シサムのレビュー・感想・評価
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ダンス・ウィズ・ウルブズかと思いきや
2024年劇場鑑賞232本目。
内容全く知らずに鑑賞。タイトルだけ見たら韓国映画かと思いましたが邦画のカムイものでした。
江戸時代の世間知らずの若侍がカムイの村で過ごすうちにカムイの人たちに馴染んでいく話なのですが・・・。
先住民を取締に行ったケビン・コスナーがすっかり先住民側につくダンス・ウィズ・ウルブズと違ってあくまで良き理解者止まりだったのが映画的に物足りなかったです。史実がもとなのであまり変えられなかったのかもかしれませんが。
アイヌを知るのは良い映画だけど、現代日本への思想的な影響を知るには物足りないかも
2024.9.18 一部字幕 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(114分。PG12)
アイヌに助けられた武士が幕府の命令との間で板挟みになる様子を描いたヒューマンドラマ
監督は中尾浩之
脚本は尾崎将也
タイトルのシサㇺはアイヌ語で「アイヌ以外の日本人」、今では「好意的な意味での隣人」という意味
物語の舞台は、江戸時代の北海道
そこに住むアイヌと交易をして生計を立てていた松前藩は、不作の影響もあって、コメの出荷を少なくし、それをごまかすために米俵を小さくするなどの小細工をしていた
また、現地で勝手に鮭漁をしたり、砂金掘りなどをしていて、その行動はアイヌの人たちの怒りに繋がっていた
松前藩の高坂孝二郎(寛一郎)は、優秀な兄・栄之助(三浦貴大)と比べ続けられていたが、ようやく北海道に向かうことが許され、一人前になれると思っていた
北海道南部の東海岸に着いた彼らは、一晩をそこで過ごして、翌日から交易を始める算段をしていた
だが、夜中に胸騒ぎがして荷物小屋を見に行った栄之助は、そこで使用人の善助(和田正人)の不審な動きを目撃してしまう
善助は栄之助を刺して逃げ、小屋は火の手が回って全焼してしまった
兄の遺言を受けた孝二郎は、善助を追って森へと向かう
そして、ようやく見つけることに成功するものの、不意打ちを喰らって負傷し、そのまま川へと転落してしまったのである
映画は、そんな孝二郎をマカヨコタンに住むアイヌの人々が見つけて介抱するというもので、その恩義を受けて、見識を変える様子が描かれていく
マカヨコタンには日本語が話せる村長アㇰノ(平野貴大)がいて、彼の母アイシナ(佐藤直子)が孝二郎の看病をしてくれていた
だが、マカヨコタンの住人であるリキアンノ(サヘル・ローズ)の夫(菊池賢太)は和人に殺されていて、それを根に持つ者も多かった
物語は江戸時代の前期で、松前藩とアイヌとの間で起こった「シャクシャインの戦い」があった頃の「別の地域」が舞台になっている
アイヌに助けられた恩義を感じた孝二郎は、攻め込んでくる松前藩たちとの間に入ることになり、劇中で知らされる命令とはシャクシャインの号砲ということになる
そんな中で、アイヌの人を守ることができない孝二郎は、善助の意思を継いで、蝦夷で起こっていることを記録していくことを決めた
いささか地味な展開であるものの、そう言ったものが残ったことによって、現在のアイヌとの関係がある、というテイストになっていた
アイヌに関しては、基礎学習でもあまり積極的には取り扱われず、私の時代では「存在は知っているけど」ぐらいの知識しか育たなかった
どちらかと言うと禁忌的な部分があったのだが、それは日本人にとって都合の悪い歴史は教えないと言う方針があったからなのかもしれない
