サユリのレビュー・感想・評価
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白石作品お馴染みのぴゅるぴゅるは健在!
過去作でも出てくる「怪異的ぴゅるぴゅる」、出てきたねえ。「あー、白石作品だ」としみじみ。
前半は正統派ホラーのテイストからの中盤の作風変化!ああいうテイストやってみたかったんだろうね。子どもも女性もバンバンやられていくのはホラーの定番を外す展開。あ、原作未読です。
※追記:原作の流れを踏襲してるみたいですね
おばあちゃんは後半の豹変ぶりを意識してるからなのか、前半の演技がわざとらしい。だからギャグ要素になっちゃってて、「本格ホラーテイスト」だが、正統派な感じになってないのが、惜しい。
霊との対決姿勢は「貞子vs伽倻子」風だから、まあ、予想の範囲内。基本、嫌いじゃないんだけどね。
一周回って、後半のテイストはいい。でも勢いつき過ぎたのか、「一周半」まわっちゃったかな。つまり、サユリがどうして引き篭ったのか、っていう理由がね、ダーク過ぎる。後半味変してホラーから少し空気が軽くなったのに、あれじゃあね。あの理由が分かってからも「軽い空気」は残してるんだから、ちょっとチグハグ。そもそも母親だけ生かすのも「?」って感じで。父の行為を見逃してるし、妹と一緒になって父と3人でやってるんだから、そこで「母と子」のテイストはむりくりかも。
後半もっと勢いよく、対決ムードから明るく突き進んでくれたら、もしかしたら★5も考えちゃうかも。まあ、でもその「惜しい」感じが「白石ワールド」なのかもね。鑑賞後の空気はホラーではなかったし、あのテイストは海外では作れないかも。
想像を超えて
いやー
この映画みる前に一つだけ情報が入ってしまいました。
「お婆さん大暴れ」
まさか、あの方じゃないだろうなあ
と思って観に行ったら
(キャスト知らなかったです)
本当にあの方で・・・。
と、気分は萎え萎えだったのですが・・・。
こちらの想像を何倍も超える「暴れ」で
認知症のお婆さんが「対サユリ」において覚醒。
怒濤の展開に観ていて幸福の絶頂でした。
そして、対戦終了後はもとにもどるのはまるでジェットジャガーです。
なお
喫煙
「お××こ」の台詞
お婆さんの作戦
等TV局が委員会に入ってたら出来そうもない事の連発(とどめは「美少女が引きこもって変貌してゆく理由」でこれは切ないです)
でも委員会は博報堂とか東北新社(制作プロダクションもここ)とか入ってるんですよね。
といいつつ東北新社は、「あの問題の大企業」である以上に
「牙狼」を制作したり「エマニュエル」のDVD出したりしている会社ですから、まあ当然の帰結かもしれません。
上映中にスマホを見るのはやめよう!
