「いろいろな違和感を感じながら。。」シサム はりー・ばーんずさんの映画レビュー(感想・評価)
いろいろな違和感を感じながら。。
松前藩の武士とアイヌの人達を描いた映画。
主演は、寛一郎。
頼りない、情けない感じの演技をさせたら天下一品の役者さん。
そんな彼が気になって見に行ってみた。
直近だと、『ナミビアの砂漠』、『せかいのおきく』に出ている彼を映画館で見ていた。
今回の映画もいつもの感じの彼でした。
最近思うのは、いろんな役をカメレオンのように演じる必要は無いのかと思う。
あるYouTubeを見ていて、昔の名優と言われる人は同じ役を同じように演じていたという話を聞いて、演技が万能である必要は無いと思うようになった。
ひとつ人より秀でた味というか個性があれば、それだけでも名優と呼んで良いんだと思うようになった。
役所広司や菅田将暉、綾野剛や松坂桃李のようにいろんな役を演じられなくとも、味のある演技が一つできればそれだけで良いんだと最近考えるようになった。
野球でいうと昔は落合や清原のような右も左も打てる打者が一番だと思っていたが、今は原や松井のように引張り専門でも良い打者に変わりはないと思うようになった。
(野球で例えてしまい、分かりづらくなってしまったかな。。)
話はそれたけど、そういう意味で今回の寛一郎も良かったです。
松前藩の兄を殺された武士が仇討ちをしようとする話。
アイヌ文化を知らない私は驚く点がたくさんあった。
・アイヌの民族衣装がオシャレ
・刺青をこんなにみんな入れてたの?
・アイヌ語があるのを知らなかった
見ていてずっと違和感を感じていた。
史実映画だとしたら、年号を入れるとか時代が分かるようにして欲しかったし、松前藩の場所とアイヌの村の位置関係が分かるようにして欲しかった。
(松前藩は北海道の下の方の函館の近く)
その位置関係が分からないから、話が見えない部分があった。
松前藩の悪行を描くにしても中途半端だったと思うし。。
史実として描いていないのであれば、もっとアイヌの人達、生活をシッカリ描いて欲しかった。
違和感の理由として一番は、民族衣装とか刺青とかアイヌ語を私が映画を見ている最中に適当な演出なんじゃないかと思ってしまっていたから。。
帰ってから調べてみると、確かに女性たちは口の周りに刺青をしていたみたいだし、きれいな模様の衣装を着ている昔の写真が出てきた。
夜に鮭を取るのも実際の話なんですね。
見せ方でもっとアイヌの村を別世界として表現出来なかったのかな。
めっちゃクリアな映像だったので、質感を変えるとかして欲しかった。
このストレートな映像にも違和感を感じた。
カメラすれすれに矢が飛んでくるところは良かったかな。。
レンズに血が付いてそのまま移っているシーンもあった。
日本語が話せるアイヌの人がいたり、長髪に髭なので皆同じ顔に見えたり、なんとか有名な役者が出ているのは分かったけど。。
坂東龍汰にはなんとか気づいた。
ホント、要潤とか緒方直人とか富田靖子とか出演陣は豪華でしたね。
サエル・ローズも出てたんだけど、めっちゃ怖い顔をしていました。
役者も出来るんですね。
その分なのか、戦闘シーン等はショボかったです。
低予算映画という感じの作り。
それに、私が感じてしまった違和感のせいで映画を楽しめなかった。。
こればっかりは、しゃーないですね。