シサムのレビュー・感想・評価
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異文化を体験
主人公と一緒に異文化を体験し学ぶことができるのも映画のいいところ。
「ミッション」とか「ダンス・ウィズ、ウルブズ」「ラスト・オブ・サムライ」とかが大好きなので、今作も楽しめた。
もっと松前藩の非道ぶりを描かないと、あれだと米の量ごまかしてるくらいだからアイヌが迫害されてるのがあまり伝わってこない。
北海道の自然の雄大さ、厳しさが伝わってこない(直前に観た「ぼくのお日さま」が冬の間の物語だったのに対して、今作では夏だけだったから仕方ないか)。
戦闘シーンも規模が小さい(飛んでくる矢は迫力あったな)。VFXでもいいから海岸に押し寄せる松前藩の戦艦や兵士の大軍があればよかった。
欲を言えばきりがないし、どこまでが実話か知らないけれど、憎しみの連鎖を断ち切り、嵐に向かって進んでいくっていうのはとても良いと思う。
寛一郎はナミビアも同じ時期に撮影してたんだな。会社員にしては髪長いと思った。
坂東龍汰気づかなかった。
劇伴も壮大な感じでよかったけど、最後の最後で中島みゆきの主題歌に全部持っていかれた。
公開館も少ない上に、上映回数が少ないのが残念。
今だからこそ、たくさんの人に観てもらいたい作品だと思う。
次世代に残して欲しい映画です。
日本史の中でも、触れられない、伏せられている、和人のアイヌへの侵攻を描いた貴重な作品。アイヌの生活や風習もわかり易く、説得力がありました。伊能忠敬、間宮林蔵、松浦武四郎など、アイヌの世話になりながら、蝦夷地をめぐっていくことを考えると、感慨深かったです。次世代に残して欲しい映画です。
ノーゴルデンカムイ‼️❓一期一会‼️❓
良心的な貴重な作品
今こそアイヌに学びたい
予告からすでに泣けてきて、鑑賞を決めていた本作。公開初日にさっそく鑑賞してきました。
ストーリーは、江戸時代初期の松前藩でアイヌとの交易を営んでいた兄・栄之助とともに蝦夷地に赴いた孝二郎が、そこで兄を殺した善助を追う中で負傷したところをアイヌの人々に助けられ、彼らと触れ合う中でアイヌに対する認識を改め、自身を見つめ直していくというもの。
大筋は予告でわかっていた感じの展開なので、そこに意外性はありません。ただ、兄を殺した善助にも、単なる金品目的や怨恨ではなく、彼なりの大義や強い思いがあってのことだったのは意外でした。それが後々わかってくるのですが、それがアイヌとの関係性にも深く関与している点がとてもよかったです。物語としても、このあたりからおもしろさが増してきます。
また、松前藩とアイヌとの戦闘シーンは、大軍勢の戦乱を見慣れた目にはかなり地味で、分隊から小隊程度の人数で行うゲリラ戦の様相ですが、それでもかなりの恐怖を感じます。どこからともなく放たれる矢、その矢の強烈な風切り音、急所を射抜かれ即死する兵士、それを一人称視点で感じさせるカメラワークなど、巧みな演出が臨場感と恐怖を生み出しています。そして、この戦闘に大きな意味を見出せないことが本当に切ないです。
搾取される憤りから蜂起するアイヌの人々と、その心情を察することなく役目として鎮圧する藩士。どちらも自分の正義に基づいて行動しているのに、どちらが勝っても事態の解決には至らず、憎しみの連鎖を生み出すばかりです。かといって、その感情を捨てきれないのも、人の性です。兄の敵討ちに固執する孝二郎に対し、「その憎しみを捨てられるのか」と問う村長の言葉が刺さります。そんな村長が武力蜂起には参加しないと決断し、目前に敵が迫っても逃げず、「なぜ我々が逃げねばならないのか。ただここで生きてきただけだ。」と訴える姿に、熱いものが込み上げてきます。