「プー2 あくまのくまさんとじゃあくななかまたち」を観に行った時に、女性客が多くて驚いたんですが、今回「サユリ」を観に行ってまたまたビックリ!ヤローばっか!まぁ、夏休みの昼の回ってこともあるかもしれませんが、中高生と思われる男子学生が集団で何グループか、来ている状態でした。
そして、こいつらのマナーが悪い!映画が始まってもスマホ見てるもんだからイライラしちゃいました。
そんな嫌な気分で始まった本作品でしたが、楽しませてもらえたんで良かったです。
総体的に言えば、白石監督の醍醐味である笑えるホラーでした。ゾゾゾってしながら、ギャハハって感じです。
原作は見てません。「ミスミソウ」と同じ作者ということで期待したのですが、随分、雰囲気か違うような・・・やっぱり監督の影響でしょうか。
【ネタバレ】
冒頭、象足の登場から、すっかり引き込まれました。
そして、いきなり10年後、先ほどのいわく付き?の家に、今時、珍しい三世代家族が越してきたところから本編が始まります。
怖じ気づく弟を尻目に、はしゃぐ家族だったが、姉の異常を皮切りに、不幸が襲い来る。父が死に、祖父が死に・・・
怒涛の展開は、女、子供にも容赦無し。長男が絶望にうちひしがれた時、ボケかけていた祖母が覚醒する。
もう、ここからはお笑い要素満載ですね。
人間が悪霊に勝つ!ってのが、本作のテーマみたいです。
大いに笑わせてもらいました。
でも、サユリが悪霊になる件は、ちょっと切なかったですね。
父親の異常な愛情(おそらく性的なもの)に怯え、母親に助けを求めても、見て見ぬふりをされてしまう。
父親を避けるために部屋に閉じ籠り、お菓子を食べ漁ったすえ、醜い姿へと変貌してしまった。
怒りを露に示した時、家族総出で殺害され庭に埋められてしまった・・・
そりゃ、悪霊にもなるわな。
ババア無双
原作漫画が好きなんで楽しみにしてました。
概ね原作通りだし、太極拳等のオリジナル要素も良かったと思う。
演出も王道を抑えた正統派ホラーって感じ。
やっぱ暗がり+静寂+電気点滅のコンボって良いよね。
また、原作とは違う、吹き抜けが印象的で変に複雑な間取りの家を使った立体的なカメラワークも良かった。
キャストについてだけど、やっぱり婆さんの再現度が凄かったな。
太極拳の達人っていうオリジナル要素も良い。父親が死んだ後の食卓でのぶち切れシーンとか霊媒師をぼこすシーンとか随所にアクションのこだわりを感じる。
そして何よりボケてる時と覚醒時の演じ分けが秀逸よな。本当に同一人物かと思う程の演技力は流石の一言。っていうか婆さんのせいで他のキャストが霞む。
だが残念っていうか、評価分かれそうだなって思ったのがサユリの設定。
何でデブスにしたの?って疑問だったけど、バックストーリーの改変の影響だったのね。
まぁ、外側を醜悪な腐れデブスにしたことで本体の可憐な少女とのギャップが強調されてて良かったと思う反面、普通に原作通りの貞子、伽椰子に次ぐ新たなホラーヒロインを見たかったなって思いもある。っていうか見た目汚いだけで狂気と禍々しさが全然足りんのよね。
禍々しさで言えば婆さんに対する爺さんを使った精神攻撃は原作に無い展開で良かったけど(本当は原作の黒髪モジャモジャ攻撃も見たかった。)、則雄への精神攻撃ももっと頑張って欲しかった。死んだ家族全員を使ったエグめの精神攻撃を見たかったな。
そしてあのラストバトルは何なんだ?
太極拳推しはよくわかったけど、笑っちゃうっての。触手のCGも変にチープだし。婆さんが太極拳でサユリを倒すシーンは良かったけど、全体的にあの対決シーンはいまいちかな。
全体的に見れば原作を大きく逸脱しなくて良かったけど、後半のオリジナル要素多めの展開が微妙だったな。
やっぱ脚本て大事よね。
人類よ、覚醒せよ!
