「日本初公開のボヨヨーン」最も重要なものは愛 otakuさんの映画レビュー(感想・評価)
日本初公開のボヨヨーン
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ズラウスキー1975年の作品。
『ポゼッション』撮影の数年前である。
bunkamuraで観たが、タイトルから純愛映画と勘違いしたマダムたちが、上映後にザワザワしていた。
「ポルノがあってアソコが丸見えになるとは思わなかったわ…」
ズラウスキーの洗礼を受けたようだ。大丈夫、クリーチャーも出てこなければ、海辺の宗教ダンスもなかったので、まだ軽傷で済んでいますよ。
本作品にはズラウスキー永遠のテーマである「人間の身体は魂の入れ物である」という問いが常に流れる。
特に女性の描かれ方は、心と体がちぐはぐになっていく過程にフォーカスされることが多い。
表面上は単なるメロドラマなのだが、ズラウスキーはとにかく難解にストーリーを紡ぐ。難解なメロドラマ。そして愛は常に歪んでいる。
本作品はポゼッションの前段階として、非常に似ている部分がある。
螺旋階段、カフェでの男女、犬、血まみれになった男と女が床で仰向けになる…そしてトイレで自殺する男。
表層的なイメージだけでもこれだけ似た要素が多い=作家性の現れがいたるところに。
ただ、ズラウスキー特有の「神」との対話は今回あまり登場しなかった。
もしかしたら、この作品の8割のメロドラマ要素は建前で、本当に作りたいのはラスト5分間なのでは?と感じてしまった。
キンスキーの存在感もGOOD。
でもジョルジュ・ドルリューの音楽はどうなんだい?ボヨヨーンって。ズラウスキー作品には合わない気がした。監督はこれで納得したんだろうか??
ボヨヨーン。
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