タイトルの「シサム」とはアイヌ語で「よき隣人」という意味らしいです。自然を敬い、自然と共に生きてきたアイヌの人々は、大自然の「よき隣人」であり、和人に対しても同じ思いで接したかったのではないかと思います。それに対して、和人はアイヌを「都合よき隣人」と思っていたのでしょう。力ある者が弱き者を虐げるという構図は、現代社会でも続いています。だからこそ、和人の搾取とアイヌの窮状をもっと生々しく描き、現代を生きる私たちに強く訴えかけてほしかったです。残念ながらそこが薄く、思ったほど泣けませんでした。それでも、エンディングで流れる中島みゆきさんの歌声で、一気に感動的に丸め込まれてしまった感はあり、鑑賞後の印象は悪くないです。
本作は史実に基づくフィクションということですが、シャクシャインの戦いに絡めて架空のコタンを描いたということでしょうか。孝二郎のモデルや残された史料があるのか、ちょっと気になります。また、本作で描かれるアイヌの食や文化にも興味をそそられます。最近、「カムイのうた」「ゴールデンカムイ」などの公開もあり、改めてアイヌが注目されるようにもなってきたので、アイヌ文化を訪ねてのんびり北海道に旅行に行きたくなりました。
主演は寛一郎さんで、アイヌに触れて揺れる孝二郎を好演しています。脇を固めるのは、三浦貴大さん、和田正人さん、坂東龍汰さん、平野貴大さん、サヘル・ローズさんら。中でも、平野貴大さんの落ち着いた演技が、いい味を出しています。
イタタタタ×2はアイヌ語ですか?
蝦夷地で使用人に兄を殺され、自身も瀕死の重傷を負った松前藩士の息子がアイヌに助けられ敵討ちを志す話。
兄を殺した善助を追い詰めるも返り討ちにあい、倒れているところをアイヌのコタンへ連れて行かれて巻き起こっていくストーリー。
朦朧とする意識の中月代は伸びて行くことで臥せっていた時間の長さをあらわしているけれど、伸びるの速すぎじゃ…。
そしてコタンで暮らし、体力を戻しつつも、復讐心を抱き続ける主人公に転機が訪れ、恩返しをしてからとなっていくけれど、旅立つ日は遠く…。
善助の登場の仕方はまさかだったけれど、人として共に過ごした時間からの情からくる、意識や思考の変化を成長としてみせていく。
逃げろが降伏しろに置き換わっていたのはちょっと解せないところもあったし、全てがうまく行くわけではないところもあり、少しモヤッとしたものが残ったけれど面白かった。
タイムスクープハンターじゃねーよ
ゴールデンカムイ人気でアイヌ文化への関心が高まってるのか、蝦夷地を舞台にした江戸時代物。映画.comの本作記事にあった、現代の暴力につながる不寛容やヘイトによる分断を訴えたいという制作側の意図はわからなくはないが、それをアイヌと和人の歴史でやるなど的外れである。
鑑賞前は、船戸与一の蝦夷地別件のような凄絶な物語?と期待したが、和人によるアイヌの蹂躙はやんわりとしか描かず、アイヌ思いのいい和人もいたんですって話になんの意味があるのか。事実を基にしたフィクションといっても劇中どの部分が事実なのかはわからないため、見方によっては加害の歴史をうやむやにする歴史修正主義とすら思えてくる。
映画としてもなにかとツラい。時代物をやるには予算なさすぎで全画面からチープさしか伝わってこない。戦だ!と言いつつ現れるのは10人ほどのしょぼい部隊で、海岸線に何十隻もの藩の船がずらり…みたいな画はなし。北海道の広大さも一切感じられず、ひたすら森の中を動き回ってばかりで、テレビの監督らしく肝心なことは全部セリフで言わせてしまうし…。役者はがんばってアイヌ語をしゃべるけど、それがアイヌ文化に寄り添うってことなの?