大陸への悪しき行動を誇張する某団体のダブスタっぽさを感じるところはあるが、今の時代にはそれも通用しまい
アイヌの映画は、どれだけその土地に敬意を持って、忠実に再現できるかと言うところに着目されがちなのだが、思想的な部分が現代の日本人の価値観に影響を与えている、と言うことももっと広がれば良いのにと思う
映画は、その伝承を目的としてはいないので、そのあたりは浅めになっているが、当時のアイヌがどのような場所で、どのような文化を持っていたのかはよくわかる内容になっていたのではないだろうか
いずれにせよ、アイヌ初心者向けの内容で、主人公が無知というところも狙っているのだろう
そこから少しずつ「孝二郎のアイヌがリアルになっていく」のだが、出発前の孝二郎のアイヌに対する考え方がほとんどわからないので、その成長はわかりづらいように思えた
単なる無知で「蝦夷」と呼んでいたぐらいのことはわかるものの、どのような印象を持っていたのかとか、どこまでの知識を有していたのかは不明で、そのあたりがもう少し明確ならば、当時の和人の感覚を理解できたのかな、と感じた
アイヌの歴史を知れた
この映画を観るまではアイヌがどういった民族なのかいまいち知りませんでしたが、松前藩と交易していたことや、アイヌの生活が知れてよかったです。もっとアイヌについて知りたくなりました。
良作だが、明治以降の歴史についても少し触れて欲しかった(補足入れてます)
今年334本目(合計1,426本目/今月(2024年9月度)20本目)。
※ (前期)今年237本目(合計1,329本目/今月(2024年6月度)37本目)。
日本では中学以降の歴史で多少扱うことがある、松前藩とアイヌとの戦いを描いたものですが、史実に基づくとするもののフィクションの扱いのようです。ただ大筋において主要な登場人物は共通なので、この映画の主テーマでもあろう「シャクシャインの戦い」や、それに先立つ「コシャマインの戦い」、あるいはそれよりもっと前の定着後の文化についても理解があればよいかなといったところです。
映画の本筋としてはフィクションという事情もあってどこまでが正しいかはわからないものの、一つの解釈としてはあるだろうというところです。また、この手の映画(方言関係。アイヌ民族を扱う映画のほか、場合によっては戦中戦後の沖縄を扱う映画等も)では「当事者不在」の作品がまま見られますが、関係者の後援もあり(エンディングロール参照)、きわめて質の高い作品となっており、ほぼほぼ無条件に推せるところです。
この映画を見れば、日本が単一民族の国であるとか、あるいは単一言語の国であるなどという(一部の主張で見られる)ことはありえず、それは現在、2023~2024年においても同様です。日本ではアイヌ・沖縄に関しての教育は最低限といったところですが、最低限の知識以上は身に着けておかなければならないし、(単一民族だの単一言語だと言い張る方も根強くいる中で)日本にはこうした弾圧の歴史があったということは忘れてはならないところです。
表題にも書いた通り、この作品は現在につながる部分について触れていないのがちょっと惜しいといったところです。もちろん過去について知ることは重要ですが、私たちが生きるのは今(2023~2024)だからです。この点については知る限り後述します。
採点に関しては以下まで考慮しています。
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(減点0.2/明治時代以降についても多少触れて欲しかった)
アイヌ民族に対する偏見や差別は当時のものではなく、今にいたるまで程度の差はあっても存在しており、そうであるからこそ、明治時代以降の歩んだ歴史についても簡素であっても良かったので触れて欲しかったです。