「貞子vs伽椰子」の白石晃士監督作。そう思うと、作品カラー的に納得出来る。
しっかりオカルト映画している前半と、婆ちゃん覚醒を機に一気に豹変するのは、「貞子vs伽椰子」と同様のやり口🤭
そこからは、何とも生命感溢れるホラー映画となる。無茶苦茶な部分もあるけど、生きてる人間の方が強い、という理屈は意外と納得出来る。
まぁ、婆ちゃん、ちょっとやり過ぎの面はあるけど。
同級生を助けるシーンは何か「Gガンダム」で観たぞ、と思ったり🤣
そして結局、「払って済ませるつもりはねぇ、復讐じゃ!」と言っておきながら、払って許してましたね😂
面白かった。
しかし、最近、児童虐待に関わる作品を連続して観てるなぁ。
バールの正しい使い方と、悪霊退散で愛(性欲)を叫ぶのは斬新だなあと思いました
2024.8.26 イオンシネマ京都桂川
2024年の日本映画(108分、G)
原作は押切蓮介の同名漫画(幻冬舎)
引っ越し先がヤバかったというテイストの新感覚ホラー&コメディ映画
監督は白石晃士
脚本は安里麻里&白石晃士
物語の舞台は、日本のどこかの地方都市(ロケ地は静岡県熱海市)
父・昭雄(梶原善)は念願のマイホームを手に入れ、そこに一家が引っ越ししてくることになった
昭雄には妻・正子(占部房子)がいて、ふたりの間には、高校生の佳子(森田想)、中学3年生の則雄(南出凌嘉)、小学生の俊(猪俣怜生)の3人の子どもがいた
さらに、別居していた昭雄の父・章造(きたろう)とその妻・春枝(根岸季衣)も一緒に住むことになった
家に着いた早々、俊はこの家に何かがあると感じ、春枝にも何かが見えているようだった
ある日、話したこともない同級生・住田奈緒(近藤華)に声をかけられた則雄は、彼女から「気を付けて」と意味深な言葉を投げかけられる
だが、その言葉の意味もわからないまま、日常はゆっくりとおかしな方向へと進んでいく
映画では、冒頭にてある一家の異常な日常が描かれ、本編はその10年後ということになっている
冒頭の一家の長女・小百合(久保遥、幼少期:照井野々花)の身に降りかかったことが原因で、それが最悪の展開を迎えていた
一家はそのままどこかへ引っ越すのだが、そこにはあるものが残り続けていた
かなり振り切った内容になっていて、悪霊に対して太極拳で対抗するという、どちらかと言えばアクション映画になりかけていた
春枝が霊との遭遇によって覚醒しているのだが、その強さは霊媒師(ジェントル)をも駆逐するほどのものだった
また、要所要所にコメディ要素が込められていて、低俗なギャグが散りばめられている
その対象年齢は小学生ぐらいだと思うので、ガチのホラーを観に来た成人層(原作知らない人)がどのような脱力感を抱えたのかは想像ができない
呆れるというほどでもないが、悪霊に対して霊的対抗をしないという新しさがあったので、それはそれで面白かった
生命力が悪霊を凌駕し、いつの間にか恋愛対象になっていた相手を想う心がそれを打ち消すというのは、勢い以外では説明がつかないのではないだろうか
いずれにせよ、すごいものを観たなあという感じで、霊媒師を殴って倒したり、小百合の家族を拉致って復讐をするのは笑ってはいけない領域に入っていたと思う
これまでのありがちな路線を否定し、スポ根映画さながらの特訓シーンがあるのは今考えてもギャグ要素にしか思えない
友人もびっくり(察していてフェードアウトしてた)のいつの間にか恋愛関係もびっくりしたが、そこで思いの丈のなかに「やりたい!」が来るのは中学生ならではだなあと思う
相手もまんざらではないのだが、「君たちちょっと早いぞ」と思ってしまったのは私だけではないのかもしれません
とても面白い
認知症のおばあちゃんが急に覚醒してパワフルになるのがかっこいい。しかし7人家族のうち5人が死んだらいくらなんでももう耐えられない。あの家無理ってなる。
主人公の男の子も応援したくなるタイプで、霊能者の女の子もかわいい。二人には幸福な恋愛をしてほしい。
僕の遠い身内にもサユリのような人がいて、しかしその人は別に性被害にあったわけでもなく引きこもりで太って肌がブツブツで精神を病んでいる。そのことを考えると何か明確な原因があってそうなっている方がまだ救われるのではないか、しかし原因を取り除けば果たして解消するのだろうか、どうあれその人はどうすれば救われるのだろうか、など考えが頭をぐるぐる回った。結局のところ考えてもどうにもならない。世を恨み、人を呪う、内面がそんなことで満たされていたらそれこそ地獄だ。厳しい。
時に合う多様性映画
身も震える恐怖あり、身も震える笑いあり、身も震える性癖あり、身も奮える恋あり、身も奮える高齢者あり、そして、最後は身も震える涙あり。いやあ、初めてです、汎ゆる感性を揺り動かした映画は。
根岸季衣、ターミネーターのシュワルツネッガーですね。彼女、この映画の主人公だとは知りませんでした。
自分的には今年ナンバーワンかもしれない
原作未読です。したがってどこまで原作で、どこから映画オリジナルなのか知りません
===
まだ夏も暑い盛り。2024年の2/3が過ぎ去ろうとしている時期です。
夏と言えばホラーなのかこの時期にホラー系はたっぷりでてきますが、年末あたりに「今年見た映画の中で面白かったものは…」みたいに思い返した時にホラー映画はあんまり思い出されません。
が、今回のサユリはおそらく2024年の自分的な一番面白かった映画の名前に出てくるでしょう。
ジャパニーズホラーと80年代香港映画の融合です。しかも良いトコ取りです。
前半はきっちりジャパニーズホラーをやっていて、これこれこういうのが夏らしいよなって思っていました。
中盤、ババァの一喝で空気ががらりとかわります!いいぞババァ!かっけぇぞ、ババァ!!