さんざん言ったけど、和人でもアイヌでもないカエル顔の古川琴音と、ホラー味すら感じた富田靖子はよかったな(遠い目)。
現在こういう
先が気になる
タイトルなし
思っていたより良い映画だった。
寛一郎が頑張っている。
これまで、三世俳優がそのコネで出演作に恵まれているだけだろう、そんな風に思っていた。まあ、コネで出演したって全く構わないのだが、彼はその出演チャンスを血肉とし、着実に成長している。
侍役にしては、やや線が細いようにも見えたが、役柄に合っていた。体型を役柄に合わせるのも立派なテクニックである。
ここにきて、華麗なる俳優遺伝子が覚醒しつつあるのかもしれない。
歴史的に、結果としてアイヌ民族は虐げられた。その事実は変えようがない。
けれど、なぜそうなってしまったのか、どうすれば良かったのかを現代の私たちは顧みることができる。それは今、起きているあらゆる争いを考えることにつながる。
このままのレビューだと、何だか説教臭い映画ようになってしまう。
そうではない。
主人公の感情に寄り添う丁寧なストーリーである。説教臭いな、と辟易することはないだろう。
それに『タイムスクープハンター』の監督とカメラマンのコンビである。あの番組は臨場感が売りだった。この映画もまた然りである。
北海道の雄大な自然で繰り広げられる迫力ある戦闘シーンは劇場のスクリーンで観ることに意味がある。
一生懸命作ったであろうセットや研究を重ねたであろう衣装、メイクにスタッフたちの苦心が窺える。
全く馴染みのないアイヌ語のセリフを覚えた俳優たちにも拍手喝采である。
決して大作ではないが、それでなくとも時代劇は作れるのだ。そういう意味でも映像業界に可能性を感じることの出来る作品であった。
阿部寛主演の「結婚できない男」は、大いに笑わ🤣せてもらい、大好き❤...
阿部寛主演の「結婚できない男」は、大いに笑わ🤣せてもらい、大好き❤️だった。
NHKの朝の連続テレビ小説は、普段あまり観ない。
たまたま観た「梅ちゃん先生」に、一瞬でハマり、最終回まで欠かさず観た。
私が惚れこんだ、2つの作品に共通していたのが、脚本家尾崎将也だった。
「シサム」を観に行った理由は、尾崎将也が脚本を担当していたからに、尽きる。
楽しみにして、観てきた。
映画は、「復讐をするために、蝦夷地に向かった武士の話」なので、どう考えても、「結婚できない男」のように、笑🤣える場面は無さそうだ。
その予想は見事に的中した。
2時間あまりの上映時間の中で、私が笑顔😃になった場面は、一度も存在しなかった。
尾崎将也の脚本なのに。
しかし、史実をもとにしたフィクションなので、とても勉強になった。
兄の仇討ちをするために、蝦夷地に乗り込んで来た孝二郎の目を通して、松前藩の所業、アイヌ(人間という意味)の苦しい状況、会津藩や幕府の動きなどを、映し出していた。
孝二郎が最後にはじめた活動は、すぐに効果を発揮することでは無かったが、諦めずに地道に続ける孝二郎の姿勢に、とても感動した。
シリアスな尾崎将也の脚本も良いと思った、「シサム」だった。
アイヌ文化に人間の尊厳を学ぶ
公開初日に鑑賞。江戸時代前期の北海道を舞台にアイヌ人と和人の争いを描いた物語。兄を殺された青年が復讐のために蝦夷地に向かうが返り討ちにあい重症を負う。命を救われた青年はアイヌの異文化を体験したことにより、人生観が180度変化する姿を描いた壮大なヒューマンドラマ。
時間の合間に鑑賞した程度でしたが予想以上に面白くて終始スクリーンに引き込まれた。アイヌ文化に人間の尊厳を学ぶことが出来る貴重な作品
2024-151
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