劇場公開日 2024年9月27日

「邦題は酷く反語的なタイトルになっていると思う。3時間近くずっと不条...」憐れみの3章 sugsyuさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5邦題は酷く反語的なタイトルになっていると思う。3時間近くずっと不条...

2024年10月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

邦題は酷く反語的なタイトルになっていると思う。3時間近くずっと不条理なことが起き続けるのだが、愛と支配(セックスとヴァイオレンスと言い換えても可)に下支えされたヒリつくような緊張感が保たれていて、飽きさせない。印象としてはまるで異星人の求愛儀式を見せられているような…共通の役者で別々の物語を演じて見せる全3章を通じたキーワードは、額の傷(聖痕)、魚(と水)、双子、死者の復活?これも3章を通じて、ウィレム・デフォーの邪悪なる大父(マグナ・パーテル)ぶりがいっそセクシーでさえある。「裸のマハ」めいたフルヌードまで披露して、その矮躯から発せられる神々しいまでの凶気たるや!不穏なピアノBGMとともに、本作品の最大の見どころだろう。

sugsyu