない強迫観念」も不気味に蠢いているのかもしれません。
この作品の題名に使われている"Kind"という言葉の語源には、「生まれながらの」という語義が含まれていたようです。「生まれ」から「生まれのよさ」へと派生して【優しい、思いやりがある】という意味へ。「同じ生まれの」へと派生して【種類】という意味へ。「支配と服従」が人間の「生まれ」に根源的に関係しているものであることを暗喩しているのかもしれません。
奴隷が解放され、女性が解放されて、平等であると考えられている現代社会。潜在意識の奥に隠されている支配服従関係は、人間存在にとって根源的関心事であるセックスと死に纏わる事柄によって、唐突に表面化してくるのです。
極端に誇張され戯画化されたこの作品のへんちくりんな世界観の中に、すっぽりと入り込んでしまった時に感じる薄気味悪さ。それは、自分という存在の奥底に押し込められて、隠されている不気味な性質に触れるように感じるからかもしれません。人間の中に潜む動物的な生々しさとの出会いの物語。
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