「変態博覧会」憐れみの3章 ブレミンさんの映画レビュー(感想・評価)
変態博覧会
これは中々にとち狂った作品でした。この手の作品でワクワクさせられるとは思っておらず、食べてたポップコーンへ伸びる手が何回止まったことか。
第1章では富豪に人生そのものを奪われて使い勝手の良い駒のように扱われてる男の話で、殺人も厭わずにやるけれどそれ至るまでの経緯が妙に長ったらしいですし、引き込む流れがもう憐れすぎて良かったです。
足をぶつけて痛めるだけなのになんで骨折レベルまで痛めるのか全く分からなかったですし、もう行動全てが支離滅裂ですが、自分の立場を守るためにがむしゃらに行動するという点では理解できました。
3つの物語の中ではそこまでぶっ飛んでない気がするので物足りなかったんですが、RMFおじさんを轢きまくるところだけは良かったです。
第2章は遭難事故から帰ってきた妻が別人なんじゃ?と疑う旦那の話で絵作り的にも話的にもこの2章が一番気持ち悪くて好きでした。
帰ってきた妻の変化を怪しむだけならまだしも、色々と見えなくなってきて民間人を撃ってしまうなどなどヤバさが集まってきましたが、そんな事より4Pプレイの映像を鑑賞するというとんでもない空間のシーンは家だったら腹抱えて笑い転げる自信があります。
今作のグロの部分はこの章に集結していたなと思いました。
君の指が食べたいな〜どの指でもいいから切ってくれない?とねだるレベルが異常ですし悪気なく旦那が言うもんですからゾワゾワしますし、今日は肝臓が良いな〜と軽い感じでメニュー変更したら本当に肝臓抉り取って死んでるという絵面のインパクトと実行力が悍ましかったです。
オチ含め謎に満ちていた作りで好みでした。好んだってしょうがないんだけれども。
第3章ではカルトじみたストーリーになりますが、そのきな臭さが絶妙なラインを突いていて頭の中こんがらがりましたが、もう3つ目の物語になればそれさえも癖になってくる不思議。
宗教ならではの細かい決まりごとに沿って進んでいくんですが、エマ・ストーンが3章の中で一番活き活きしていますし、絶対にそんなスピード出さんで良いやんってくらいのスピードでドリフトかましちゃったりしてるところは笑いっぱなしでした。
唐突にダンスしだすところでバッチリ吹き出しました。お世辞にも上手とはいえないダンスを1分くらい見せられるので館内が唖然とした雰囲気だったのが面白かったです。
分からずじまいのところも多かったですが、ジェットコースター感覚で楽しめたのでもうヨシです。
RMFというおじさんが全編ノー台詞ながら根幹にある作りでしたし、最後にサンドイッチ食べれて良かったね〜となんかポップな気分になれて終わったのが不思議でした。
とち狂った気味の悪さがとても好みでした。少し長すぎる気もしましたがまだ見ぬ映画体験だったので満足です。
鑑賞日 10/1
鑑賞時間 9:50〜12:50
座席 I-8