もうジャパニーズホラーを見ている空気ではありません。もうこのババァがここにいる限り幽霊なんて怖くない。復讐劇を見ている感じで最高でした。
===
ここから「本当に面白かったがゆえの「ここがこうだったらなぁ」と楽しそうに不満をいう」ターンです。にこにこしながら言っていると思ってください。
ペドシーンはいらない。なんかサユリにも事情がなぁなんて思ってしまうと安っぽい復讐劇になってしまう。そのせいでババァのカッコいい復讐がどうも煮え切らない。
まあ、だからこそ作中で一番ヒドい目にあっていたのがオヤジだった事に「気にかけ、三食作ってくれた母親」は殺せなくても、その食事の原資を汗水たらして働いて稼いでくれた父親には何の感謝もナシなのかよ的な 変な違和感を感じないという効能があるのかもしれません。
ただ、そこではサユリの妹ちゃんの立場がいたたまれなくなります。悪いのは父母なのにこの子はなんでこんなことに。
ヒドい目にあったのはわかるけど無関係な人を殺してもいいライセンスにはなりません。
いやまあ、ジャパニーズホラーなんで「悪くないのに」は呪われない要因には一切ならないんですけどね。それでいうと神木一家は本当にまったく悪くないですし。
せっかくなのであの霊能力者がずかずかと家に入って行ってサユリにヤられてほしかった。
泣いてるサユリ(小)が神木一家と一緒に消える時に、一家に何かしらのリアクションをとってほしかった。
触手はモノノケ姫がチラついて仕方なかったです。脳内で響く「サーン!!!!」の声。
あの触手、必要だったか???? サユリ、そこまで触手に関係していたか???
……でも。
このあたりは「僕の好みはこっち」なだけであって映画が面白かった事には変わりません。
もうちょっと塩味が強い方がとか、上にコショウふっていいですか的な些細なことです。
ジャパニーズホラーのお約束に香港映画のテイストを混ぜた良質の映画です。
ネタバレをぽちっとしているのでここを見ている人は映画か原作をすでに見ている人だとは思いますが、そうでないならばぜひぜひ見に行ってください。
ババァ、かっけぇよ。ババァ。
※追伸※
こういう展開になるのならば予告編CMはもうちょっと控えていただきたかった。
「屍人荘の殺人」の映画宣伝スタッフを見習っていただきたい。
霊の力が強すぎる
最初で題名が回収されます
霊の正体は小百合さん、この方が今回の心霊現象を起こしています。
とある中古の一軒家に引っ越してきた家族が次々、
霊の被害に会ってしまう話。ここまではいつも通り、この後は違いました。
ホラー映画の中で、霊に対抗する一番手取り早いことはよく食べよく寝て運動して魂を濃くすることという健康撃退法を描いていました!
そして、面白いのが認知症だったおばあちゃんが目覚めてかなりヤンキー感のあるおばあちゃんになります!すごい心強い!
