劇場公開日 2024年9月27日

「相変わらずの "キモさ" と "不穏さ" が ✖3で表現される異色...」憐れみの3章 ナイン・わんわんさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0相変わらずの "キモさ" と "不穏さ" が ✖3で表現される異色...

2025年6月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

相変わらずの "キモさ" と "不穏さ" が ✖3で表現される異色サスペンス。
作り方が上手くて、観てて「何の行動だ?」と思った後に「さっきの行動」の意味や動機がきれいに繋がって行く。理解したつもりで「なるほど!」と繋がるのだが、しかし大元の行動原理が解らない。
そんな3本のオムニバスで、3本の話に直接繋がりは無い。だけど同じ俳優達がそれぞれに別の人物として登場する。しかし繋がりが無い様に感じるがR.M.Fと言う人物だけは同じで、3本のタイトルは「R.M.F.の死」「R.M.Fは飛ぶ」「R.M.F.サンドウィッチを食べる」なのでキーマンなのである。
結局監督の言いたい事は私には解らない。
原題『Kinds of Kindness』は「優しさ(思いやり)の種類」といった意味だろうか。ヨルゴス・ランティモスの考える "優しさ" は理解出来ない。

ランティモス監督作は俳優達の演技が静かで淡々としてる作品と、俳優達が表現豊かに演じる作品とに別れると勝手に思っているが『憐れみの3章』は俳優達が演技するタイプの『ロブスター』的な雰囲気が感じられる。

冒頭に流れる1980年代のEurythmicsの♪Sweet Dreams(Are Made of This)の歌詞に意味が有りそう。

ナイン・わんわん