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(減点なし/参考/北海道旧土人保護法と旧民法(帝国民法)の矛盾)
・ 明治時代になると、映画内で扱われるような無茶苦茶な扱いは少なくなったものの、間接的差別は存在しました。「北海道旧土人保護法」という法律名それ自体もそうでしたが、間接的差別を目的としたのか内容が無茶苦茶な状況になっていた事情があります。同法は、建前上はアイヌ民族に対する差別意識、差別的政策を解消しようという名目のもとで、土地を無償供与する趣旨の法律ですが、当時与えられた土地はとても住めるようなところではなく、経済的に詰まる当事者が続出した事情があります(明治32年成立)。
この法は土地の無償給与などを定めた法ですが、一方で当事者がそれを売ったり賃貸したりという「利益をあげる行為」を防ぐため、民法の物権の大半を除外する特別法の位置づけで「留置権、先取特権の目的となることなし」(原文のまま、現在の漢字表記に修正)といった記述があった法です。
しかし留置権、先取特権は「法定担保物権」といって条件を満たせば当事者の意思と関係なく成立するものです(この意味で質権や抵当権と異なる)。つまり、日本が導入した民法と真っ向から矛盾するような規定が数多く存在した特別法の扱いです。今ではインターネットやSNS等で新規施行された法律も知ることができますが、当時はそのような情報を得る方法がまるで存在せず、一定のトラブルはありました(この場合でも立場の弱いアイヌ側が譲歩することが多かった)。
※ このようなマニアックな法律など当時の誰も知るはずが期待できないためで、実際に争うなら錯誤無効(当時。現在では取消し。95条)で争ったり、あるいは上記の事情から譲受人の保護はどうするのか(当時の333条。今も同じ(←先取特権と第三取得者))といった問題が山積していた(主に絶対的構成説と相対的構成説との対立がある)とんでもない欠陥法であり、これが平成9年、つまり、約25年前という「ごく最近」まで存在していたというのもまた隠せない事実です。
(減点なし/過剰なアファーマティブアクションと当事者)
日本には、雇用保険法という法律があり(失業保険でおなじみですね)、この中に、いわゆる弱者を雇用した雇用主に補助金を助成する制度があります(特定就職困難者雇用開発助成金)。主な対象者としてあげられるのは重度身障者や母子・父子家庭等ですが、「今現在においても」(2024年時点)、「北海道に居住している者で45歳以上の者であり、かつハローワークの紹介による場合に限る、アイヌの人々」というカテゴリが存在します(ほかは、「北朝鮮拉致被害者の帰国当事者」や「中国残留邦人等永住帰国者」といったカテゴリがあります)。
一方で、この「特定就職困難者~」の申請件数(厚労省のサイトで確認可能)は、身障者関係で(ほか、知的・精神)、ついで母子父子家庭がつぐもので、現在2024年において「アイヌの人々」というカテゴリの申請はほぼ見当たらない状況です。
そうであれば、そのような実績もなければ申請のないものを意味もなく制度化して優遇すること「それ自体」が「過剰な」アファーマティブアクションであり、またそれがさらなる差別を生みかねないということは指摘可能です(制度の存在「それ自体」が差別を助長する、ということ)。
神威に誓って戦う事が全てでは無い!相互理解が無ければ互いに滅んでしまう。
ムサシ、いや シサム。 シャザムとも違う。
アイヌ語で和人(アイヌ人以外の者)の事である。(勉強になるね)
アイヌとは 人(人間)て事でもある。