ミンナノウタやあのこはだぁれ?と違うまた新たな道を切り開いたなと思いました
小百合がなぜあの姿になったのか後半で明らかになっていくので納得しながら観賞ください
サユリ
昔からの怨念は強すぎる
白石晃士ここにあり
白石監督の過去作品を観てきた人ならニヤッとする要素がいくつか出てきます。たとえば
霊体ミミズ(的なもの)
道玄(と名乗る霊能者)
です。
自分もそれほど精通しているわけではないので、見る人が見たらもっと沢山あるとは思いますが。宇野くんとか某ディレクターとか出てきたら普通に笑ってたでしょう。
それにしても家族5人の死に様すらも白石節が繰り広げられてましたね。次男が墜落死した後の四肢や首のねじれ具合とか、もはや安心感すら感じるバランス。バァちゃんも歴代屈指のパワー系ババアだったし、ファンキーな感じで好き(身内には欲しくない)
主役とヒロインの距離感も絶妙で、見ててニヤニヤしてしまいました。
あと、庭掘り返して何か探してるとき、ワンチャン『例の髪の毛が出てくるのでは?』と期待してしまったのはココだけの話。
都合ボケ。
念願のマイホーム(中古物件)購入した神木家とその家に棲みつくサユリの話。
マイホームを手に入れ浮かれる家族だったが違和感を感じる弟しゅんと祖母の春枝…、越して1月も経たないうちに家族二人が次々と亡くなってく…。
次々と家族がサユリ絡みで亡くなり7人家族だった家族も残ったのは長男の則雄と祖母の春枝…、「復讐だー」とか言って何かボケ婆さんからファンキー婆さんに覚醒!何かとりあえずこのファンキー婆さんが頼もしいから、さっきまで少し怖かったサユリが怖くない(笑)
サユリがサユリになるまでの経緯は少し涙。
あんな可愛い子だからこそ父親から…。
かなり鑑賞者多かったし親子で来てる方もチラホラいたけど下ネタワードありで親子で観に来た方には気まづいのかなぁ~なんて余計な心配。
終盤のサユリとの殺り合い辺りは安っぽさを少し感じてしまったものの面白かった!
器用な春枝さんはホントに認知症なんだか!?
惜しい……!
ちょっとだけ予備知識ありで鑑賞
前半と後半で展開が変わって
バーチャンが豹変するのも良い。
が、サユリが不憫過ぎる。
家族5人も短期間に奪われたので
復讐じゃー! は分かるけど
元の家族をいきなり拉致ったのが唐突に見えた。
サユリとバーチャンが一度闘って
悲しい過去を知ったバーチャンが
サユリの無念を晴らすために拉致ってくるという展開のが良かったのでは。
事情はなんとなく理解してたっぽいけど
あの流れでバーチャン(人間)がいきなり人間を痛ぶるのは
バーチャンのクレイジーさだけ際立ってしまい、感情移入しづらい笑
サユリの過去ももう少し丁寧に描いても良かったのでは。
あと、もっとバーチャンのキレキレアクション(スタント丸出しでいいので)を期待していたのでちと肩透かしだった。
予備知識ゼロだったら良かったのかしら。
めっちゃ楽しみにしてた分、色々惜しいと思った作品です。
「元気ハツラツ!!」 復讐じゃ!悪霊には、生命力で立ち向かえ! やっと反撃するJホラーができた!! 待ってました!根岸季衣、大活躍!!
やっと面白いJホラーが出て来た!
これまで、特に最近のJホラーは、登場人物がやられっぱなし。
誰も反撃しようとしないので本当にもやもやし続けてきたが、ついに反撃の特が来た!
本作も、前半はおなじみ「家系」Jホラーの定番の展開。
既視感ありありのシーンの連続。
なあんだこっちか…と思いながら観ていると、7人家族がたった2人になってしまう。
が!
ここで突然、ぼけていた、ばあちゃんが「覚醒!」
根岸季衣ご本人提案のあの服装、サングラスにヘアスタイル最高!
サユリに対抗するために長男を鍛え直す!
