劇場公開日 2024年9月27日

「完成度の高い完璧な悪趣味」憐れみの3章 hanakoさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0完成度の高い完璧な悪趣味

2024年10月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

不条理な世界を描かせたらピカイチのランティモス。今回も期待を裏切らない、完成度の高い完璧な悪趣味な世界が繰り広げられています。
この見終わった後に感じる、独特な後味の悪さとクセになるこの感じ…。
特に今回は『籠の中の乙女』や『ロブスター』のランティモス風味満載でとても良かった。
3本のオムニバス形式で、出演者が変わらないものの、それぞれのストーリーで立場が変わり、繋がっているようで繋がっていない、不条理な世界で物語が進んでいく。
特に説明もなく、謎のようなタイトルと、その世界がさも当たり前のように展開され、気が付いたらストーリーは終わり、そしてまた次の世界が展開される…
ランティモスの世界を堪能するには充分な作品。
完成度が高い故(インテリアが素敵とか、車がかっこいいとか、、、)、完成度の高い悪趣味さが際立って見えます。そこが好き嫌いの分かれ目なんだろうな。
『哀れなるものたち』みたいな壮大さはいらないので、いつまでも心の奥底に澱のように溜まってしまい消すことのできない、良い意味で後味の悪い作品を、ランティモスには撮り続けてもらいたいです。

hanako