偶然にも北海道の神威岬(カムイミサキ)にも行った事あります。
かつて165年も女人禁制でもあった 積丹ブルーに囲まれた所ですネ。
今日はそんな 「シサム」を観に行きました。
昨今、ゴールデンカムイの影響なのかアイヌに脚光が。
その流れで今作が有るのだろうと言う事は安易に思いつきます。
よって、ゴールデンカムイの様なアイヌ語初心者講座的な所は全くなく
ガチで言葉が入ってきます。
内容的には、映画アバタ-的な感じの流れに捉えられる所もあり、
異なる民族同士がいかに相容れるかでしょうか。
つまり和人がアイヌ民族と過去どの様に接してきたかを訴えてますね。
(良かった所、思った所)
・何と言っても森の中の撮影。山の中をリアルに旅してる感じに成ります。
川土手にフキがいっぱい生えてて、全部取ったら良い山菜料理出来そうって思いました。実際の山中撮影なのが良く分かります。
採光の関係もあり撮影は大変であっただろうと感じました。
・規模は小さいですが山中での戦い場面ですかね。弾丸や矢が観ているこっちの方向に飛んでくる描写が多く有りとっても迫力がありました。矢が飛んできて刺さっているのが結構リアルに出来てて 邦画も中々遣るじゃん~て思いましたね。
・序盤の松前藩が船積で用意したコメ等を浜辺に下ろして一旦保管してる場所。そこが火災消失する場面。絶対燃えるだろうと思ってた。燃えやすい建屋作りに 浜辺であれでは寒すぎる。なんか作りが自体が変に感じました。
・孝二郎がアイヌに助けられて、彼等の生き方や自然界との調和を大切にしている点を学んで行くところは良かった。しかし浜辺で松前藩の3人に見つかり善助とリキアンノが殺されてしまう所を何も出来ずにいるのは ちょっとなと感じた。
一番肝心な所だったのに、何も起こらなくてあっけなくて残念な場面だった。
・シカヌサシが命からがら村に戻ってきて、そこへ孝二郎が松前藩の連中がやって来るから 皆逃げろと警告しに来たところ。
村のアイヌの者達が何処に逃げろと? 今まで平穏無事にここで暮らしてきて何故逃げて行かねばならないと、毅然とした態度を示す所は感動した。
そこへ 松前藩のリーダ-部隊が遣ってきて、村人達と藩の戦闘部隊とが硬直状態に陥るが、孝二郎がアイヌ側に立って ”同じ人間”で誰も藩と戦うものは居ないと諭すところ。 一触即発だったが 鉄砲を下ろした事で戦いは起こらなかった。
しかし、その後 松前藩はどうしたのかが 描かれていない。とっても気になる所。
・松前藩のアイヌ領域を許可なく汚したり、約束のコメの量が勝手に減っているのを突き止めた手帳。折角、砦の者に渡そうとしたが 時が既に遅いとか言って何の役にも立たなかったところ。あれでは善助、兄の栄之助も浮かばれないのでは無いか。結局 自分が色々なアイヌ地域を旅して藩の不正行為を記して行くのだが。
もう一つ意味ある様には感じられないかな。
何時か役に立つって・・・それは今でも残ってたのかな?
・圧倒的に武力が違い過ぎてて、鉄砲と獣狙う弓矢では勝負着いている様なもの。
アイヌ民族資料館にも行ったけど、彼らは至って質素倹約の民族だと感じた。
日本国内においても イスラエルとパレスチナみたいな事が有ったって事、忘れちゃイケないなと感じる。
・素直に感想を言うと、心の奥底に熱いものが湧き起ったのは確かであるが涙流すほどの感動には至らなかった。
きっと自分がその場所を征服した側の和人であるからであろうと、そう思う。
だからこの映画には、アイヌの方にしか伝わらない深い思いが有るのでしょう。
きっとそう感じます。
皆さんがこの映画を観て、互いが理解し助け合いながら生きて行ければと
そう願います。
ご興味ある方は
是非劇場へ!!