自らアグレッシブに行動し、
太極拳で気力を鍛え、銭湯で決行を良くし、家をきれいにし、よく食べる。
ついには諸悪の根源の家族を見つけ出し、直接暴力を振るうこともいとわない!
ここから先、ばあちゃんの数々の名言(”覚言”)がいちいち頼もしくごもっとも。
とどめの「元気ハツラツ自粛用語あんまん!」にはびっくりした!
(原作にはない)
けど、スカッとした!
下ネタは命の躍動に通ず。
普段空気を読んで誰も口にしない言葉を言われると、カタルシスを感じてしまう。
他にも、戦いの中鼓舞するために「・・と、ヤリたいか!」とか。
これをちゃんとラストで拾って、本人に「私とやりたいって言ったよね」と言わせて、ばあちゃんと3人で笑って終わるという、なんと清々しい微笑ましいエンディング。
何といっても、根岸季衣の大活躍が嬉しい!
これまで、特に最近は、顔見世的な出演が多くて、なかなか演技を堪能できる映画が無かった。
つかこうへい事務所出身、黒沢映画にも出演、大林宣彦作品の常連、数えきれないほどの舞台、ドラマ、映画に出て来た超ベテランです。
もっと観させてほしい!同様の俳優はほかにもたくさんいる。
新人では、ヒロイン住田役の近藤華が、少し気後れしながらも徐々に近い存在になっていく様子が初々しくて良かったです。
白石監督は原作付きで、メジャーな作品をやったほうが良い悪品になると思う。
予算が多少あって、色々制限されて、監督本人の色が出すぎないからなのだろう。
最近の作品も観ていましたが、どうも合わないところがあって、追いかけつつも苦手でした。
特にあの、安っぽいCGの黒いモヤモヤが本当に苦手。
CGで書きました感が強すぎて、一気に覚める。
本作でも、大事なところで触手みたいに出て来たが、やり過ぎなくて良かった。
監督が、清水崇じゃなくて良かった。
昼間の劇場は満席!
上映後、観客が皆、本作のことを思い思いに話し始めて騒がしい。
みな楽しんだのがよくわかる。
「ミンナノウタ」「あなたはだあれ?」とかはシーンとしてました。
飯を喰え!!
押切蓮介氏のホラーは素晴らしく冴えていて大好きな作品。マジ怖い。
ホラーとギャグは紙一重との理念が合致していてそのギャップが激しくホラー色もその分、一層増す。
うまい。
確か今はホラーは描かないと記事を読んだ様な…惜しい。
「サユリ」もそんな作品だ。
まさかまさかの一発勝負ネタ。
新しく中古の一軒家に越してきた一家。
父、母、祖父、祖母、姉、兄、弟の7人家族。
大張り切りの父は真っ先に大きなダイニングテーブルを運び込み一家7人で食卓を囲む。
家族全員で仲良く食卓を囲むのって幸せの象徴だと思う。
新しい生活がウキウキで始まるが、祖母は虚空を怪訝な顔で見つめるもすでにボケているので家族は気にしない。
そして弟も不穏な空気を感じる。
もう、初日でおかしい。
最初に異変が起こるのは姉。
その姉の異常行動から連鎖的に家族がボッコボッコ死んでしまう。
7人で卓を賑わいをみせていたダイニングテーブルが歯抜け状態になり隣室には遺影が。対比したつくりがよい。
1番かわいそうなのがちびっこの弟。
この子のやられ方はなかなかの衝撃映像ではないか…と思う。
祖父、父、母、姉、弟
速攻で家族を失ったノリオ。
特に、弟→姉→母の亡くなり方がコンボで一気に亡くなりその様は一様に壮絶である。それを間近でみたノリオは泣くどころではなくもはや恐怖。
心中お察しします。
こっからが大勝負。
「すっかり目が覚めてしまったわぃ!!!!!」
「復讐じゃあ!!!」
え?!
