劇場公開日 2024年8月23日

「「面白い」というより「面白がる」映画」サユリ キレンジャーさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0「面白い」というより「面白がる」映画

2024年8月30日
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当然観る作品は自分で選んでるワケだけど、その度に「やっぱりホラーは苦手だな」と思っていたりする。

「こわい!」「びっくりした!」「気持ちワル!」全部私にはストレスだ。

でも、映画好き達がこぞって話題にしてるなら、食わず嫌いで置いていかれるワケにはいかない。
私がホラーを観るのはその程度の理由なので、私のレビューや評価など、気にせずすっ飛ばして頂きたい。
ここはあくまで年老いた私の備忘録の場なので。

で、この『サユリ』である。
もちろん原作も知らない(観終わってから「ハイスコアガール」の作者だと知った)し、予備知識もほぼナシで劇場に乗り込んだ。

んんんと。
これは、ホラー…なんですよね?

まあジャンルなんてどうでもいいんだけど、観る側の心構えとしては中盤までホラーで入るんだけど、その後はエラいことになっていく。

そもそも家族が登場した辺りの芝居のやり取りから「ははぁん、これは怪しいな」となる。
原作通りなのかも知れないが、あんな話し方をする老人は(コミックやアニメにしか)存在しないし、痴呆っぽい演技もおかしい。お父さんのセリフの全てが空々しく現実感がない。
だから「別のリアルが存在するんだな」と思っていると、このイカれた話が走り出す。

婆さん最強かよ!
太極拳で戦うって!

物語的な「裏切り」「肩透かし」「そっちかい!」「なんでやねん」で進んでいくオカルト系残酷コント。

だから観客はしっかり心の中でツッコミながら観ていくのが正しい気がする。
「面白い」映画というよりは、こちらから「面白がる」映画。

それなのにサユリの過去は、結局「笑っちゃいけないヤツ」なワケだし、子供にも容赦ない暴力シーンとかもドキッとする。そういう意味で、ホラーに対して受け身で積極性に欠ける私には、うまくこのノリにライドできなかった。

前述したとおり、私の様な「ホラー弱者」や「器用に展開に気持ちを合わせられない人」が観るには、ちょっと厳しいのかも知れない。

キレンジャー