和人とアイヌの物語
子供の頃北海道に住んでいたので、アイヌはちょっと身近。ゴールデンカムイも好き。
今年の夏、念願のウポポイにも行けたし。
アイヌの映画の中でもとても観やすいと思います。ストーリーも面白く、どつなっていくのか分からなくて最後まで楽しめた。
寛一郎さんも良かった。情けない少年から、立派な大人まで見事でした。
北海道の映像も良かったし、その他の映像も緊迫感があって良かった。
アイヌ語の字幕はあった方が観やすいかな。出会いのシーンは言葉が通じないのは分かりますが、後半に字幕出すなら始めから出して欲しい。
アイヌを取り扱うと、差別と迫害があったことは避けられないテーマです。
同時に、アイヌ文化やアイヌの伝統も素晴らしい。この映画ではアイヌの魅力は出ていない。もっといろいろも魅力を見せて欲しかった。
あのトランス状態になりそうな不思議な魅力は皆無。
これは和人とアイヌの物語であって、アイヌと和人の物語では無い。あくまで目線は和人側ですね。
和人から見て、可哀想なことをしたという目線。
エンドロールもアイヌの音楽で浸っていたら、中島みゆきで、私には台無し。
ただ、アイヌについて知ったり、興味を持ってもらえる良い映画だと思います。
ピヨーンぽよ~ん、ピヨーンぽよ~ん😅
アイヌの定め
アイヌの悲哀
アイヌの怒り
アイヌの優しさ
アイヌの魂
アイヌの、アイヌの、アイヌの〜…
もう、アイヌがいっぱい詰まった素晴らしい作品😆
それにしても、寛一郎さん、何回転げ落ちたんだ?😅
また、エンディングテーマの中島みゆきの一期一会がベストチョイスだこと😌
異文化を体験
主人公と一緒に異文化を体験し学ぶことができるのも映画のいいところ。
「ミッション」とか「ダンス・ウィズ、ウルブズ」「ラスト・オブ・サムライ」とかが大好きなので、今作も楽しめた。
もっと松前藩の非道ぶりを描かないと、あれだと米の量ごまかしてるくらいだからアイヌが迫害されてるのがあまり伝わってこない。
北海道の自然の雄大さ、厳しさが伝わってこない(直前に観た「ぼくのお日さま」が冬の間の物語だったのに対して、今作では夏だけだったから仕方ないか)。
戦闘シーンも規模が小さい(飛んでくる矢は迫力あったな)。VFXでもいいから海岸に押し寄せる松前藩の戦艦や兵士の大軍があればよかった。
欲を言えばきりがないし、どこまでが実話か知らないけれど、憎しみの連鎖を断ち切り、嵐に向かって進んでいくっていうのはとても良いと思う。
寛一郎はナミビアも同じ時期に撮影してたんだな。会社員にしては髪長いと思った。
坂東龍汰気づかなかった。
劇伴も壮大な感じでよかったけど、最後の最後で中島みゆきの主題歌に全部持っていかれた。
公開館も少ない上に、上映回数が少ないのが残念。
今だからこそ、たくさんの人に観てもらいたい作品だと思う。
次世代に残して欲しい映画です。
日本史の中でも、触れられない、伏せられている、和人のアイヌへの侵攻を描いた貴重な作品。アイヌの生活や風習もわかり易く、説得力がありました。伊能忠敬、間宮林蔵、松浦武四郎など、アイヌの世話になりながら、蝦夷地をめぐっていくことを考えると、感慨深かったです。次世代に残して欲しい映画です。
ノーゴルデンカムイ‼️❓一期一会‼️❓
世界史上、異民族、原住民を組織的計画的に虐殺しないのは日本くらいしかない、私の記憶が正しければ。
この映画は事実に基づくらしい、アイヌと松前藩は対等の戦争とみられる。
死んでいく人は、ある意味、因果応報、殺せば、殺される。
虐げられしものに、救いを与えようとする主人公、仇討ちをしない、そんな人もいたのかもしれない、なんだか脚色が過ぎるようにも感じたが、こんな映画を作ろうとする意義は大きい、ありがとうございます。
良心的な貴重な作品
江戸時代前期の蝦夷地。現在の北海道が舞台でアイヌと和人との関りを描いた良心的な作品でした。
予算の都合かスケール感は乏しいですが、関係スタッフの熱い想いは感じました。
出演者の皆さん熱演でアイヌ言葉を覚えるのは大変だったろうと苦労が偲ばれます。
敵討ちが美徳の時代に命の大切さ、復讐の無意味さ、争いの連鎖は現代にも通じるテーマなので貴重な作品ですが
悲劇的な歴史を優しく描きすぎている気がしました。
しかし多くの人達の想いがこもっている作品なので
おススメ度は個人的には高いです。
なによりこの作品が公開できたことが貴重だと思います。
興味があればご覧ください。
彼らも同じ「人」
アイヌとの交易で藩を運営している松前藩のことは何も知らずにいました。
主人公の心の変遷は良く分かるし、最後、
「藩の運命を左右する普通なら隠していたい資料」
を、
「アイヌの人々の苦しみが書かれた資料」
だと想い、守り抜こうとしたことや、更に別の地域についても自分で調べるようになったことは凄く良かったです。。!