ボケて夢の中にいたばあちゃんの復活である。
ノリオびっくり。
もともとボケる前はすぐキレて太極拳をやらされ、怖いばあちゃんだった事が序盤に語られるが、目が覚めたおばあちゃんは加えて激おこである。
祓うなんて生優しいもんじゃすまない!復讐じゃあ!!地獄へ落としてやる!!!
服装も原色バッキバキのタバコスッパスパ。
若さマシマシのキレッキレ。
ばあちゃんかっこよすぎやろ。
死者より生者の方が強い!!
ばあちゃんはスパルタでノリオによく食べ、よく眠り、体を動かし、部屋を清潔に保てと叱咤する。
ノリオに太極拳を教え、魂を強くする様に厳しく指導していく。なんかベストキッド思い出した。
確かに、ばあちゃんのいうことは正しいんだよね。
これが人間のある姿。どれかが欠けてもどこかで魂の量は少なくなると思う。
あー、帰ったら部屋を掃除しよう…と観ながら我が身を振り返る。
少しずつ強くなっていくノリオ。
気力が戻り、冷静さを保ち、笑顔が戻り、飯をガツガツ喰らう。
ダイニングテーブルが見える隣室、家族達の遺影が飾られてる部屋のちゃぶ台でばあちゃんと向き合いながら。
一方でちょいちょい出てくるサユリ。
ばあちゃんの一喝には勝てないらしい。
なんて頼もしい!ノリオもだが、観ているこっちもばあちゃんの強さに安心する。こんなん惚れるっしょ。
あと、幽霊にエロトークしたら消えるって本当なのね。
後半、サユリの強力な霊となってしまった経緯なども描かれている。
かわいいが故に起こった悲劇。
見て見ぬふりをする母親。
無関心の妹。
ばあちゃんの作戦でその醜い姿で現れたサユリ。
少女時代のかわいさはなくブクブクと太り、ニキビだらけの真っ黒な姿。
父を刺し、妹を殴り、母だけは目を潰す。
食事を運び気にかけていた母親だけは生かす。
ただ、見て見ぬふりをした目は許せない。
さらにサユリとばあちゃん&ノリオの対決になる。
ここでキーパーソンとして出ていたのがノリオの同級生として霊感のあるスミダさん。彼女もノリオを助けようと画策するも囚われの身になっていた。
しかしノリオ渾身の魂の叫びによって助けられる。
このスミダさんが華奢で立ち耳で小動物のようでかわいいのだ。
やはり、霊はエロトークは嫌いらしい…
サユリは消え、忌々しい家は取り壊され、ばあちゃんもまた再び夢の中へ。
強くなったノリオはこのままばあちゃんの教えのまま真っ直ぐに魂を強く保ち生きていくだろうけど、ばあちゃんの復活を心のどこかで期待するほど惚れ込んでしまった今年1番の強キャラ。
ホラーの理不尽展開を吹き飛ばす!