最後に助けることにした2人が(1人は兄の仇ではあるけれど)
侍(和人)に襲われる時、すぐ前に歩いてたはずなのに何で止められなかったのか、間に合わなかったのかがちょっと疑問でした。残念なのはそこだけです。(明らかに今一緒に居たのにな。。)
でもあまり今まで見たことの無い切り口の映画だったので、見て良かったです。
主人公の着物の一部がアイヌの模様になって縫われていたことが、主人公の気持ちを表しているみたいで良かったです。
自分が侍であることは変わらないし忘れないけど、ただその土地で静かに暮らしているだけの隣人のことも大切にしたいって、大事なことだと思いました。。
今こそアイヌに学びたい
予告からすでに泣けてきて、鑑賞を決めていた本作。公開初日にさっそく鑑賞してきました。
ストーリーは、江戸時代初期の松前藩でアイヌとの交易を営んでいた兄・栄之助とともに蝦夷地に赴いた孝二郎が、そこで兄を殺した善助を追う中で負傷したところをアイヌの人々に助けられ、彼らと触れ合う中でアイヌに対する認識を改め、自身を見つめ直していくというもの。
大筋は予告でわかっていた感じの展開なので、そこに意外性はありません。ただ、兄を殺した善助にも、単なる金品目的や怨恨ではなく、彼なりの大義や強い思いがあってのことだったのは意外でした。それが後々わかってくるのですが、それがアイヌとの関係性にも深く関与している点がとてもよかったです。物語としても、このあたりからおもしろさが増してきます。
また、松前藩とアイヌとの戦闘シーンは、大軍勢の戦乱を見慣れた目にはかなり地味で、分隊から小隊程度の人数で行うゲリラ戦の様相ですが、それでもかなりの恐怖を感じます。どこからともなく放たれる矢、その矢の強烈な風切り音、急所を射抜かれ即死する兵士、それを一人称視点で感じさせるカメラワークなど、巧みな演出が臨場感と恐怖を生み出しています。そして、この戦闘に大きな意味を見出せないことが本当に切ないです。
搾取される憤りから蜂起するアイヌの人々と、その心情を察することなく役目として鎮圧する藩士。どちらも自分の正義に基づいて行動しているのに、どちらが勝っても事態の解決には至らず、憎しみの連鎖を生み出すばかりです。かといって、その感情を捨てきれないのも、人の性です。兄の敵討ちに固執する孝二郎に対し、「その憎しみを捨てられるのか」と問う村長の言葉が刺さります。そんな村長が武力蜂起には参加しないと決断し、目前に敵が迫っても逃げず、「なぜ我々が逃げねばならないのか。ただここで生きてきただけだ。」と訴える姿に、熱いものが込み上げてきます。
タイトルの「シサム」とはアイヌ語で「よき隣人」という意味らしいです。自然を敬い、自然と共に生きてきたアイヌの人々は、大自然の「よき隣人」であり、和人に対しても同じ思いで接したかったのではないかと思います。それに対して、和人はアイヌを「都合よき隣人」と思っていたのでしょう。力ある者が弱き者を虐げるという構図は、現代社会でも続いています。だからこそ、和人の搾取とアイヌの窮状をもっと生々しく描き、現代を生きる私たちに強く訴えかけてほしかったです。残念ながらそこが薄く、思ったほど泣けませんでした。それでも、エンディングで流れる中島みゆきさんの歌声で、一気に感動的に丸め込まれてしまった感はあり、鑑賞後の印象は悪くないです。
本作は史実に基づくフィクションということですが、シャクシャインの戦いに絡めて架空のコタンを描いたということでしょうか。孝二郎のモデルや残された史料があるのか、ちょっと気になります。また、本作で描かれるアイヌの食や文化にも興味をそそられます。最近、「カムイのうた」「ゴールデンカムイ」などの公開もあり、改めてアイヌが注目されるようにもなってきたので、アイヌ文化を訪ねてのんびり北海道に旅行に行きたくなりました。
主演は寛一郎さんで、アイヌに触れて揺れる孝二郎を好演しています。脇を固めるのは、三浦貴大さん、和田正人さん、坂東龍汰さん、平野貴大さん、サヘル・ローズさんら。中でも、平野貴大さんの落ち着いた演技が、いい味を出しています。
アイヌとは人間と言う意味
8:50からの回を見ました。いやぁ~良かった。松前藩と蝦夷、アイヌのこと勉強になりました。史実に基づいているということで、知らなかったことが分かりました。日本人は、見るべき映画です。
イタタタタ×2はアイヌ語ですか?