漫画は読了済み。
前半のホラー描写はジャパニーズホラーの真骨頂という恐さがあって、そこから後半のおばあちゃんの覚醒からの怒涛の展開はその恐さを吹き飛ばす爽快感。ジョジョの広瀬康一を思い起こさせるメンタルでやったれやったれーという気分で観られました。
ストーリー的にはサユリがああなってしまった原因を描いていたのはいい補完だった(吐き気がするほど嫌悪感を感じた)し、サユリに立ち向かう手段の生きる力を表すものとして、音楽や太極拳だったり、ここではとても言えない下品な言葉(映画館で笑いが起こってました笑)と具体化したのは作劇的に良い方に転がったんじゃないでしょうか。
ただ、終盤のCGの安っぽさにはずっこけてしまったので、もっと練り上げてほしかったなあ、というところ。
俳優陣は主演の南出が19歳、近藤が17歳、弟の猪股が11歳、姉の森田が24歳。そしてそれ以外のベテラン陣。すごくいい演技をしていて、正直自分はこれまで邦画はそこまで馴染んでなかったんですけど、こうやって真剣に演技と向き合ってきた人たちが出ていると本当に魅力的な映画と感じられるし、色々と観てみたいと感じました。
これはJホラー映画歴史に刻まれる一本ですな
中古物件購入し、祖父母も一緒となりマイホーム購入が叶ったある一家だが、呪怨のようにいわくつき物件であり怨霊によって家族を殺されてしまった中学生神木くん。残すは認知症気味の祖母と2人となったがここからが本作のターニングポイント。なんと認知症気味だった祖母が何かに覚醒してし、判断力、行動力共に超絶進化。今ここに前代未聞の覚醒バァちゃん&孫主人公VSサユリのセカンドステージが幕を開ける。
中盤までは怨霊サユリのホラー描写全開でいい味出してました。特に弟さんかなりボコボコにしてました。ここまではホラーとして言ってしまえば想定通り、期待通りの流れ。この作品の良さは中盤からでまさにアクセル全開。バァちゃんがサユリ除霊に全力であり、暗い雰囲気が途中からジャンプの敵へのリベンジマッチスタイルに変貌する。
ホラー映画なのに少し笑みが出たりとかなり独創生に飛んでいました。
元気ハツラツお◯※△マンマン
根岸希衣のド迫力演技が見所
自分を殺した家族に対する恨みで家に憑りついたサユリを巡るホラーでした。中古で一戸建てを購入した神木家。親子3代7人で暮らすことになった夢のマイホームには、初っ端から不気味な気配が漂う。そして家族は次々にサユリに憑りつかれて死んでいくという流れでしたが、結構衝撃的だったのは3人兄弟の小学生の末っ子まで無残な死に方をしたところ。普通子供は殺さんだろうという勝手な思い込みを逆手に取られた感じで、してやられた感満載でした。
7人いた家族が5人も死に、絶望したところで救世主の如く復活したのが祖母の春枝(根岸希衣)。当初は認知症が進んだ感じの状態で登場したものの、危機に瀕して正気を取り戻し、孫の則雄とサユリへの復讐を誓い、則雄に太極拳を仕込む。春枝は元々太極拳の師範で、実に頼りになる存在としてサユリに対抗する訳ですが、風貌と言い動きと言いセリフと言いド迫力で、本作の実質的な主演と言ってもいい存在でした。中盤以降はホラーから一転、「ベスト・キッド」みたいな展開になって行くところが本作最大の面白さだったのではと思います。
最終的に、サユリの恨みの原因まで特定し、その恨みを晴らす手伝いまでして終焉を迎えましたが、ラブストーリー要素も程よい調味料としてまぶされており、楽しめるホラーとして上々の出来栄えだったと思います。
そんな訳で、本作の評価は★3.5とします。
サユリの気持ちもわかる
中古の一戸建てを買い、夢のマイホームでの生活がスタートした神木家だが、悪霊が現れ、まず父親が心筋梗塞で亡くなり、次に祖父が心不全で亡くなり、弟が3階から転落死、姉が自ら包丁を首に刺して自殺、母親は延長コードを首に巻き窒息死、と次々に家族が死んでいった。その原因は、この家に棲みつく悪霊・サユリだった。生き残った長男・則雄と認知症が進んでいるはずの祖母・春枝が意識を取り戻し、2人で家族を奪ったサユリへの復讐する、という話。
元々、サユリが悪霊となった原因がサユリの父親が幼い彼女に性的暴行を加えた事だとわかり、原因がわかったことに関してはスッキリした。父が娘に性的暴行、という話を最近よく聞くような気がするが、とんでもない父親だし、見ないふりした母親もどうなんだろう、とは思う。彼女を殺して庭に埋めて他所に引っ越し、のうのうと暮らしてたあの家族の神経もいかがなものか。
ただし、あそこまで何の関係もない他人に手を出すサユリはやり過ぎだろう。
祖母・春枝役の根岸季衣はなかなか迫力が有って良かった。
あの、オマ○コ発言は何の意味なんだろう?
則夫を助けようとしてくれた住田役の近藤華は二重瞼が印象的で可愛かった。
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