蝦夷地で使用人に兄を殺され、自身も瀕死の重傷を負った松前藩士の息子がアイヌに助けられ敵討ちを志す話。
兄を殺した善助を追い詰めるも返り討ちにあい、倒れているところをアイヌのコタンへ連れて行かれて巻き起こっていくストーリー。
朦朧とする意識の中月代は伸びて行くことで臥せっていた時間の長さをあらわしているけれど、伸びるの速すぎじゃ…。
そしてコタンで暮らし、体力を戻しつつも、復讐心を抱き続ける主人公に転機が訪れ、恩返しをしてからとなっていくけれど、旅立つ日は遠く…。
善助の登場の仕方はまさかだったけれど、人として共に過ごした時間からの情からくる、意識や思考の変化を成長としてみせていく。
逃げろが降伏しろに置き換わっていたのはちょっと解せないところもあったし、全てがうまく行くわけではないところもあり、少しモヤッとしたものが残ったけれど面白かった。
タイムスクープハンターじゃねーよ
ゴールデンカムイ人気でアイヌ文化への関心が高まってるのか、蝦夷地を舞台にした江戸時代物。映画.comの本作記事にあった、現代の暴力につながる不寛容やヘイトによる分断を訴えたいという制作側の意図はわからなくはないが、それをアイヌと和人の歴史でやるなど的外れである。
鑑賞前は、船戸与一の蝦夷地別件のような凄絶な物語?と期待したが、和人によるアイヌの蹂躙はやんわりとしか描かず、アイヌ思いのいい和人もいたんですって話になんの意味があるのか。事実を基にしたフィクションといっても劇中どの部分が事実なのかはわからないため、見方によっては加害の歴史をうやむやにする歴史修正主義とすら思えてくる。
映画としてもなにかとツラい。時代物をやるには予算なさすぎで全画面からチープさしか伝わってこない。戦だ!と言いつつ現れるのは10人ほどのしょぼい部隊で、海岸線に何十隻もの藩の船がずらり…みたいな画はなし。北海道の広大さも一切感じられず、ひたすら森の中を動き回ってばかりで、テレビの監督らしく肝心なことは全部セリフで言わせてしまうし…。役者はがんばってアイヌ語をしゃべるけど、それがアイヌ文化に寄り添うってことなの?
さんざん言ったけど、和人でもアイヌでもないカエル顔の古川琴音と、ホラー味すら感じた富田靖子はよかったな(遠い目)。
現在こういう
企画が通り、公開されるのは尊い事。イスラエル、中東、ネイティブアメリカン、福田村同様な事が北海道でも行われた事を我々は知るべき。
ただ脚本はもっと練るべきだった、サヘルローズさんの下りとかちょっとぎこちない。自然の画は美しかったけれど、動物が鮭以外に出ても良かったと思う、オオカミとか。
松前藩ってそうだったんだと、勉強になった サヘルローズのキャスティ...
松前藩ってそうだったんだと、勉強になった
サヘルローズのキャスティングが良かった
アイヌの表現が細部に渡りきちんとしていて驚いた
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